松下洸平の徳川家康が初登場!同じ場面の「どうする家康」と比較【豊臣兄弟】

3時間前

『豊臣兄弟!』第3回より。兵糧入れがスムーズに進んだことを、不安に思う三河の戦国武将・松平元康(松下洸平)(C)NHK

(写真8枚)

豊臣秀吉の名参謀と言われた弟・豊臣秀長(小一郎)のサクセスストーリーを、仲野太賀主演で描く大河ドラマ『豊臣兄弟!』(NHK)。1月18日放送の第3回「決戦前夜」では、桶狭間の戦いを控えて、今川義元や徳川家康らが登場。そして織田信長と秀吉の、今後の関係性がうかがえるシーンも見られた。

■ 今川義元が大軍を率いて尾張へ…第3回あらすじ

駿河の大大名・今川義元(大鶴義丹)が、2万5千人もの兵を引き連れて、尾張の国境に向かってきた。義元はわざとゆっくり進軍し、織田信長(小栗旬)と尾張の兵に圧をかけて気力を奪うことを狙う。

それに対して家臣たちが反撃や籠城などの策を進言するなか、信長が選んだ策は「なにもせぬ」。妹・市(宮﨑あおい)は自分が今川の人質となり、義元の首を狙うことを提案するが、信長は笑って一蹴するのみだった。

『豊臣兄弟!』第3回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第3回より。織田信長(小栗旬)にお酌をする妹・市(宮崎あおい)(C)NHK

しかし信長は、藤吉郎(豊臣秀吉/池松壮亮)にうながされて和睦の案を出してきた小一郎に「負けるとわかっていても、命をかけて戦わねばならぬこともある。それが侍じゃ」と、叱責しながら本音をもらした。

今川方の松平元康(徳川家康/松下洸平)が、織田の兵を破って大高城に兵糧を入れるのに成功した頃、丹羽長秀(池田鉄洋)から今川軍の最新の動きを聞いた信長は、深夜にも関わらず出陣を告げた・・・。

■ 最新研究で年々キャラが刷新「今川義元」

この第3話の影の主役・・・とまでは言わないけど、物語をいろどる基調低音的な役割を果たしたのは、間違いなく今川義元だ。

桶狭間の戦いでは、有利な状況に慢心したために信長に討ち取られたと言われ、武士なのに公家のような格好をして、武道より蹴鞠を好んだ軟弱者と思われていた今川義元。しかし、最近の研究で、そんなイメージを覆すような証拠がいろいろ発掘され、どんどんキャラが刷新されている一人である。

『豊臣兄弟!』第3回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第3回より。進軍の最中に蹴鞠を持つ、駿河・遠江の戦国大名・今川義元(大鶴義丹)(C)NHK

実際は「海道一の弓取り」と呼ばれるほどの弓の名手であり、武田・北条と「三国同盟」を締結して領国の統治を安定させて、東海道一帯を豊かな国にするなど、外交・統治能力も決して他の有名大名に引けを取らない。

また「公家かぶれ」の噂も、当時荒廃していた京都から逃げ出した貴族たちを保護した影響で、今川家の文化レベルが他の家よりも突出していたため。義元が公家の格好を好んでいたかどうかは、実際のところは不明らしい。

現代に寄せて考えると「内政にも明るいけど英国貴族文化にも精通し、サッカー外交も可能なハイスペック国会議員」というのがイメージに近いだろうか(異論は認める)。

戦国大名のイメージとは正反対な文化人の側面が強調され過ぎたことと、信長に桶狭間の戦いでジャイアント・キリングを許してしまったがために、戦国の雑魚キャラ扱いされているのはなんとも気の毒なことだ。

『豊臣兄弟!』第4回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第4回より。本陣で座る駿河・遠江の戦国大名、今川義元(大鶴義丹)(C)NHK

ただ、前回の戦国大河『どうする家康』(2023年)では、狂言師・野村萬斎が、主人公・徳川家康の終生の理想像となる、強くて人格者で踊りも美しい義元像を作り上げて、絶賛されたのが記憶に新しい。

今回、大鶴義丹が演じる義元もまた、蹴鞠に興じるのを油断ではなく、相手にプレッシャーを与える作戦の一つに組み込むなど、頭脳プレー系大名というキャラ付けがされたようだ。どうあがいても、来週での退場が免れない大鶴版義元。彼もまた、短い出番がもったいなかったと惜しまれる予感がする。

