どうして美濃は崩壊? 都合良く裏切る“三人衆”は史実か…時系列を整理【豊臣兄弟】

『豊臣兄弟!』第9回より。稲葉山城を攻略し、勝ち鬨を上げる織田信長(写真中央、小栗旬)たち(C)NHK
仲野太賀主演で、豊臣秀吉の弟・豊臣秀長(小一郎)が、兄とともに天下一統を果たすまでを描いていく大河ドラマ『豊臣兄弟!』(NHK)。3月8日放送の第9回「竹中半兵衛という男」では、織田信長が美濃を攻略するという重要な局面が描かれた。秀長&秀吉がその中心にいなかったため、情報がちょこちょこ虫食い状態となっていた感があったので、その補足をしていこう。
■ 竹中半兵衛を仲間に入れたい…第9回あらすじ
斎藤龍興(濱田龍臣)の家臣で、天才的な軍師と言われる竹中半兵衛(菅田将暉)の調略を命じられた木下藤吉郎(豊臣秀吉/池松壮亮)と小一郎は、蟄居中の半兵衛の元を訪問。半兵衛は自分の戦好きの性が恐ろしいと語り、『三国志』にでてくる知将のように「三顧の礼」を見せれば考えると言う。
その交渉中、安藤守就(田中哲司)を始めとする美濃の重臣たちが藤吉郎に接触し、織田方に付くことを表明した。

織田信長(小栗旬)は龍興のいる稲葉山城を本格的に攻めるが、半兵衛の戦略により、なかなか城に入れない。龍興は1人で抜け道からの脱出を試み、それを半兵衛に咎められるが、その穴から藤吉郎たちが攻め込んできた。半兵衛の城が稲葉山城の造りと似ていたので、同じ抜け道があると予想したからだ。
3回目の説得を試みる形となった藤吉郎と小一郎に対して、半兵衛は降参したように、織田の配下になることを承知した。
■ 「美濃攻略」の時系列、あらためて整理
この第9回のSNSを追っていると、信長が「岐阜城」と言った瞬間「岐阜キター!」「岐阜爆誕」的なコメントが一斉に上がっていた。現在まで使われる「岐阜」の名称が誕生したというので、特に地元の人にとっては大興奮だっただろう。
さらに岐阜城を拠点とした辺りから、信長は「小国の成り上がり者」から「天下を狙える注目の大名」という目で見られるようになったわけで、彼の重大な分岐点と言えるのだ。

ということで、この稲葉山城の戦いは信長にとって、さらには戦国時代の歴史にとっても、非常に重要な戦いだったわけだけど、物語の中心は豊臣兄弟だから「竹中半兵衛 調略ミッション」にほぼほぼ持っていかれることになった。
そのため「半兵衛が稲葉山城占領したってどういうこと?」とか「重臣トップ3が同時に裏切るとかさすがにドラマでしょ」と、史実から置いてけぼりになった人も少なくないと思うので、改めて美濃攻略の背景を紹介したい。

まず「竹中半兵衛 稲葉山城占領事件」だけど、この3年前(信長が尾張統一するちょっと前ぐらい)に半兵衛が舅・安藤守就と組んで城を攻め、龍興を追い出すという出来事が起こった。
しかし、半年後には龍興がカムバックを果たし、半兵衛は蟄居することに。この蜂起→明け渡しの期間があまりに短かったので、半兵衛があえて龍興から城を奪うことで、主君の態度を諌めようとした・・・という美談にされていたりもする。

まあ確かに戦国時代のトップ3に入る軍師が、たった半年で城を奪われるだなんて、なにかの意図があったのかも? と訝しんでしまうのは必定。そこで『豊臣兄弟!』が掲げたのは、実物大模型を作ってまで考えた城攻めのシミュレーションが、本当に上手く行くかどうかを試す大規模な実証実験だった、という説だ。
「自分でもどうかと思うほどの戦争好き」な菅田将暉版・半兵衛だったらやりかねないという説得力があるし、実証ができたらもはや稲葉山城には興味がなく、あっさり返却したというのも理屈が通っている。
ちなみに半兵衛、ここからすぐに秀吉の戦闘アドバイザーになるのかなと思いきや、実際は数年ほど謎のインターバルが入っている。その間には、来週からスポットが当たる近江の浅井家に招かれていたという記録があるので、もしかしたらその辺りの事情も来週以降は描かれるのかもしれない。
■ 「美濃三人衆」一気に裏切り、本当なの?
そして、信長の美濃攻略の決定打となったのは、「美濃三人衆」と呼ばれた斎藤家の重臣・・・安藤のほか、稲葉良通(嶋尾康史)と氏家直元(河内大和)が、一斉に織田方に寝返ったことだった。

企業で言えば、副社長と専務と常務が一気にヘッドハンティングされて、会社の重要機密が隅から隅まで、ライバル企業に筒抜けになってしまうような異常事態だ。そんなビジネスドラマのようなことが都合よく起きるのか? と思われそうだけど、まあ実際起こっちゃったんだからなにも言えない。

ドラマでは、墨俣城の戦いのときに守就と鉢合わせた秀長が、ダメ元で言ってみた裏切りの勧誘が、予想以上のクリティカルヒットだったのが決め手となっていた。
さすがにこれはフィクションだろうが、3人が一斉に裏切るというのは、歴史には記録されていないけれど、3人の心を同時に覆すような何かがあった可能性は確かに高い。秀長を歴史を動かすキーマンとするには、まさに文字通りの「穴場」だったと言えるだろう。

また、斎藤龍興、あんだけ眼の前で織田軍に囲まれたのに、まんまと逃げおおせたって本当なの? と思われそうだけど、実際逃げ延びている。
『豊臣兄弟!』を観ていると、大きな歴史の転換というのは、小さな奇跡の組み合わせでできているということを実感させられることが多いけど、龍興があんな状態の稲葉山城から脱出できたのも、ドラマには描かれないけど、きっとなにかの歯車が噛み合いまくったのだろうと想像する。
■ その後の斎藤龍興…来週は信長、京都へ
こうして、美濃は信長のものとなり、美濃三人衆も信長の配下となるわけだが、この3人は武人として、おもしろいぐらい三者三様な人生を送ることになるので、その辺りがどこまで描かれるのかも楽しみだ。

そして、斎藤龍興。以前のコラムでもチラッと紹介したように、斎藤家滅亡後はいろんな所を渡り歩き、残りの全人生を「信長絶対殺すマン」として生きていくことになる。演じるのが芸達者な濱田龍臣だけに、このままで終わらないよう願っている。
来週からはサブタイトル通り、信長がついに京都に進出。当時の人たちにとっては、まだできたばかりのベンチャー企業が、突然国家プロジェクトの舵取りを担うことになったぐらいの、衝撃的な出来事だったと思うので、その辺りのインパクトも描かれていくのではないだろうか。
ただ、主人公とは言え、侍大将(秀吉)の家臣止まりの秀長が、その動きにどこまで関われるのか? これまでの活躍を考えると「え? そんな参加の仕方がアリなの?!」と驚かされるアイディアが披露されるんじゃないだろうか。こちらも期待しよう。
◇
大河ドラマ『豊臣兄弟!』はNHK総合で毎週日曜・20時から、NHKBSは18時から、BSP4Kでは12時15分からスタート。3月15日放送の第10回「信長上洛」では、先の将軍の弟・足利義昭(尾上右近)の使いとして、明智光秀(要潤)が初登場。上洛に向けて、信長が妹・市(宮﨑あおい)を浅井長政(中島歩)に嫁がせるところが描かれる。
文/吉永美和子
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