会社員が、歯医者に行ったら「確定申告」しないとダメ……?【知らんと損するお金の小咄】

会社勤めでも、確定申告をしたら、節税になる場合があるって、本当でしょうか…?! ※イラストはイメージ
関西出身の経済・金融キャスターDJ Nobbyさんが、日常生活で知らないと損をするかも!?という、「お金」にまつわる疑問を解説。経済ネタに疎い編集Nからの質問に、Nobbyさんが答える連載4回目は、「歯医者でお金がかかったのに、やらないの? もったいないよ」と、友だちに言われた『確定申告』についてです。
■ Lmaga.jp編集Nからの質問「会社員でも、確定申告すればお金が戻ってくる…?」
「先日、会社勤めをしている友人が『去年は歯医者通いをして、あちこち歯を治したから、確定申告でお金が返ってくるわ〜』と言ってました。歯医者通いで確定申告……ってどういうことでしょうか? 私も去年、インプラント治療をしたと伝えたら『確定申告をしないと、もったいない』って言われました。戻ってくるお金があるんですか?」
■ DJ Nobbyさんの解説「会社勤めでも、確定申告しないと『損』をすることも!」
Nさんは昨年、歯科でインプラント治療されたとのこと。おそらく高額な支払いをしているので「医療費控除」に該当するのでは? 確定申告すべきです。戻ってくるお金がありますよ!
確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間の所得(収入から経費などを引いたもの)を計算し、所得税額を確定させて税務署に申告・納税する手続きです。2025年分の確定申告は、2月16日〜3月16日までが原則の受付期間(※1)となっています。
会社勤めの方の所得税は、給与から源泉徴収(※A)されているうえ、その過不足は年末調整で行っているので、「私には関係ない!」と思っている方も多いのではないでしょうか。
※A)源泉徴収とは、給与や報酬を支払う側(会社など)が、受け取る人(従業員など)に代わって、あらかじめ所得税などを差し引き(天引き)、本人に代わって国に納付する仕組みです。この制度により、会社員は原則として確定申告が不要となります。
個人事業主の方は確定申告はマストですが、Nさんのように会社勤めで源泉徴収が行われていても、確定申告が必要な場合があります。今回Nさんは、1年間に40万円の医療費を払ったとのことなので、「医療費控除」の対象者となります。
■ 「医療費控除」に該当するのは、自分の治療費だけではない!?
本人だけでなく、扶養家族、親族のために支払った医療費を足して、保険金などで補填された金額を差し引いた合計金額が、「10万円(総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%)」を超えている場合、所得控除対象となります。これが「医療費控除」です。
国税庁の資料(※2 )では、「自己または自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超えるときは、その医療費の額を基に計算される金額の所得控除を受けることができる」と記されています。

