万博で人気「赤い砂」に再会、天保山でヨルダン文化に触れる期間限定イベント

アフター万博の取り組みで『ヨルダンとの文化交流展』開催中(12月20日・お菓子ミュージアム天保山)
「大阪文化館・天保山」(大阪市港区)5階に12月20日、「お菓子ミュージアム天保山」がオープンし、それに併せてコラボ企画として『ヨルダンとの文化交流展』が22日までの3日間限定で開催。『大阪・関西万博』で大きな話題を呼んだ「ワディ・ラム砂漠の砂」に直接触れられるチャンスであり、万博ロスに陥っているファンからも熱い視線が注がれそうだ。
文化交流展の会場は、ミュージアム入り口横の階段を降りた先にある、広さ約80坪の開放的なテラス。目の前に海遊館と天保山大観覧車を臨む抜群のロケーションだ。
人工芝が敷かれたテラスに、万博のヨルダンパビリオンで大人気だった「ワディ・ラム砂漠の砂」の展示やアラビア語体験のほか、館内のレストランではヨルダン料理の提供がおこなわれている。

そのなかでも、万博開催中は予約が取れず涙をのんだ人が多かったという「ワディ・ラム砂漠の砂」。実際に指先で触れてみると、まるで細かな篩(ふるい)にかけたかのようなサラサラとした質感で、驚くほどなめらか。外気温に関わらず砂自体がひんやりとしており、一度触れるとクセになる独特の心地よさがある。

文化交流展を運営する「ペトラトレーディング」(本社:愛知県知多郡)の黒宮小百合さんは、「屋外で広く展示したかったのですが、海風が強いため、砂が飛ばされないようブース内での展示となります」と、展示の苦労を語る。なお、この砂は物販コーナーにて1袋1000円で購入できる。

日本人スタッフに「1袋にどれくらい入っているのですか?」と尋ねると、「細かく計っていません。いい感じに入れています」とのこと。袋にはヨルダン人スタッフが「ヨルダン」をアラビア語で手書きし、購入した人が希望すれば名前をアラビア語で書いてくれる。
食に関しては、前出の黒宮さんのお勧めが「メゼフムス」といって、アラブ地方の食卓に欠かせない2種類のペーストだ。ひとつは、日本でいう「味噌汁とご飯」のように日常的に親しまれている「ひよこ豆のペースト」。これは、朝食の定番だという。

もうひとつ「ナスと練りごまのペースト」は、バーベキューしたナスを潰してペーストにしたもので、スモーキーな香りが鼻を抜ける。黒宮さんによれば「油料理との相性が良く、焼肉や焼き鳥にディップしてもおいしいです。ポテトチップスなどのスナック菓子に合わせれば、さっぱりと楽しめます」とのこと。これらは、棒状のクラッカー「ブレッドスティック」付き600円で販売されている。
ほかにも「シュマーク」と呼ばれるヨルダンのストール、切手、バスソルト、文化交流展限定のピンバッヂなども販売されている。

「ペトラトレーディング」の代表取締役アルアマイラ・アドナン氏は、1998年に来日したヨルダン人。万博期間中は会社を挙げて、パビリオンで働くスタッフの生活、医療、トラブル対応までをトータルで支えてきた。万博閉幕後は「アフター万博」のイベントに取り組んで、2027年に開催される『2027国際園芸博覧会(横浜花博)』までは、各地で文化交流を続けていく意向だ。

天保山でのイベント終了後には、「大仙公園」(大阪府堺市)で開催されるライトアップイベント『DAISEN Night Balloon Festa』にも出展が予定されており、そこでも「ワディ・ラムの砂」に触れることができるという。

天保山に誕生した新スポット「お菓子ミュージアム天保山」を楽しんだ後は、異国の砂の感触と香りに触れてみてはいかがだろうか。なお、同イベントは「お菓子ミュージアム天保山」の入館者限定の特典となっており、交流展のみの参加はできない。
「お菓子ミュージアム天保山」営業時間は9時30分から20時まで。入館料は大人(中学生以上)500円、子ども200円(※外国人観光客は大人1000円、子ども200円)。
取材・文・写真/平藤清刀
「お菓子ミュージアム天保山」
住所:大阪文化館・天保山内5F(旧サントリーミュージアム/大阪市港区海岸通1-5-10)
時間:9:30~20:00(最終受付19:00)
※年中無休(1月1日・2日を除く)
料金:大人(中学生以上)500円、子ども200円、外国人観光客1000円、外国人観光客の子ども200円
※英語・中国語のパンフレットあり
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