建設資材の「足場」がアートに? 阪急百貨店で異色なコラボ

2023.10.27 09:00

「阪急うめだ本店」7階フロアの一角で展示されている足場×アート『neo BOTANICAL』

(写真5枚)

建設現場で使用される「足場」を用いたアート展示『neo BOTANICAL』が、10月25日に「阪急うめだ本店」(大阪市北区)でスタートした。

作業員の命を支える「足場」。通常は建物が完成すれば解体されてしまうが、同展では実際に現場で使用されていた足場を「資材」とし、アート作品に昇華している。

作品を手がけるのは、「グランフロント大阪」のせせらぎテラスにあるオブジェ『異物:’砂の女’』などで知られる芸術家・REMAさん。砂像やドローイングといった作品に同展のテーマである「植物」、そして無機質な「建築資材」をアーティストならではの視点で組み合わせた。

■「閉鎖的、過酷といったイメージを払拭したい」

同展には、建設会社の「北梅組」(本社:大阪府大阪市)、仮設機材レンタル事業をおこなう「杉孝」(本社:神奈川県横浜市)、3Dアートなどを手がける「FES」(本社:京都府京都市)の3社が協賛。

業界でも足場を使ったアートは珍しいといい、「ものづくり」という共通点をもつアートとコラボすることで、閉鎖的、過酷といったマイナスなイメージを持たれがちな建設業界のイメージを向上させたいという思いがあるそう。

足場を使った作品を手がけた若手アーティスト・REMAさん(10月26日・大阪市内)

制作にあたっては、「杉孝」が資材を提供。REMAさんのイメージを具現化するため、現場・足場の知識をもつ「北梅組」の担当者が組み立てや構想面で協力するという、まさにアートと建築が相互作用を生み出した展示となっている。

当初は足場に対して、「建設で使用する」というイメージしか持っていなかったというREMAさんだが、制作を通して「有機的なものを無機的なもので支えるといった構成は、自分の考えとも合うなと。創作意欲の刺激にもなったし、若手作家が1人でできることには限界があるので、企業の協力は可能性を広げるチャンスにもなった」と振りかえった。

期間は10月25日~11月7日、入場料は無料。阪急うめだ本店の7階「コトコトステージ71」にて開催中。

取材・文・写真/つちだ四郎

『neo BOTANICAL 変質し続けること、それは儚くも恐ろしくもない。』

期間:2023年10月25日(水)~11月7日(火)
会場:阪急うめだ本店 7階 コトコトステージ71(大阪市北区角田町8-7)

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