人気モデルから役者の道へ・・・東出昌大

「小説すばる新人賞」を受賞した朝井リョウのデビュー作『桐島、部活やめるってよ』を、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』の吉田大八監督が映画化。バレー部のキャプテンで、学校一の人気者・桐島が退部したという噂が校内に巡り、友人や彼女、まったく関係のない生徒たちまでもが翻弄される事態に。それまでの校内ヒエラルキーがバランスを崩し、それぞれの心に潜んでいた闇や葛藤が焙り出される青春ムービーだ。その桐島の親友・菊池宏樹を演じるのが、パリコレの舞台も経験している東出昌大。モデルとしての華麗なるキャリアと肩書きを捨て、この映画出演を機に役者に転向した彼に話を訊きました。
写真/バンリ
「23歳にして転職、不安だらけです(苦笑)」(東出昌大)
──海外のファッション・ショーでも活躍されるぐらいモデルとして順当なキャリアを重ねていたわけですが、退路を断った上で役者をやろうと思ったキッカケは何だったんですか?
もともとモデル事務所にいて、そこにいながら芝居のオーディションに初めて声を掛けていただいて。昨年の夏だったんですけど、映画のオーディションがあるから「いってらっしゃい」と言われて。モデル事務所って、モデルがオーディションを断ることはまずないんですね。でも僕、芝居できないですって言ったら、それは先方に伝えてあるからって(笑)。何事も経験だなと思って。最初はそんな軽い気持ちでした。
──最初、思っていた役者のイメージと、オーディションを受けてからとは相当違いがあったと思うんですけど、どうでした?
メンズノンノの専属が終わったとき、ちょっとだけ芝居をかじらせていただくことがあって。そのときにすごく難しいというのは知っていたので。オーディションを受ける前から、役者はすごく難しいし、そんな簡単に転向できるものじゃないって思っていたので。でも、オーディションの後半、エチュード(台本なしに即興で演じ、話を展開していく稽古)でイキイキと演技している共演者の姿を見たり、あと、帰りにごはん食べに行って話をしてたことがすごく楽しかったんです。難しいという想いは変わらなかったんですけど、共演者のみんなと、吉田監督とやりたいという強く思うようになってきましたね。

──役者を目指していたと言うよりも、そういった出会いのなかで徐々に気持ちが膨らんでいったと?
はい。相当不安はありましたけど。モデルを6年ほどやっていて、23歳にして言わば転職なので。もちろん、23歳からなる方もいると思うんですけど、今回の現場では僕より若い、でも、僕よりキャリアがある子しかいなくて。そう考えると、この年で転職は・・・という不安はあったんですけど、結果、今は出来上がった映画を観て、いい仕事を選ぶことができたなと思っています。
──クリエイティブな部分は、共に通じるものもあると思うんですけど、また全然違った筋肉や脳、キャリアを必要としますよね。そのあたりの不安はなかったですか?
不安だらけです(苦笑)。よくモデルから俳優になる方はいらっしゃるし、表現者という言葉で括れば一緒なのかもしれないですけど、まぁ、僕からしたら全然違うなって。やっぱり動画とスチールの違いもあるし、モデルは服なのに対して、役者は内面の動きを見せるという。だからホントに全然知らない世界に飛び込んだという印象でしたね。

