10周年の安藤裕子「もっと軽くていい」

「今は安藤裕子バンドが一皮むけるための途中」(安藤裕子)
──2005年のベスト盤『THE BEST ‘03〜’09』までがいわゆる第1期というか、そこをひとつの区切りとして安藤裕子というミュージシャンの形を作り上げてきたじゃないですか。
「そうですね」
──で、そのベスト盤以降は新しいアレンジャーと絡んだり、さっきおっしゃってたみたいに楽曲も「私小説」的に・・・というのが第2期だとしたら、ここで1つの集大成となるのか、さらに探っていくのか?
「集大成とはならないですね。生きているからには気持ちも変わるし、経験値も変わるし、そういう意味では変化の途中でしかないんですよ。例えるなら、1人の安藤裕子という歌うたいが山本くんたちと出会ってバンド化していくまでの道のりだったのかなと。今はその安藤裕子バンドが一皮むけるために、何をやろうかって考えてる途中なのかなと思いますね」
──そのなかで、さっき言われた「軽さ」みたいなものが大切だと。
「今は、がっつり安藤裕子ファンの人たちに、内側をこっそりお話しているようなことが多いんだけど、それを全く知らない道行く人の耳にも届けていきたいなと」
──コンビニとかでもひっかかってくるような?
「う~ん、密室でロウソクつけて内輪でこそこそやっているようなタイプの音楽から、もうちょっと外に向けていけたらなと。人が普通に聴いて心地よかったり楽しかったりするようなものもちゃんと出来るようになりたいねって」
──今回の『グッド・バイ』でいうと、前半の曲だったり。
「うん。もっとポップな曲を作ろうって『完全無欠の空と嘘』とか『サイハテ』とかは、軽快さとか軽やかさとか、そういうことをすごい意識して作った曲で」

