18歳以下は無料招待!? 京都の公立劇場の思い、世界レベルのダンス2公演が対象

14時間前

撮影:山地憲太 写真提供:ロームシアター京都(公益財団法人京都市音楽芸術文化振興財団)

(写真5枚)

2026年1月にリニューアルオープン10周年を迎える、京都の公立劇場「ロームシアター京都」(京都市左京区)。子どもや学生向けの音楽・演劇プログラムも多数企画している同館で、今注目されているのが「放課後かんげきプログラム」。世界レベルで評価される2つのダンス公演が、18歳以下は無料招待という驚きの試みに、関西圏以外からも注目が集まっている。

■ 「自分の意思と興味で劇場に」…取り組みの目的は

Sweet-Mambo公演写真 Photo:Karl-Heinz Krauskopf

今回観劇できるのは、ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団『Sweet Mambo(スウィート・マンボ)』(11月21・22日)と、クラウド・ゲイト・ダンスシアター(雲門舞集)『WAVES』(12月17日)。演劇とダンスをミックスした「タンツ・テアター」というスタイルで、ダンスの概念を変えたピナ・バウシュ(2009年逝去)の晩年の作品と、Perfumeのテクニカル演出で知られるメディアアーティスト・真鍋大度が台湾の老舗ダンスカンパニーとコラボレーションした注目作品だ。

この企画の実施について「学校単位の観劇ではなく、自分の意思と興味で劇場に足を運ぶ子どもたちを増やすことが目的。どちらもメインホール(約2000席)のスケールを生かした上演を楽しめて、観る人それぞれの感性で自由に受け止められる内容です」と、ロームシアター京都のプログラムディレクターは語る。また割引ではなく無料にした理由は「経済的な事情を気にせず参加してほしい」という、強い思いがあることを明かした。

また、各作品の見どころについて「『Sweet Mambo』は身体の動きや言語、舞台美術や音楽など、様々な要素を使って人間の感情や社会的なテーマを描き出した舞台。動きの美しさだけを追うだけではなく、自分の感情を重ねながら自由に観ることができます。『WAVES』は大勢のダンサーの力強い動きと、真鍋大度の音楽・映像テクノロジーが融合した作品。新たな身体感覚の世界に、私たちを連れ出してくれるかもしれません」とそれぞれ解説してくれた。

waves公演画像 Photo by LIU Chen-hsiang
Sweet-Mambo公演写真 Photo:Karl-Heinz Krauskopf

どちらも無料で見られるのは大変レアな機会ということもあり「現時点(10月末)で予想を上回る申込みがあり、九州地方からも応募がありました」と、注目度の高さをうかがわせる。またダンス公演は、受け止め方が自由な分「難しい」と感じる人が多いという状況を踏まえて、開場時間中にロビーでプレトークを実施するなど、フォローの体制も万全だ。

ペドロ・アルモドバル監督が映画『トーク・トゥ・ハー』で、その舞台を象徴的に登場させるなど、ジャンルを超えてアート界に大きな影響を与えたピナ・バウシュ。そして最先端のテクノロジーを駆使して、ダンスの新しい表現方法を提示した真鍋大度&雲門舞集。いずれもダンスマニアなら誰もが大推薦するトップクラスの作品を、対象となる子ども&学生だけでなく、この機会に大人たちも一緒に楽しみに行ってほしい。

「放課後かんげきプログラム」
「放課後かんげきプログラム」

どちらの公演も、劇場の公式サイトから要事前申込。対象となるのは、観劇日当日に小学校1年生~18歳以下の方(未就学児入場不可)。保護者の同伴は必須ではないが、同伴する場合は一般販売席と座席エリアが異なるため、席が離れることを了承の上で申し込みを。応募締切はどちらも公演日前日まで。枚数限定・先着順のため、できるだけ早めに申し込もう。

取材・文/吉永美和子

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