■「医療費控除」の対象となる医療費とは?
医療費控除の対象となるのは、医師や歯科医師等による「治療」にかかった費用です。主な具体例は以下の通りです(※3)
診察・治療費
病院、歯科、助産院などでの治療費。以下も対象に
・歯科の自由診療費 → インプラント、金やポーセレンを使用した治療、歯列矯正(一部)など
・視力矯正費 → レーシック、オルソケラトロジーなど
・不妊治療費
・介護関連費 → 訪問看護の費用、指定された介護保険施設のサービス利用料(一部)など
通院費(交通費)
電車、バスなどの公共交通機関。タクシー代は急病や公共交通機関が利用できない状況など、やむを得ない理由がある場合のみ対象に。自家用車のガソリン代や駐車場代は対象外。
医薬品・器具代
治療のために購入した医薬品(ドラッグストアで購入したものも含む)や器具は、控除の対象になりますが、特定の医薬品購入で控除を受けられる「セルフメディケーション税制」と、今回の「医療費控除」は、どちらか一方しか選べない点に注意が必要。治療上必要なおむつ代は、医師による「おむつ使用証明書」が必要。美容・増進目的のビタミン剤、疲労回復のための栄養ドリンク、予防接種代は対象外なので注意。
人間ドック・健康診断費
原則として対象外ですが、診断の結果、重大な疾病が発見され、引き続きその病気の治療を行った場合に限り、診断費用も控除の対象に。
■ Nさんは医療費控除を申請して、どれくらい戻ってくる?
今回、Nさんはインプラント治療のため歯科に通院し、昨年1年間で40万円かかったとのこと。Nさんの年収は約400万円で、今回の治療について保険による補填0円でした。一体いくら戻ってくるのでしょうか?
【医療費控除の計算シミュレーション】
まず、税金の計算対象から差し引ける「控除額」は以下の通りです。
(医療費40万円 - 保険金など0円)- 10万円(医療費控除が適用されない額)= 控除額30万円
この30万円に対し、所得税と住民税それぞれの軽減額を算出します。
・所得税の還付額
控除額30万円 × 所得税率5%=1万5000円(※4)
※年収400万円の場合、各種控除後の所得税率は5%になるのが一般的です
・住民税の軽減額
控除額30万円 × 住民税率10% = 3万円
※この金額は翌年度の住民税から差し引かれます
つまり、所得税(還付)1万5000円 + 住民税(軽減)3万円 = 合計約4万5000円も、節税効果が期待できるイメージです!
■歯の治療で「医療費控除」の対象になるものは?
最近は自由診療が増え、治療費が高額になりがちです。国税庁の「医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例(※5)」を参考に、対象となる具体例をまとめました。
・一般的な歯科治療:控除の対象 ○
→ 金やポーセレン(セラミック)など、一般的な材料は対象
・インプラント:控除の対象 ○
→ 失った歯を失った歯を補うための治療のため
・子どもの矯正:控除の対象 ○
→ 成長段階にある子どもの不正咬合の矯正は対象
・成人の矯正:控除の対象 △
→ 噛み合わせ等の「機能改善」なら対象、「見た目を美しくする目的」は対象外
■ほかにも源泉徴収されているけれど、確定申告しなければ損する人は?
給料から税が天引きされているけれど、確定申告をすべき人は、2タイプあります。一つ目は申告を怠ると加算税などのペナルティが発生する可能性がある人。もう一つは、納めすぎた所得税が戻ってくるだけでなく、翌年度の住民税も安くなるメリットがある人。特に後者は、自分が該当していることに気付いていない場合も多いので、注意してください。
もう一つ注意事項としては、ふるさと納税でワンストップ特例申請済みであっても、ほかの項目で確定申告を行う場合は、改めて寄附金控除の申告が必要となってきます。ここも忘れがちなので注意が必要です。
【確定申告をする「義務」がある人】
① 給与収入が2000万円を超える人
→ 年収2000万円を超えると会社での年末調整の対象外となるため、自身で精算が必要です。
② 副業などの所得が、20万円を超える人
→ 副業の「収入から経費を引いた金額」が20万円を超えた場合に必要です。
【確定申告をしないと「損」をする人(還付・控除)】
③ 住宅ローン控除を受ける初年度の人
→ 1年目のみ確定申告が必須です(2年目以降は年末調整で可能)
④ ふるさと納税を利用した人で、「ワンストップ特例」を利用していない人
→ 6自治体以上に寄附した方や、期限内に申請書を出せなかった方が対象
⑤ 雑損控除の対象者
→ 災害、盗難、横領などで家財に大きな損害を受けた方(※6)
⑥ 医療費控除の対象者
⑦ 特定支出控除の対象者
→ 転勤に伴う転居費、仕事に必要な資格取得費や研修費など。スーツ代も控除対象にできる可能性が(※7)
⑧ 社会保険料控除の対象者
→ 給与天引き以外で、生計を共にする家族(子どもなど)の年金や健康保険料を支払った場合(※8)
1月後半から春まで「確定申告」という言葉を耳にする機会が増えますが、会社勤めの方は「関係ない」ではなく、2025年の支出を見直してみてください。もしかしたら、戻ってくるお金があるかもしれませんよ!
参考資料
※1)国税庁「所得税の確定申告」
※2)国税庁タックスアンサー(よくある税の質問)「医療費を支払ったとき(医療費控除)」
※3)国税庁タックスアンサー(よくある税の質問)「医療費控除の対象となる医療費」
※4)国税庁タックスアンサー(よくある税の質問)「所得税の税率」
※5)国税庁タックスアンサー(よくある税の質問)「医療費控除の対象となる歯の治療費の具体例」
※6)国税庁タックスアンサー(よくある税の質問)「災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)」
※7)国税庁タックスアンサー(よくある税の質問)「給与所得者の特定支出控除」
※8)国税庁タックスアンサー(よくある税の質問)「社会保険料控除」

【DJ Nobby】
Voicyでフォロワー10万人を超える経済・金融キャスター。2026年でラジオパーソナリティ歴29年目に突入。ラジオ関西では経済系エンターテイメント番組『絶対わかる経済ニュース 知らんけど』(月〜木曜・6時30分〜7時)を担当。2025年12月15日に著書『世界情勢をつかんで波に乗れ! 経済ニュースのネタ帳2026~27』(ハゴロモ書籍出版)を発売。
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