大阪の個性派書店が選ぶ、今だからこそ読んでほしい本は?

2020.5.10 20:00

10代(実年齢問わず)に向けたラインアップを揃える大阪・阿倍野「大吉堂」

(写真4枚)

休業や営業時間短縮が進み、新型コロナウイルス感染拡大防止のために通販に対応する書店も増加。そんななか通販対応を始めた、ユニークな選書に定評のある大阪の書店2軒に今こそ読むべき1冊をセレクトしてもらった。

将来の夢を探す中高生への1冊

全国でも珍しいヤングアダルトを主力とし、10代(実年齢問わず)の心を刺激する本をそろえる大阪・阿倍野「大吉堂」が「将来の夢を探す中高生」にすすめたいと言う一冊が『脱兎リベンジ』(ガガガ文庫)。

秀章著の同作は、劣等感のかたまりの少年が、自分の好きなもので自分をバカにしていた人々に立ち向かう物語。「否定されそうになった時に支えてくれたのは、自分の夢を大切にし、他人の夢を尊重する人たち。夢を諦めずにがむしゃらに掴み取る、爽快感を与えてくれる1冊です」と店主。現在はNGワードを3つ伝えると、それを避けて本を選んでくれる「大吉堂の福袋」(送料込み1000円)を実施中。

大阪・中崎町にある「葉ね文庫」。歌集、句集、詩集のほか、小説、サブカル、漫画もそろえる
大阪・中崎町にある「葉ね文庫」。歌集、句集、詩集のほか、小説、サブカル、漫画もそろえる

気持ちを前向きにしてくれる1冊

大阪・中崎町にある「葉ね文庫(はねぶんこ)」は、週4回、夜だけ開き、その9割が短歌、俳句、詩の本。「気持ちを前向きにしてくれる」詩集として『想像星座群』(書肆子午線)をおすすめする。

店主が言葉にするのをためらうほど、感情をまるごと奪われたという白鳥央堂の詩集。「通常であればお話をしながら、気持ちに寄り添える本を選べますが、(不特定多数の人におすすめするなら)人の感じ方はさまざま。意外なところから悲しみが引き出されてしまうこともあります。ですから、並外れた眩しさをもつ本を選びました。読んだとき、ドキドキが止まらず、長い時間、高揚感の中にいました。文字の連なりの心地良さに身をゆだねてほしいです」と話す。

「葉ね文庫」は現在5月31日まで休業中だが、twitterで入荷情報などを随時更新している。どちらの店も「こんなテーマの本を知りたい」という相談にも答えてくれるので、気軽にご相談を。

「大吉堂」
住所:大阪市阿倍野区阪南町3-7-8
営業:11:00~19:00 不定休

「葉ね文庫」
住所:大阪市北区中崎西1-6-36 サクラビル1F
営業:19:00~21:30(土曜11:00~21:30)・月・水・日休(5月31日まで休業中)
電話:090-9271-3708

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