Q10なカノジョ 第27回 後藤まりこ

2014.12.18 17:08
(写真10枚)

映画・音楽・舞台・アート・・・関西の気になるカルチャーニュースで見つけた、かわいいあのコに、Q10(キュートと読んでネ)=10のQ(質問)を尋ねる連載シリーズ。第27回は、ミュージシャンとしてだけでなく、女優としても活躍する天然パンク娘のこのカノジョ!!

「意味より言葉の音がかわいかった」

Q1 11月にリリースした最新アルバム『こわれた箱にりなっくす』について教えてください。

前作、前々作以上に、聴く人の気持ちに届くアルバムを作りたかったんです。これまでは、楽曲に対するこだわりが強くて、音作りの面、細かいモチーフを作りこんでいたんですけど、今回はそういうモノはなしにしました。

Q2 アルバムタイトルの意味は?

以前にパソコンが壊れて、OSを入れ替える作業をやらなアカンときがあって。いろいろ調べていたら「Linux」という言葉が出てきました。OSとかの名前とかですー。意味もですが、言葉の音がかわいかったんです。「こわれた箱」というのは、(聴く人にとっての)自分自身でもいいし、他人でもいいし、ボク自身のことだと思ってくれてもいい。「自分」に置き換えてくれたら。

Q3 2014年は事務所無所属の時期もありましたが、その期間はどういう心境でしたか。

前の事務所を辞めたとき、「何もないな」と思ったんです。だけど、ライブ制作のスタッフ、そしてお客さんがボクに付いてきてくれて。それが本当に救いでした。事務所に入ったら多くの人が関わってくれて、自分が想像できないようなアイデアがもらえます。個人で活動すると、面倒くさいことはたくさんあるけど、人と繋がって仕事をしている以上は、面倒くさいではいけない、と。そう感じる物事ほど、頑張らなアカンなって。面倒くさいですけど。

Q4 そんな時期の中で行った、今年5月の「SHIBUYA−AX」でのライブは特に思い入れがあったのではないですか。宣伝活動、チケットの手売りなど自分自身で動いていましたし。

「変わっていこう」「姿勢を見つめ直そう」というきっかけとなったのが、あのライブでした。あれを経験したのは大きかったです。ライブ会場にたくさんのお客さんが足を運んでくれました。その“結果”は自信になりました。何よりも、ファンのみんなが全国各地から「ライブに行くよ」とメールやツイッターで声を届けてくれたのはうれしかったです。

Q5 また女優業も精力的で、今年8月には『デストロイ ヴィシャス』で知られるパンク映画監督・島田角栄の最新作(タイトル未発表)の撮影もありましたね。

楽しかったです。映画の現場ってたくさん経験してないですけど、いい画を撮ろうとしている気持ちが伝わってきました。スタッフみんな、島田さんの映画が好きなのが分かる現場で、そこに参加できたのは良かったです。

Q6 2014年10月は、劇団「ロロ」の三浦直之演出の舞台『ロミオとジュリエット』で主役を演じられましたが、いかがでしたか?

振り返ってみると、自分自身、もっとやれました。もっと厳しく評価されるべき作品やと思います。三浦さんにも、もっともっと私に求めて欲しかったし、それに応えたかった。与えられている役割以上のことをやらなければいけないのに、それができなかったから。もっともっと詰めて、もっともっと追求して、長い期間、この舞台をやりたかったです。

Q7 これまで、ほかにも舞台『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』、テレビドラマ『たべるダケ』、映画『ペダルダンス』など出演されていますが、芝居のおもしろさを感じていますか?

楽しいです。何かに打ちこんでいるという行為が楽しいです。演出家さんがいれば、その人のために何かできたらいいなと思います。ただ、音楽とはまったく別物です。(演技経験が)音楽活動に反映されていればいいな、と思います。

Q8 『TOKYO IDOL FESTIVAL 2013』など、最近はアイドルとの共演も多いですね。

アイドルちゃんはみんな純粋で、一生懸命なところにひかれます。

Q9 ミドリの頃の後藤さんを知らない若者にとっては、「後藤まりこ」ってアイドル歌手に映っているかも知れませんね。

あっ、でも『たべるダケ』に出演したときは、「たべるダケのドラマの人」というイメージだったと思いますし。いろんな人が勝手にいろんなことを思ってくれるのは、全然大丈夫です。というか、うれしいです。ボクの作品を聴いてもらえるきっかけになるじゃないですか。だから、何でもいいかな。

Q10 最後に、後藤さんは小さいときに何になりたかったか、教えてもらえませんか?

猫になりたかった。成長したら「大人になる」と思っていなくて。「猫になる」とか「人間になる」とか、そういう選択肢があるものだと信じていました。小学1年生の七夕のときに「猫になりたい」と短冊に書いたら、みんなに笑われました。でも、笑われた理由が分からなかったです。次の年の七夕になんで笑われたのか気がつきました。「そうか。大人になったら、“人間の大人”になるんだ」って。

取材・文/田辺ユウキ 写真/渡邉一生

Who is Mariko?
Q10なカノジョは、どんなコ?

後藤まりこ(ごとう・まりこ)
大阪出身、2月22日生まれ。ハードコア/パンクロック・バンドのミドリのボーカル&ギターとして2007年にメジャーデビュー。ジャズとパンクを融合したカオティックなサウンドにのせてハードコア乙女な心情を畳み掛けるように吐露した歌世界、セーラー服姿での過激なパフォーマンスで話題を集める。2010年にバンド解散。2012年にアルバム『299792458』でソロデビュー。音楽活動のほか、2012年にロックミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』(主演:森山未來)、2013年放送のテレビドラマ『たべるダケ』(主演)など、女優としても活躍。2014年11月には3枚目のアルバム『こわれた箱にりなっくす』をリリース。好きな場所は銭湯。
公式サイト
公式ブログ
ニコニコチャンネル「後藤まりこと遊ぼう」

『こわれた箱にりなっくす』
2014年11月12日発売
通常盤(CD)
2484円/KICS−3127
キングレコード

Q10なカノジョには、ここで会えます!

後藤まりこ
『私のRe:boooootワンマンツアー』
バンドメンバー:AxSxE、仲俣“りぼんちゃん”和宏、坂井キヨヲシ、中村圭作、マシータ

日時:2015年1月9日(金)・19時~
会場:umedaAKASO(大阪市北区堂山町16−3)
料金:3780円(ドリンク代別途要、オールスタンディング、整理番号付)
http://www.shimizuonsen.com/

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