家の前で「簡易書留」受け取ろうとしたら!? 郵便配達員の盗難防止策が話題

4時間前

「規則なのでご協力を…」郵便局員さんからの頼みとは?

(写真2枚)

玄関前にいたときに郵便局員が訪れて、そのまま郵便物を受け取ろうとしたら・・・渡してもらえず。「申し訳ないが一度玄関に戻って出直してくれませんか?」と、ドアを開けに戻らなければいけませんでした。

その理由に驚いたThreadsでの投稿が話題に。なぜそういった手順を踏まなければいけないのか? 投稿主のpoohmamasanさん(@poohmamasan)と日本郵便株式会社に取材しました。

渡される予定だったのは、不在票を受け取って再配達だった簡易書留。顔見知りの郵便局員さんではあったものの「規則なので…ご協力いただければ…」とお願いされたそうです。

詳しく聞けば、「不在票を抜き取り、再配達を待ち構えて受け取る」という手口が増えているそうで、その家の住人であると確認するため外にいた人には玄関を開けてもらっているとのこと。poohmamasanさんにその時の様子を詳しく聞きました。

■「配達の安全性を保つ大変さを感じました」

――再配達を依頼した郵便物は何だったのでしょうか?

クレジットカードでした。多分簡易書留だったかと思います。少なくともポスト投函のタイプではありませんでした。

――受け取ろうとされた矢先に「一度玄関に戻って出直して」と。

一瞬意味がわかりませんでした。多分「は?」という表情をしていたかと思います。なぜ家の中に戻らなくてはならないのか理解できませんでした。

――そこで一度、玄関ドアから家の中に?

いえ。玄関まで戻り、ドアを開けた時点で郵便局員さんから「入らなくても大丈夫です」と言われたので家の中までは入っていません。

――顔見知りの郵便局員さんだったのですね。

玄関先で偶然会った時は、そのまま手渡ししてくれます。家の近所で会った時も「これから持っていきますね」と言われたり、丁度帰宅したところで配達に来た時には、私が門の前まで行った所で郵便物を受け取ったこともあります。

――同様の体験をされた方など、たくさんのコメントが寄せられておりました。

今回の事例とは少し内容が違いますが、私製の宅配ボックスを置いて品物を持っていく詐欺のような事例や、子供の予防接種無料券が盗られて不正利用されるらしいといったコメントから、宅配業者含め配達の安全性を保つ大変さを感じました。

普段はインターホンが鳴って受け取りに出るので気づきませんでしたが、「きちんとその家の住人である旨を確認してからの手渡し」は確かに重要で、郵便局への信頼が増しました。

これからも、追跡番号のある荷物で配達予定がLINEやメールで届くものについては、自分の予定と照らし合わせて日時を指定し、できるだけ再配達にならないようにしていこうと思います。

今回の投稿を受け、日本郵便株式会社(東京都千代田区)広報宣伝部に、配達時のルールやトラブル防止策などについて聞きました。

大切な郵便物等を、誤った相手が受け取らないように

――サインが必要な郵便物はどのようにお届けを?

原則として配達先の軒先で出会った方には配達しておらず、配達先の建物内から出てこられた方に対して配達を行っています。

ただし、配達先の住所内において、その場での受け取りを希望された場合であって、受取人さまが建物内に戻ることが難しく、配達担当者が受取人さまと面識があるなど、正当受取人であることが明確な場合は、その場で配達しております。

――「正当受取人であることが明確である」ことが必要なのですね。

お客さまからお預かりした大切な郵便物等を正当受取人以外のお客さまにお渡しすることのないよう、このような取扱いとしています。

――書留や着払い、代引き、セキュリティサービスなどの郵便物で、受け取り用のサインにフルネームを書くこともトラブル防止のため?

配達時に署名を頂戴する場合については、どなたに郵便物等をお渡ししたのか分かるようにするため、可能な限りフルネームでの署名をお願いしております。 

――もしも宛名が間違っていた場合は?

配達時には、郵便物等に記載された宛名を配達担当者が慎重に確認を行った上で、お客さまにお渡ししておりますが、万が一、宛名が異なっていた場合については、開封なさらずに、最寄りの配達を受け持つ郵便局又は弊社コールセンターへご連絡をお願いいたします。

――また、届くはずの郵便物が届かず、不在票も入っていない場合はどうすれば?

まず、「郵便追跡サービス」を確認していただき、万が一、追跡情報が「不在持ち戻り」となっているにも関わらず不在配達通知書が投函されていない場合は、お気づきになった時点で、最寄りの配達を受け持つ郵便局又は弊社コールセンターへご連絡をお願いいたします。

――不在票のトラブルに巻き込まれないために私たちが気をつけるべきことは?

郵便受箱は施錠いただくなど、投函された不在配達通知書や郵便物等が抜き取られないようにご注意ください。

――そして、最近は再配達の多発も問題になっていますが、どんな取り組みを?

日本郵便では、社会課題となっている再配達の削減に向けて、共働き世帯の増加等ライフスタイルや社会の変化に対応し、荷物等の受取利便性を向上する必要があると考えております。

具体的には、受取人の指定する日時や場所でのお受け取りに対応する「e受取アシスト」のサービス、「指定場所配達」のWebサービス、ロッカーによる受取・差出拠点「はこぽす」の拡大などを実施中です。

今後も、セキュリティ面も考慮しながら受取利便性を向上するための各種サービスを追求し、再配達の削減に努めてまいります。

 ◇  ◇

お話を聞いて、担当の方々がきっちりとマニュアルを守りながら配達されていること、そして、再配達にまつわる配達側・受取側双方の負担削減のために様々なサービスを実施していることがわかりました。

今回の投稿に、
「こうして貰えてるから安全にちゃんと届くんですよね。配達員さんのご苦労に感謝です」
「私もポストに入れようとされていたのを手渡しで貰おうとしたら、ダメなんです…といわれたことがあります。でも誠実にして貰ってありがたかったです」
「それくらい慎重でないと盗まれますよねー」
「そんな手口が…。人のものを取るために頭を働かせないで欲しい…」
「住民のフリして、こんな窃盗もあるんですね 良い情報ありがとうございました!」
「セキュリティの無いマンション、集合ビルなんかに『私製の宅配ボックス』を置いてそこへ荷物を配達させるんです。大抵は料金後払いシステムの商品です」
「近所の子が庭で遊んでて『おうちの人に渡してね』と荷物を渡したら、その子の家に持って帰られた…って話聞いたことあります」
など、様々なコメントが。同様の受け取り体験をされた方や、配達員さんへの感謝のほか、宅配にまつわるトラブル例も書き込まれています。

窃盗やなりすましを企んでいる相手は、どんな時にポストや、置き配、宅配ボックスを狙っているかわかりません。しっかりロックをして、郵便物や配達物のトラブル防止に努めることが大事です。また、盗まれやすい置き配問題に対処するためにも、宅配ボックス未設置の方は、自治体の補助金制度のご確認を。

そして、再配達を依頼した時間には在宅を。受け取れない場合はあらかじめ場所指定をするなど、郵便物や荷物のスムーズなやりとりに協力したいものですね。

poohmamasanさんによる実際の投稿画面(画像はスクリーンショット)
poohmamasanさんによる実際の投稿画面(画像はスクリーンショット)

取材・文/太田真弓

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