──10月のオリックス劇場のライブでも、最後に歌った『サイハテ』のときは、みんな一気に立ち上がってましたもんね。
「父親の友人も来てくれてたみたいなんですけど、母曰く、最後の曲になったらバッて立ち上がってたわよって。名古屋でのライブもそんな感じでしたね」
──その「軽さ」というのは、ライブのMCでおっしゃってた「ペンライトやりたい」に繋がるんですか?
「まぁ、ペンライトは憧れですね(笑) 。今回のライブでやった『ローリー』のペンライトっぽいノリも、『サイハテ』でみんなが立ち上がるってことも今までには無かったので新鮮でしたね。今までだと『やべぇ、安藤裕子のライブ咳ひとつしたら殺される』みたいな雰囲気になりがちだったから(笑)。だから、ダンスものがやりたいという珍しい意見が出てきたり」
──ダンス、ですか?
「ダンスって言っても近頃のじゃなくて、スライ&ザ・ファミリー・ストーンとか、そういうの。今までとは違うものを作っていきたいなって。そうそう、シングルをきりたいんですよ、このご時世に(笑)、3連発ぐらいで」
──シングルを?
「そう。でもそれやらないと、何万人って不特定多数の人に対して『今こんなことしてますよ』っていうのはやっぱり伝わらないんですよね。名刺渡し的なことをやりたいなと」
──そこでスライを?
「そうそう(笑)。アンディーともっさんとちょうど3人いるから、1枚目はアンディーがやりたいこと、2枚目はあたしね、じゃあ3枚目はもっさんで・・・みたいな。そういうコンセプト立てた作り方って最近してなかったんで」
──1回型にはめて曲を作るってとこから、また新しい面白さが生まれるかもしれませんね。
「気づいたら同じメンバーで長くやってますから、やっぱり曲に対して必要なものとか、探してる答えだったり、共通して感じるものは増してるから、ある意味初期ほど迷う必要もなくなったというか」
──でも、答えにすぐたどりつける反面、それとは違う可能性を取っちゃうリスクもあると。
「そうそう。その探りみたいな部分を改めて入れていきたいなって。遊びも含め『徹底的に作り物』っていうものをやりましょって話はしてるんですけど。アルバムになると私小説的なものが増えてくるんで、シングルとして名刺を渡す時には、サウンドの方向性とか、持ってる技みたいなものを「こういうこともできますよ」って、披露するのもいいかなって」
──以前シングルのカップリング企画でやっていた、カバーのような?
「そうなの。私もカバーはやりたいと思ってて。しばらくシングルをリリースしてなかったから、必然的にカバーもしてなかったんですけど」
──『セシルはセシル』(早瀬優香子)とか『君は1000%』(1986オメガドライブ)とか、制作も選曲も贅沢でしたよね。
「もう予算の半分以上をカップリングに注いでましたから(笑)。人数編成も確実にカバーの方がいっぱい入ってて。あんなに力を込めてたので、その第2弾を作るためにもシングルをきらないと」
──カバーのために(笑)。
「そうそう(笑)。なんか久しぶりにやりたいんですよね。その前にアコースティックライブもやりたいねぇなんて話も出てるんで。その時にも何かできたらね」
──楽しみです。では最後に10周年ということで、ひとつ区切りのコメントを。
「なんだろう。デビューしてからいつも思ってるのは健康長寿? やっぱり身体が大事だなって10年目にして強く思います。ビバ健康で(笑)」
関連記事
あなたにオススメ
コラボPR
-
大阪アフタヌーンティー2025年最新版、編集部取材のおすすめポイントも
NEW 2025.10.31 11:00 -
ミーツ御用達の7店舗で、期間限定の酒祭サーキット[PR]
NEW 2025.10.31 09:00 -
「人生最高の一杯」のため、小浜島に飲みに行ってきた[PR]
2025.10.30 20:00 -
神戸クリスマスケーキまとめ2025年、百貨店から高級ホテルまで
2025.10.29 12:00 -
大阪スイーツビュッフェ・リスト2025年版、ホテルで甘いものを満喫
2025.10.28 12:00 -
京都クリスマスケーキまとめ2025年、百貨店から高級ホテルまで
2025.10.28 11:00 -
大阪クリスマスケーキ2025年、高級ホテルから百貨店まで
2025.10.28 10:00 -
活気と人情に満ちた、OMOろい旅 in 東京・大塚[PR]
2025.10.25 09:00 -
未来の「新大阪駅」南エリアを2日間限定で体験![PR]
2025.10.24 16:00 -
BBQなどの体験が、最大56%オフ!?大東市[PR]
2025.10.24 08:30 -
Osaka Pointでおいしくたのしく大阪めぐり[PR]
2025.10.23 16:00 -
華やかスイーツ!神戸のいちごビュッフェまとめ・2026年版
2025.10.20 14:00 -
華やかスイーツ!大阪のいちごビュッフェまとめ・2026年版
2025.10.20 11:00 -
大阪・関西ランチビュッフェ2025年版、ホテルの食べ放題を満喫
2025.10.16 10:00 -
京都「オーバーツーリズムって何?」#空いてる国宝萬福寺[PR]
2025.10.15 18:15 -
【大阪・関西万博2025】半年間ありがとう!地元編集部が取材した人気グルメから穴場スポットまとめ
2025.10.13 11:00 -
淡路島の「日本酒」に注目!秋の旬と味わう旅へ[PR]
2025.10.10 17:00 -
京都アフタヌーンティー2025年最新版、編集部取材のおすすめポイントも
2025.10.8 11:00 -
港町の心地よさに浸る、OMOろい旅 in 函館[PR]
2025.10.7 16:00 -
現地取材で発見!知らなかった宇治の魅力【2025年最新版】
2025.10.1 08:30 -
なぜこんなに「宇治抹茶」が世界的に人気なのか?[PR]
2025.9.30 08:00


トップ
おすすめ情報投稿
Lmaga.jpとは
ニュース
まとめ
コラム
ボイス
占い
プレゼント
エリア







人気記事ランキング




写真ランキング






ピックアップ







エルマガジン社の本

