orange pekoeの2人からの贈り物

「ファンへの感謝の気持ちが大きい」(ナガシマ)
──これは私の勝手な妄想ですけど、2人のやりたいことがちょっとずつずれてきた部分もあったのかなと。やはり長い活動、しかも2人だと、必然で。でも、それぞれのソロ活動がいい意味で、orange pekoeにフォーカスを与えるきっかけになったんじゃないかな、と。
ナガシマ「そうですね。振り返ってみると、アルバム毎にどっちかの比重が高いとき、完全にフィフティになっていたとき、バラバラなんですよ。そういう絶妙なところで成り立っているので、どっちかが多いときは片方は『こうじゃないねんなぁ』って思うこともたぶんお互いにあったんじゃないかなって(笑)。もちろん、お互い納得した上でやってますけどね」
藤本「うん、そうだね」
ナガシマ「まあ、でも、ここ数年間で2人で作りたいなって思っていたことはとりあえずはできたかなって。総勢18名のジャズ・オーケストラとの共演作『ORANGE PEKOE WITH BIG BAND PARTY NIGHT!!!』(2014年12月発売)ができて、さあ、次どういう音楽にしようか、またイチからやりたいなって思っているところで。お互いにぼんやりですけど、次の展開を考えていますね」
藤本「そういう意味では、orange pekoeにソロの音楽性がいい意味でフィードバックされた具体的な作品というのは、これからなんですよ」
──じゃあ、新生・orange pekoeは12月のアルバム『ORANGE PEKOE WITH BIG BAND PARTY NIGHT!!!』が出て、それ以降という。
ナガシマ「そうですね」
──なるほど。では今回、ビッグバンド・アレンジのステージを収めたライブ盤と、新たにスタジオ録音されたバージョンの両方が楽しめるアルバムとなっていますが、これを出すきっかけとかは?
ナガシマ「これまでオーケストラとの共演は、東京だけでやっていたんです。ライブしていてめちゃくちゃ楽しいから、わりと自分たちで満足しちゃうんですけど(笑)、これは来てくれた人しか届かないぞってことに途中で気づいて(笑)。ちゃんとカタチにしておきたいなと」
──CD初収録となるライブではおなじみの名曲『Wanderer Soul』のほか、『LOVE LIFE』『Happy Valley』『空に架かるcircle』など、わりと初期の曲も多いですよね。
藤本「そうですね。選りすぐると、どうしてもベスト的な選曲になって。毎年恒例となっていたビッグバンドライブが、年に1回のベストライブ的な趣だったのもあるし。そういう意味では今までやったきたことのひとつのカタチですね」
──それにしても、インディーズ・デビューした頃はまだ2人とも大学生で、メジャー1stアルバム『Organic Plastic Music』で一気に全国に轟かせたのが、2002年。その時代の曲を今改めて違うアレンジでやることって、また違う感覚ですか? それとも懐かしい?
ナガシマ「そのあたりの曲は、ずっとライブではやってたんですよ。お客さんの反応も含めて、ここはみんなで歌うとか、そういうの込みで育ってきた感じが私はしていて。だから、昔の音源を聴くと、あれ、こんなんやったっけ? って(笑)。ビッグバンドでやりたいというのが最初の動機ですけど、結果的にorange pekoeとファンが一緒に作ってきた歩み、その一番派手な部分という感じはしますね」
──ただこの収録曲を見て、当時まだ20代前半、作っている段階では10代後半ですよね。これを10代で作るか! という末恐ろしさも改めて感じたりして。
藤本「ライブのときは、今の自分ならこうするだろうなって思うんですけど、でもあえて、このときのまま演奏しているんです。その時に出てきたものに忠実に演奏するのか、今ならこうすると曲をいじってしまうのか。そこは、難しいんですよね。でも、『なかなかいいの作ってるやん』って、声を掛けてあげたくなる部分もあります(笑)」
ナガシマ「私も歌詞で、今ならこうは書かないなってのもあるし。でもね、20代の自分たちの感覚を、そのとき、そのときにアルバムというカタチでレコード(記録)しているって、すごくありがたいことだな、幸せなことだなって。今聴いたら、ヒィーーッ恥ずかしい!ってこともあるんですけど(笑)、でもやっぱりあのときしかできなかったことだと思うし。それがファンと一緒にここまで育ったんだなって。自分としてはファンの人への感謝の気持ちが大きい、このアルバムに関しては。ほんまありがとう、って。それをカタチにして、その夜に来られなかった人にも届けたいんです」
──なるほど。あと、どうしても聞いておかないといけないのが、ジャケットを書き下ろしたイラストレーターの及川キーダさん。アートワークはいつもナガシマさんが担当ですが、これまでカンバラクニエさんや清川あさみさんなど、世間で注目されるより一歩先に起用していますよね。
ナガシマ「キーダさんもめっちゃいいんですよ。初めて絵を見た瞬間にビビッときて、速攻でフェイスブックで連絡して。いつだったかな、1年くらい前かな。ビッグバンドでのライブ盤を出すなら、彼女しかいない!って。ジャケット、かなり素敵ですから」
──しかも、クリスマスイブ=12月24日に発売という。
ナガシマ「そうです。orange pekoeの2人からのクリスマス・プレゼントです」
orange pekoe(オレンジ・ペコー)
1998年、ナガシマトモコと藤本一馬の2人でorange pekoeを結成。2002年にメジャーデビュー。翌2003年に発表したメジャー第一弾アルバム『Organic Plastic Music』は30万枚以上のセールスを記録。ジャズやブラジル音楽など独自に昇華したサウンドで一躍全国区となる。以降、オリジナルアルバム7枚をリリース。日本だけでなく、アジアやニュヨークでのCDリリースやライブ公演なども行っており、多くのミュージシャンから高い評価を得ている。
orange pekoe(オレンジ・ペコー)
orange pekoe
『ORANGE PEKOE WITH THE BIG BAND PARTY NIGHT!!!』
2014年12月24日発売
KICJ-678/3,240円
キングレコード
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