博物館で街歩き? 大阪の「キタ」と「ミナミ」を知る企画展

2024.4.18 08:30

『おおさか街あるき -キタ・ミナミ-』の様子。実際に街歩きをする際、参考にできるルートや地図も掲示

(写真11枚)

大阪を代表する2つの繁華街、「キタ」と「ミナミ」。「大阪歴史博物館」(大阪市中央区)で4月19日より、その歴史をたどる特別企画展『おおさか街あるき -キタ・ミナミ-』が開催される。

■「キタ」「ミナミ」にまつわる展示が118件

同展は以前実施された街歩き企画をベースにしており、そのときの学芸員3人が企画を担当。導入にあたる「おおさかのキタ・ミナミ」ブースでは、「キタ」「ミナミ」という表記が使われるようになった時代(カタカナでの表記は1953〜54年頃がはじまりだとか)や、その2カ所が対比されるようになった時代の資料が展示され、それぞれの場所の起源に触れることができる。

会場には、道頓堀中座の壁片から、昭和と令和の大阪駅を比較した写真パネルまで、時代を問わずキタとミナミにまつわる展示品が118件集まる。

阪急百貨店の外装タイル。当時の建築や都市開発事情を知ることができる

「阪急百貨店(旧大阪うめだ本店)の外装タイル」は、キタエリアの展示品のひとつ。竣工当時はチョコレート色のタイルが使用されており、改装を重ねクリーム色のタイルに変わったという歴史があり、普段よく知る場所の意外な変遷や、当時の都市開発事情にも触れられる。

ケースの間には景色のパネルを設置し、街並みをイメージしやすいように工夫

また、実際に「キタ」「ミナミ」の街を歩くルートで展示物が設置されており、ルート案内や展示品に関連する風景のパネルを各所に置くなど、博物館にいながらにして街歩きを楽しめるような工夫が成されている。

街歩きに特化した展覧会ということで、大正時代のレジャー「潮湯」のパンフレットや1901~33年に製造されたカメラなど散策にちなんだアイテムを集めた『街歩きエトセトラ』、大阪城公園や難波宮跡など同館周辺にまつわるスポットを深堀りした『レキハクから街へ』といったメイン以外の展示にも注目だ。

大正時代のレジャーやタクシーの運賃表、戦後にあった大阪市営バスの方向幕など興味深いアイテムも

企画を担当した学芸員のひとり、阿部文和さんは「会場で見ることができる大阪の街は過去の姿です。展覧会を楽しんだあとは、ぜひ実際に街へと出て今の大阪を街歩きしてみてください」と呼びかけた。

開催期間は6月3日まで、休館日は火曜日(4月30日は開館)。会期中は一部展示替えをおこない、前期は5月13日まで、後期は5月15日から最終日まで。入館料は大人600円、高校生・大学生400円、中学生以下無料。

取材・文・写真/つちだ四郎

特別企画展『おおさか街あるき -キタ・ミナミ-』

期間:2024年4月19日(金)~6月3日(月)※火曜休
会場:大阪歴史博物館 6階 特別展示室(大阪市中央区大手前4-1-32)
時間:9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
料金:大人600円、高校生・大学生400円、中学生以下・大阪市内在住の65歳以上(要証明書提示)無料

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