Q10なカノジョ 第10回 大森靖子
映画・音楽・舞台・アート・・・関西の気になるカルチャーニュースで見つけた、かわいいあのコに、Q10(キュートと読んでネ)=10のQ(質問)を尋ねる連載シリーズ。第10回目はサブカル界隈ではすでに話題沸騰中。激情型ガーリーシンガーとして注目を集めるこのカノジョ!
「イヤなリアクションでもうれしかった」
Q1 幼い頃はどんな子でした?
なんでも器用にできる子でした。で、勉強もできたから学級委員とかやらされるんですけど、そういう風に目立ちたくなくて。優等生は格好悪いって思うタイプで、もっと悪ぶりたかった(笑)。
Q2 中学校でもそんな感じだったんですか?
悪化しました(笑)。進学校に行ったから、勉強ができる方でもなくなって。で、モノとか作るのが好きだったから、学校指定のカバンを犬の首輪でグルグル巻きにして、開かない状態で使ってました。それがカッコイイと思って(笑)。それで先輩にいじめられたりしましたね。
Q3 いわゆる不良グループに属してたんですか?
全然不良ではなかったです。間違ったことをして、勘違いされるタイプでした。あんまり仲のいい子もいなくて、グループとかも苦手だったんで、保健室でサボったり、ひとりでトイレでごはん食べたりしてました。楽しかったんですよ、女の子のトイレの会話とか盗み聞きしたりして(笑)。
Q4 人とのコミュニケーションとか興味はあったんですか?
自分と別のモノとして、異常に女の子に興味がありましたね。自分は変だと思っていたから、なんとか共通の部分を探そうと、女子のカバンの中をチェックしたり、トイレをのぞいたりしてんたですよ。大学のときは、ホントに言葉を発しなかったから、机の上にミニ四駆を置いたりして、誰か話しかけてくれないかなって。でも大学3年のときだったんで、遅かったですね(笑)。
Q5 それは遅いというより、方法が間違っているような・・・(笑)。ちなみに、音楽を始めたキッカケは?
友だちのライブに行ったとき、人数が足りないからお前がやれって言われて。モーニング娘。のカバーとか自分で作った曲をステージでやったら、思いのほか気持ちよくて。そしたら、ライブハウスのマスターに毎月来てやれって言われて。そこからライブハウスに通うようになりました。
Q6 お客さんからはどんなリアクションがありましたか?
その当時、あまりにも人と話してなかったんで、イヤなリアクションでも反応してくれるだけでうれしかったんです。で、だんだん正当にディスられるようになってきて、自分もちゃんとしなきゃって思うようになって。最初はライブも「大きい声を出す大会」くらいに思ってたから、やかましい!ってヤジられてました。
Q7 2012年には初のCD『PINK』をリリースしましたが、どんな思いを託されたんですか?
歌詞の内容も誇張したものが多かったし、とにかくわたし自身をみんなに見つけてもらおうという気持ちだけでした。だからジャケットでもおっぱい出して、蛍光のピンクをまき散らして(笑)。男の子が食いついてくる、でも、女の子が嫌悪感を抱かないギリギリを狙ってました。
Q8 今年3月には1stアルバム『魔法が使えないなら死にたい』を発表しましたが、いろんなレビューを読んでると、大森さんが音楽の可能性を諦めたような解釈、もしくはその逆張りをされてる方が多いですよね。音楽的にはもっとシンプルなことを目指してませんか?
ハハハ(笑)。レビューを書いてくださるのは嬉しいんですが、みんな音楽について書いてないなって。がんばって、いいメロディを書いてるつもりなのに、そこは誰も触れてくれないって。わたしがハッタリばかりかましてるからなんですけど、ちょっとやり過ぎたかなって。でも言って欲しいんです、そのためにハッタリをかましてるんで。
Q9 注目を集めるために、あえて尖ったり、誇張したことで、大森さんの魅力のメロディと歌が隠れてしまっている印象もあるんです。それは前作『PINK』もそうですが。
自分的には、この『魔法が使えないなら死にたい』はその誤解を解くために作ったものなんです。その予定だったのに、レビューを見てると前作『PINK』で欲しかった返し、反応が来るから、あれ?って思ってて(笑)。まぁでも、自分がちゃんとやっていけば、遅かれ早かれ、届くのかな、誤解もとけるかなって感じです。
Q10 今後の大森さんの展望は?
次のアルバムは弾き語りだけでやりたい。ライブに近いものを録ったら、どうなるのかなって。その次は曲だけ作って、誰かに編曲を任せようと思っていて。そのあとは、紅白歌合戦出て、武道館でライブやって、で、演歌をやって。あと、バーを経営したいですね。そのバーで歌いつつ、飲みつつ、人と話しつつ、そして、衰えて死んでいきます(笑)。
写真/バンリ
Who is Seiko?
Q10なカノジョは、どんなコ?
大森靖子(おおもり・せいこ)
1987年9月18日生まれ、愛媛県松山市出身。武蔵野美術大学入学と同時に上京、弾き語りでのライブが評判を呼ぶ。2011年にはバンド・THEピンクトカレフとして活動もスタート。以降、アイドルイベント、香山リカと自殺予防お笑いイベント、田口ランディとの詩の朗読イベント、銭湯、本屋などでライブ活動をおこない、口コミで話題に。2013年3月には1stアルバム『魔法が使えないなら死にたい』をリリース。収録曲「魔法が使えないなら」のPVは、2012年に公開された大森靖子主演のドキュメンタリー映画『サマーセール』を手掛けた岩淵弘樹監督によって撮り下ろされた。
公式ツイッター
Q10なカノジョには、ここで会えます!
1stアルバム『魔法が使えないなら死にたい』
2013年3月20日発売
PINK-002/2,200円
PINK RECORDS
デビューEP『PINK』
2012年4月7日発売
PINK-001/1,260円
PINK RECORDS
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