平賀源内「生存説」が浮上!蔦重を襲う「史上最大の鬱回」に光が【べらぼう】

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第43回より。絵師・喜多川歌麿(写真右、染谷将太)に考え直すよう説得する重三郎(写真左、横浜流星)(C)NHK
横浜流星主演で、数多くの浮世絵や小説を世に送り出したメディア王・蔦屋重三郎の、波乱万丈の生涯を描く大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)。 11月9日の第43回「裏切りの恋歌」では、重三郎が歌麿と別れただけでなく、身重の妻・ていにも大きな危機が。幕府パートも含めて激動すぎる展開に、SNSは悲鳴の嵐となった。
■ ついに蔦重と歌麿が決別…第43回あらすじ
喜多川歌麿(染谷将太)が吉原の女郎たちの錦絵を描く仕事が順調に進むなか、重三郎は『金々先生栄花夢』の版木を持ってきた鱗形屋長兵衛(三浦獠太)から、西村屋に養子に行った弟・万次郎(中村莟玉)が、歌麿と仕事をするという話を聞く。
歌麿に真相を聞きに行く重三郎だが、そこで歌麿が「恋心」を主題にした絵を描いたのを見つける。誰か良い人ができたのかと迫る重三郎に、歌麿はもう重三郎とは組まないと宣言した。

なんでもすると引き留める重三郎に、歌麿は自分を蔦屋の跡取りにするよう迫る。妻・てい(橋本愛)が宿している子どもを理由に拒否をする重三郎に、歌麿は「いつもそうなんだ。俺の欲しいものなんて何一つくれない」と突っぱねて出ていった。
重三郎は歌麿に詫びと別れの手紙を書いて去り、最後の下絵を持って蔦屋に戻るが、ていが生み月より早く産気づき、母体も子どもも危ないという事態になった・・・。
■ 「恋心」を匂わせる歌麿…地雷を踏む蔦重
前回で決定的となっていた、重三郎と歌麿の決別。重三郎が歌麿の気持ちを考えずに仕事を入れまくっていたところに、かつての重三郎のように「そうきたか」というアイディアを繰り出す万次郎という才能が登場したことで、歌麿は万次郎に乗り換える決意を固めてしまった。まさかそれを直接告げる前に、重三郎が長兵衛から又聞きしちゃうという、なんというか最後の最後まで後味の悪い状況となった。

早速歌麿のところに確認に行った重三郎だけど、歌麿が渡したのは「恋心」を描いた連作。のちに「歌撰恋之部」という傑作シリーズとなる美人画を通じて、重三郎に長年恋してきたその気持ちを察してもらおうとしたものの、この朴念仁の反応は「好きな女ができたの?(意訳)」。歌麿から恋愛対象として見られていることに、この期に及んでも気づいてないからしょうがないとはいえ、なんでこんなきれいに地雷を踏み抜いてしまうのか?
SNSでも「蔦重と別れる前に蔦重への恋心を絵に投影して、これを蔦重にあげようっていう訳だったのか・・・」「『好き』を言えない相手に『恋心』を表した絵を贈るなんて」「ラブレター渡した直後にフラれるのを実感する歌」「ほんっとにわかってない!! べらぼうめ!! 蔦重!! ばーか!!」「鈍すぎるーーっ!母ちゃん草葉の陰で泣いてるぞーっ!」「もう一回身上半減されちゃえっ!!」と、歌麿への同情と重三郎への非難であふれかえった。

さらに歌麿が「あの店を俺にくれ」と言って、重三郎の心を試す行為には「絶対できないことを突きつけてくる時点で歌麿はやり直す気ないのよ、蔦重・・・」「なんかモラハラ夫に対して目覚めた妻っぽい。そして蔦重がモラハラ旦那にしか見えない」と同情がつづく一方、「歌麿の蔦重への恋心ってどこか女性的というか、『好きだった男に愛想が尽きた女』って感じ」「におわせで彼に解って欲しいんだけど、解ってもらうとアウトになっちゃうんだけど、でも解って欲しいの! みたいな、めんどくさい感じがまじで恋してる女子」と、歌麿の乙女な心を読み解こうとする声も見られた。
■ ていに早産の危機「ここまで痛い目見せろとは…」
歌麿の決意の強さを感じて、置き手紙だけを残して別れを受け入れた重三郎。物事を引きずらないのが江戸の「粋」とはいうものの、歌麿としては拍子抜けなのでは。
しかし歌麿の絵を見て、おていさんはそこに秘められた重三郎への恋心に気がついたようだ・・・と思ったら、おていさんが急に産気づいた! しかも産婆(榊原郁恵)らの対応を見ると、どうやら月足らずの様子。今なら早産の未熟児でも助かる率は上がったけど、江戸時代では早産はほぼ死産を意味してしまうし、母体も危険だ(しかも高齢出産・・・)。

