BASI×上田誠_関西クリエーター対談・後編

東京に進出=クリエーターとしての成功、のような風潮があるのは、今に始まったわけではないですが、まだまだそれを感じずにはいられない昨今。インターネットを含め、物理的な距離が急速に縮まった今でも、関西でクリエーターが活躍するのは難しいのか。また、ジャンル違いのクリエーターが交わると、どんな意見が飛び出すのか。そんな素朴な疑問に対して、地元へのこだわり、愛着を持ちながら、それぞれ作品を発表し続ける関西のクリエーター2人を迎えての対談、後編です。
取材・文/吉永美和子 写真/成田直茂
質問3.若いクリエイターは東京に行く方がいいと思いますか?
「“行きたい人は行ったらええよ”って思うレベルですね」(BASI)
「東京は欲しがりに行ったらダメってことですね」(上田)
上田 「僕はこれ以上、行かんでいいんじゃないかと思ってます(笑)。もちろん東京はクリエイターが切磋琢磨し合っていて、その分レベルも高いと思うんですけど、そうじゃないところを目指す人もおる方が面白いと思うんですよね。でも今は、とにかく東京に行くのが前提みたいなのが、すごく強い気がしていて」
BASI 「僕は“行きたい人は行ったらええよ”って思うレベルですね。ただヒップホップの世界では…特に大阪は、一時期に比べると“東京に行く”ということがなくなりつつあるジャンルなんですよ。どんどん地域密着型になっていってるというか」
上田 「それは何でなんですか?」
BASI 「もともとヒップホップって“レペゼン”といって、自分の街をRepresent=「~を代表する」というルールというか、文化があるんですよ。自分が住んでる街を表現することで、個性をアピールするという。それが日本でも、どんどん定着してるわけです」
上田 「それ、めっちゃ面白いですね! 演劇の場合も、ただ劇場で作品を上演するということにおいては、観劇人口が多くて稼ぎやすいということ以外、東京に行くことにメリットがないような気がするんです。他の都市にも劇場はありますし。ただメディア・・・特にテレビのことを考えだすと、やっぱり東京が一番発信力は強いですよね」
BASI 「テレビ局ほとんど並んでますもんね」
上田 「だからそういうメディアに出たい俳優や、テレビの脚本書きたいという人は、東京に行った方がいいでしょうね。ぼくもそういう部分で、お世話になってますし。ただ東京は、脚本家は基本的に脚本以外にはタッチできないなどの、既成のシステムがものすごくパッキリあるんで、それに乗れないとどうにもならないです。最終目標としてメディアで売れたいと思い、しかもシステムにバッチリ乗れる自信があるなら、絶対東京の方がいい(笑)。でも間違いないのは、東京は欲しがりに行ったらダメってことですね。物を売りに行く分にはいいけど、何か欲しがろうと思って行ったら、あまりいい目を見ないという」
BASI 「行ったら何かがあるんやろうな、と思っても行っても、実は何ももらえないってパターンですね。僕は実際、そんな感じで東京に行って、そのまま止めちゃったって人、いっぱい見てきましたから。“大阪でこれもやったけどアカン、これもアカン、うーん・・・東京行こう!”っていうのだけは、僕はやりたくない(笑)。そんな気分で、絶対ええ表現なんかできませんよ。むしろ明日何か起きるんちゃうかな、明後日起きるんちゃうかなと、自分のペースを崩さないスタンスでいないと、特に“踊る音楽”は作れない気がします」
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