■ 松下洸平、初登場!「どうする家康」と比較

そして今週は、皆様お待ちかねの松下洸平が初登場! 演じる徳川家康は、もう何作品に登場したかわからないほど、大河ドラマではおなじみの人物。

前述の『どうする家康』は家康が主人公で、松本潤が「頼りないプリンス」から「誰もが恐れる大狸」に進化する姿を、振り幅広く体現してみせた。その『どう家』の第1話が、義元の尾張侵攻のサポートのために、大高城に兵糧入れをするという、この回とまったく同じ出来事だったのだ。

『豊臣兄弟!』第3回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第3回より。兵糧入れがスムーズに進んだことを、不安に思う三河の戦国武将・松平元康(松下洸平)(C)NHK

まだ今川家の人質扱いだった家康が、岡崎の家臣団と初めてタッグを組んで、金ピカの鎧に身を包んで兵糧を運び込むという、なんとも既視感のある構図。

しかし、松潤版の家康が終始オドオドして、兵糧入れの危機や成功に一喜一憂していたのに対して、松下版の家康は「なんか上手く行き過ぎてる気がするんですけどー?」とカンの良さを発揮し、早くも「のちの天下人である」の片鱗を見せていた。

大河ドラマ初登場となった『光る君へ』(2024年)は、主人公・紫式部に少なからず影響を与えながらも、戦に巻き込まれて衝撃的な最期を遂げる宋の薬師を演じた松下。あの最期はSNSで生存の可能性を探るハッシュタグが作られるほどの反響を呼んだが、今回は豊臣兄弟よりも長生きするのは確定しているので、ほぼ100%途中退場はないと思って間違いない。

『どう家』では秀吉のサイコパスぶりに振り回されっぱなしだった家康だが、今回はどうやら簡単には動じない相手となりそうだ。

■ 小栗旬の織田信長、本当は優しい子なんです!

そして「今週の信長さん」だけど、今川義元が迫ってきても素知らぬ顔で宴会をしたり、秀長に侍の心得をグーパン付きで教え込むなど、今回もなかなかの強キャラで攻めてきた。

『豊臣兄弟!』第3回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第3回より。織田信長(写真左、小栗旬)に叱責される小一郎(写真右、仲野太賀)(C)NHK

ただ、秀吉に向かって火縄銃を発射したときに、秀吉が倒れたまま動かないのを見て、動揺したように駆け寄ったのは「おや?」と思わされた。城主レベルの侍にとって、百姓上りの足軽なんて、本当に銃の的扱いされてもおかしくない身分差だったのだから。

しかし信長は、心底心配したように秀吉に声をかけ、死んだふりの猿芝居をされたと言われても、怒るのではなくホッとしたように笑っていた。

『豊臣兄弟!』第3回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第3回より。死んだふりをする藤吉郎(写真左、池松壮亮)を心配する織田信長(写真右、小栗旬)(C)NHK

この小栗旬版信長は、従来の天魔王的なイメージを踏襲しながらも、実はナイーブな性格という設定ではないか・・・と予測していたけど「悪いフリしているけど、本当は心根が優しい子なんです!」というのが、いよいよ本格的にバレてしまった感じだ。

『豊臣兄弟!』第3回より。(C)NHK
『豊臣兄弟!』第3回より。猿の真似をしながら、織田信長の銃の的になる藤吉郎(池松壮亮)(C)NHK

このあと、信長が秀吉に大きな信頼を寄せるようになるのも、すでに自分を腫れ物のように扱うほかの家臣たちと違い、道化となって楽しませてくれる、唯一の救いみたいな存在になるからかもしれない。

ちょっとシェイクスピアの『リア王』と道化を思い出すが、そんな特殊な主従関係に、秀長がどう絡んでくるのか。今はまだ信長に恐怖感を抱いている感じだけど、桶狭間を通じて変化が生まれるのだろうか。期待して次回を待とう。

大河ドラマ『豊臣兄弟!』はNHK総合で毎週日曜・20時から、NHKBSは18時から、BSP4Kでは12時15分からスタート。1月25日放送の第4回「桶狭間!」では、尾張侵攻をもくろむ今川義元に、織田信長が奇襲をかけることに。その戦いと並行して、藤吉郎が父の仇・城戸小左衛門の命を狙うところが描かれる。

文/吉永美和子

  • LINE

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

人気記事ランキング人気記事ランキング

写真ランキング

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本