──公式サイトを見させていただいて、すごく印象的だったのが、「今の僕は正直大きな自信はありません。だからこそ、一つ一つ精一杯やるしかないと思っています。絶対に諦めません。」という言葉があって。役者をやるにあたって、これを書くには覚悟も必要だったと思うんですけど、いつぐらいに書いたものなんですか?
これは今回の撮影が終わって、もともとモデル事務所に所属していたんですけど、役者に転向するなら・・・という話をマネージャーさんとしてたんですが、ちょうどその頃に今の事務所から声をかけていただいて。あれは移籍した直後に書いたんです。「桐島~」のときもすごく切実に感じたんですけど、やっぱりまだ技術があるわけでもないし、ホントにプロフェッショナルが多い業界なので、もし自分がちょっとでも妥協したら絶対後悔が残るし、演技もうまくならないと思うので、この仕事だ!って決めたなら、諦めないで最後までやろうという想いですね。
──映画を拝見させていただいて思ったのが、第一作目ということもあって初々しい演技、内面からこぼれ出るような、宏樹の想いを一生懸命表現しようとする姿が印象的でした。実際ご自身でどう見られてますか?
ありがとうございます。現場でモニターチェックがなかったので、完成してから初めて映像の自分、動いている自分を観たんですけど、まぁ、気になるもんですね。瞬きが多いなとか、猫背だなとか(笑)。いちいち気になりましたね。自分の声もろくに聴いたこと無かったので違和感がありました。
東出昌大 (ひがしで まさひろ)
1988年2月1日生まれ、埼玉県出身。高校時代、「第19回メンズノンノ専属モデルオーディション」でグランプリを獲得しデビュー。187cmの長身を生かし、2006年からはパリ・コレクションにも出演。zuccaやヨウジヤマモトのモデルとして活躍する。映画『桐島、部活やめるってよ』で本格的に俳優デビューを飾る。
『桐島、部活やめるってよ』
2012年8月11日(土)公開
監督:吉田大八
出演:神木隆之介、橋本愛、東出昌大、大後寿々花、ほか
日本/ショウゲート
1時間43分
関連記事
あなたにオススメ
コラボPR
-
未来の「新大阪駅」南エリアを2日間限定で体験![PR]
NEW 3時間前 -
BBQなどの体験が、最大56%オフ!?大東市[PR]
NEW 11時間前 -
Osaka Pointでおいしくたのしく大阪めぐり[PR]
NEW 2025.10.23 16:00 -
大阪クリスマスケーキ2025年、高級ホテルから百貨店まで
NEW 2025.10.23 10:00 -
華やかスイーツ!神戸のいちごビュッフェまとめ・2026年版
2025.10.20 14:00 -
華やかスイーツ!大阪のいちごビュッフェまとめ・2026年版
2025.10.20 11:00 -
大阪アフタヌーンティー2025年最新版、編集部取材のおすすめポイントも
2025.10.16 11:00 -
大阪・関西ランチビュッフェ2025年版、ホテルの食べ放題を満喫
2025.10.16 10:00 -
京都「オーバーツーリズムって何?」#空いてる国宝萬福寺[PR]
2025.10.15 18:15 -
【大阪・関西万博2025】半年間ありがとう!地元編集部が取材した人気グルメから穴場スポットまとめ
2025.10.13 11:00 -
淡路島の「日本酒」に注目!秋の旬と味わう旅へ[PR]
2025.10.10 17:00 -
京都アフタヌーンティー2025年最新版、編集部取材のおすすめポイントも
2025.10.8 11:00 -
港町の心地よさに浸る、OMOろい旅 in 函館[PR]
2025.10.7 16:00 -
大阪スイーツビュッフェ・リスト2025年版、ホテルで甘いものを満喫
2025.10.6 00:00 -
現地取材で発見!知らなかった宇治の魅力【2025年最新版】
2025.10.1 08:30 -
なぜこんなに「宇治抹茶」が世界的に人気なのか?[PR]
2025.9.30 08:00 -
写真を撮って…豪華賞品ゲット!期間限定コンテスト[PR]
2025.9.29 19:00 -
神戸アフタヌーンティー2025年最新版、編集部取材のおすすめポイントも
2025.8.29 10:00 -
大阪から行く高知のおでかけ・グルメ2025最新版
2025.8.22 17:00 -
大阪ビアガーデン2025年版、編集部取材のおすすめポイントも
2025.8.22 12:00 -
関西のおすすめ音楽フェス・2025年最新版
2025.7.9 09:00


トップ
おすすめ情報投稿
Lmaga.jpとは
ニュース
まとめ
コラム
ボイス
占い
プレゼント
エリア







人気記事ランキング




写真ランキング






ピックアップ







エルマガジン社の本

