小山薫堂氏、京都で銭湯の魅力語る「初めて社会に触れた」

3時間前

『京都銭湯　二十四節気　湯めぐり』のトークイベント。左から山本太郎氏、小山薫堂氏、松井孝治京都市長、吉本誠理事長（11月30日・京都市内）

(写真4枚)

放送作家・小山薫堂氏が提唱する「湯道」と、京都市と京都浴場組合が共催するラリー企画『京都銭湯　二十四節気　湯めぐり』がコラボ。１１月３０日、「湯道」はじまりの地である京都の映画館「Ｔ・ジョイ京都」（京都市南区）にて、トークイベントがおこなわれた。

１２月７日よりスタートする同イベントは、１年にも及ぶラリー企画となっている。季節の移ろいを表す言葉「二十四節気」をテーマに、京都にある魅力的な銭湯めぐりを楽しみつつ、二十四節気にちなんだ絵柄のステッカーや記念アイテムのグッズ収集を目指すという内容だ。

イベントには、同企画にアドバイザーとして参加する小山氏にくわえ、松井孝治京都市長、京都浴場組合の吉本誠理事長、湯道文化振興会代表理事の小山薫堂氏、ステッカーの絵を手がけたニッポン画家・山本太郎氏が登壇。

入浴を類稀なる日本文化としてとらえ、その精神と様式を突き詰める「湯道」の初代家元として知られる小山氏だが、「家元って呼ばれるたびに僕はドキドキしてまして。京都で家元を軽々しく名乗るのはね。僕自身は名乗っていないので、あんまり『家元』って呼ばないで･･･（笑）」と控えめな姿勢で挨拶した。

京都を拠点に全国の銭湯を巡る小山氏は、「京都は銭湯が町の真ん中に点在してるので、すぐにどこでも行けるんですね。東京だと、好きな銭湯に行く時はいつも車で３０分かけて向かう必要があるんですが、京都だと端から端まで行っても２０分ぐらいで行けますよね。飲んだ後でふらっと寄っても、夜１２時ぐらいまでやっているお店もありますし」と、京都の銭湯ならではの魅力を語った。

また、銭湯の楽しみ方を聞かれた小山氏は、「日曜日の朝風呂が好きです。何軒か行く銭湯が決まっていて、ルーティーンで回っています」と話し、特に「小町湯」と「鴨川湯」がお気に入りであると明かした。

「全国的に見ても駐車場が完備している京都の銭湯は珍しい」と語っていた（11月30日・京都市内）

最後に小山氏は「ぜひ、親子で来ていただきたいなと思います」と来場者に向けてアピール。

「思えば、僕が初めて知らない大人に叱られた場所が銭湯でした。当時、銭湯で騒いでいたのを叱られたのですが、その時初めて社会に触れ、『他者を慮る』ということの基礎を学んだ気がします。僕は２週間に１回塾に行くんだったら、銭湯に入った方がいろいろな人間力を磨くきっかけにもなりますし、日本人としての季節への感受性みたいなものを磨く場にもなるかなと思います」と語っていた。

『京都銭湯　二十四節気　湯めぐり』は、１２月７日から２０２６年１２月６日まで実施される。京都の銭湯で無料で配布されている冊子「二十四節気　湯めぐり帖」を入手することで参加できる。

取材・文・写真／つちだ四郎