SNSでも「ああああそうだよねまだそんなにお腹大きくなってなかったもんね」「母体優先か・・・この時代の未熟児は・・・」「おていさんも歌もいない蔦屋なんて・・・嫌だよ・・・やめてね?」と悲痛な声が上がっていたが、ここで話が老中・松平定信(井上祐貴)の方にワープしてしまったため「ここで定信かい!!」「ちょっと、おていさんの方に場面戻してくんない?」「今君の進退はどうでもいいんだよ(よくない)」と、定信君がもらい事故のような状況に。

しかし定信君の進退が決まった(それは後述)あとには、重三郎がやつれた様子で仏壇前に座っているところが映り、物語はそのまま「次回につづく」に。
この気になりすぎる終わり方に「妻が亡くなってしばらくしたってこと?」「予告でおていさんの眼鏡あったから生きてる? でも蔦重のあの様子はどっちもダメだったような」「誰もここまで痛い目見せろとは言ってないよ森下佳子・・・」と、覚悟を決めたような言葉が並んでいた。
■ 史上最大の鬱回に、平賀源内「生存説」が浮上!?
そしておていさんショックで視聴者がダメージを食らっていたところに、定信までもがまさかの失職。しかも将軍・徳川家斉(城桧吏)が老中たちや徳川宗睦(榎木孝明)まで巻き込んで、みんなが「大老にするする詐欺」を働いて、将軍並みの権力を持つ気まんまんになっていた定信から、すべての実権を取り上げた。重三郎の敵役として「早く引退してくんねーかなー」と思っていたが、これはあまりにもあんまりという気持ちだ。

SNSも「わー! 越中守(定信)も全てを失った!」「こういう失敗は何か違う」「こんな丁寧に綺麗にハメられる松平定信はもちろん見たかったけど実際見ると辛い」「もう血の涙を流しそうなくらいの定信くんの布団部屋での爆発、予想より胸が痛かった」と思った以上につらさを感じる声が多く上がった一方、「蔦重も定信ちゃんも、すべてを失うという点でリンクした構成の回なのに、蔦重サイドの比重があまりにも重く、定信ちゃんの失脚だって大きな出来事なのに、まったく大した事と思えない」という、「それな!」なコメントもあった。
重三郎の方も定信君の方も、これまでが歴史に残るような目覚ましい活躍ぶりだっただけに、そこから急に転落したときのダメージは本当に大きい。視聴者もその痛みをモロに食らったわけで、これは『べらぼう』史上最大の鬱回ではないだろうか。救いとなったのは、最後にさっそうと現れた奇妙な凧を背負った旅がらす(井上芳雄)、のちの十返舎一九しかいない。

SNSも「本編の重い展開に心沈んでいた時に、彗星のように日本橋に現れた大凧を背負った井上芳雄様! 駿河の国からようこそ」「地獄のような展開にふらりと舞い降りた風来坊の福の神のオーラが凄いな井上芳雄。ミュージカルプリンスの一筋の光明よ」「激重展開の唯一の明るさ」「天井からフライング登場する勢いの十辺舎一九に吹き出して涙が引っ込んだ」と、この暗くて重いムードを変えてくれそうな期待が高まっていた。

そして次回の『べらぼう』は、おていさん&子どもの生死の行方(両方ともというのだけは勘弁して本当)に加えて、数ヶ月ぶりに登場した因縁の手袋がどのようにドラマを動かすのか。そして突如降って湧いた、平賀源内(安田顕)生存説の行方は?!
そういえば史実では、源内の葬儀は遺体がないままおこなわれたという説があるし、鳥山石燕(片岡鶴太郎)が逝去直前に源内らしき姿を見ているし・・・これはワンチャン生存説あるのか? おていさんたちのことを案じつつも、ワクワクしながら来週まで待てそうだ。
◇
大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』はNHK総合で毎週日曜・夜8時から、NHKBSは夕方6時から、BSP4Kでは昼12時15分からスタート。11月16日の第44回「空飛ぶ源内」では、重田貞一(のちの十返舎一九)が耕書堂で本を書くために売り込みに来ると同時に、平賀源内の生存を重三郎に匂わせるところが描かれる。
文/吉永美和子
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