震災の日に公開 「劇場版 神戸在住」

2015.1.21 12:09

舞台挨拶に登壇した監督と出演者

(写真2枚)

阪神・淡路大震災から20年目となる1月17日、テアトル梅田、シネ・リーブル神戸の2会場で『劇場版 神戸在住』の初日舞台挨拶が行われ、白羽弥仁監督、主演の藤本泉をはじめ、浦浜アリサ、松永渚、柳田小百合が登壇しました。

藤本泉:両親が震災前の神戸に11年間住んでいて、親戚も被災しましたので、神戸の街に縁を感じます。1月17日というこの日に、この場に立っていられることに感謝の気持ちでいっぱいです。未来の神戸に明るい希望をもてる、観終わった後にやさしく明るい気持ちにさせてくれる作品ですので、背中を押してくれるような、そんな気持ちで劇場をあとにしていただければ幸いです

浦浜アリサ:兵庫県川西市出身で、当時は4歳でした。うちの周りは建物が倒壊したりということはなかったのですが、同じ揺れは経験しました。神戸の街は復興した状態しか見ていなかったのですが、撮影期間中、ホテルの窓から神戸の街をみて、20年前にいちど何もなくなった土地だと思うと、責任感が日に日に増してくる感じがしました

柳田小百合:生まれも育ちも神戸で、今も神戸に住んでいます。すごく幼かったので震災の記憶はあまり残っていないんです。ただ、「しあわせ運べるように」という歌を小学校で毎年、神戸市の子どもたちが復興のために校庭に集まって歌っていました。震災の被害が早く復興してくれればいいなという思いを毎年感じていたので、今でもとても大切な曲です

映画『劇場版 神戸在住』より
映画『劇場版 神戸在住』より

松永渚:今朝、柳田さんと一緒に東遊園地の追悼式に行って、被害に遭われた方のご冥福をお祈りしてきました。初めてだったのですが、20年という事もあってたくさんの人が来られていました。自分自身も被災しているんですが、4歳だったのでその時の記憶はあまりないんですね。でも改めてそれを肌身で実感する機会になりました

白羽監督:私自身は神戸市灘区で被災しましたので、そのあと街が瓦礫化し、燃え尽くされ、またそこに新しい建物が建つということをつぶさに見てきたつもりなんです。私自身もそうなのですが、つらい思いをした人ほど、口に出して語らないんですね。言葉になっていない部分を、映像を見て感じていただければという思いを込めて作品を作りました

それぞれが1・17に想いを馳せた、今回の舞台挨拶。20年経った今でも気づかないところで自分たちの日常に、当時の「傷」があることを伝えていく本作は、忘れられない、忘れてはいけない1日をさらに刻み込んでくれるに違いない。

映画『劇場版 神戸在住』

2015年1月17日(土)公開
原作:木村紺「神戸在住」(講談社 刊)
監督:白羽弥仁
出演:藤本泉、菅原永二、浦浜アリサ、松永渚、柳田小百合、松尾貴史、田中美里(友情出演)、仁科貴、愛華みれ、竹下景子、ほか
配給:アイエス・フィールド
1時間37分
シネ・リーブル神戸、テアトル梅田ほかで上映
© 2104 木村紺・講談社/サンテレビジョン

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