発祥はアイルランド!本場のハロウィンが大阪で花火と共演<万博プレイバック>

8時間前

巨大なイモリのようなパペット「アルフ」と花火が万博で共演(10月11日/大阪・関西万博)

(写真13枚)

10月31日は、ハロウィン。いまや、世界規模で祝われ日本でもお馴染みのイベントとなっているが、その起源をご存じだろうか?実は、約2000年前のアイルランド島が発祥で、今年はその本場のハロウィンが閉幕直前の『大阪・関西万博』にやってきた。

巨大パペットはかなりの迫力(10月11日/大阪・関西万博)

◆ ハロウィンはなぜ「仮装」するの?起源を知れば納得

屋外会場に巨大パペット出現。光の演出がまぶしい(10月11日/大阪・関西万博)

アイルランド語で「夏の終わり」を意味し、収穫期の終わりと冬の始まりを焚き火、饗宴、異教徒の儀式で祝う古代アイルランドの祝祭「サウィン(Samhain)」が起源。11月から新年を迎える古代ケルト人たちは、その前日の10月31日のサウィンを現世と来世を分ける境界が弱まる時と考え、墓からよみがえった死者の魂が、家に帰ると信じていたそう。

Derry Halloween Festival, Co. Derry / ©Derry City and Strabane District Council / Courtesy Lorcan Doherty
Derry Halloween Festival, Co. Derry / ©Derry City and Strabane District Council / Courtesy Lorcan Doherty

死者の魂は、幽霊や妖精、ゴブリン、悪魔などの姿をしており、彼らが家に戻ってきた時に機嫌を損ねないよう、当時の人たちは食べ物や飲み物を準備し、自らも不気味な仮装をして身を隠していた。それが、現在広く楽しまれている「仮装をする」ということに繋がっている。そんなアイルランドからアメリカに渡った移民たちにより、伝統が海を渡り、その後世界的なイベントへ発展していったという経緯を持つ。

Lumen Street Theatre, Samhain Festival 2023, Limerick City / Courtesy Fáilte Ireland

◆ 万博で一夜限り…本気ハロウィン×花火、さらに大屋根リングの豪華共演が実現

大屋根リングと
巨大パペットが共演(10月11日/大阪・関西万博)
大屋根リングと巨大パペットが共演(10月11日/大阪・関西万博)

「アイルランド・パビリオン」の担当者によると、今もアイルランド各地では、それぞれのやり方で盛大にハロウィンが祝われているそうで、日本でも本場さながらの体験してもらおうと、万博会場内各所で10月6日から11日まで、ステージや映画など数々の関連イベントが開催された。(これらのイベントは、アイルランドの首都のダブリン市議会主催の『ブラム・ストーカー・フェスティバル』のプログラムの一部であり、アイルランド外務貿易省およびダブリン市議会により資金提供されている)

巨大パペットを参加者たちが見守る(10月11日/大阪・関西万博)

そのうち屋外会場のEXPOアリーナ「Matsuri」で10月11日に開催された『ハロウィーンフェスティバル:アルフの万博大冒険』は、ダブリン・シティ・カウンシル、ブラム・ストーカー・フェスティバル、ゴールウェイを拠点とするスペクタクル・シアター・カンパニー「マクナス」の演目。

大屋根リングと
巨大パペットが共演(10月11日/大阪・関西万博)
巨大パペットを操るスタッフたち(10月11日/大阪・関西万博)

ユニークな野外パフォーマンスで数々の賞を受賞し、世界的に名高い彼らが、陽が落ちる夕暮れの夢洲に登場。全長約20メートルの巨大なイモリのようなパペット「アルフ」による本場さながらの豪華パレードを開催した。開演前はもちろん、開演してからも、多くの来場者が、貴重なショーを一目見ようと会場の前に長い長い列を作っていた。

(10月11日/大阪・関西万博 Lmaga.jp編集部撮影)
開演前には入場希望者の長い長い列が西エリアにできた(10月11日/大阪・関西万博 Lmaga.jp編集部撮影)

また、当日は「アイルランド・パビリオン」のスタッフも、仮装をして参加。仮装姿で楽しむ一般の来場者たちの姿もみられた。

(10月11日/大阪・関西万博)
仮装にミャクミャクを取り入れて楽しむ来場者たち(10月11日/大阪・関西万博 Lmaga.jp編集部撮影)

パペットパレードの後ろのスクリーンには、不気味な衣装とメイクのダンサーたちが街を歩く姿などが映し出される。ちょっとしたお洒落な仮装などというレベルなく、本気で怖いヤツだ。さらにおどろおどろしくもなぜか惹かれる音楽、妖しい光による演出が本場の雰囲気を醸し出す。

(10月11日/大阪・関西万博)
今回は映像だったが、現地パレードでは実際にダンサーたちが踊るそうで、それが観てみたくなった人も多いだろう(10月11日/大阪・関西万博)

アルフは泡や水を放ちながら、アリーナの外周をまわり、観客のそばへ。その様子を来場者たちの多くが、懸命にスマートフォンで撮影していた。そして、途中の約5分間と短い時間ではあるが、「EXPO Thanks 花火大会」と、アルフのパレードの共演が観られ、今回の万博ならではの異色の豪華共演。一夜限りの夢のような時間となった。

短くも豪華な花火と本場のハロウィンが一夜限りの共演(10月11日/大阪・関西万博)
かわいい顔のアルフと花火(10月11日/大阪・関西万博)

なお、万博が終わっても、アイルランドと日本の文化交流は続く。今年7月に公式開館したアイルランド大使館新庁舎『アイルランドハウス東京』(東京都新宿区)では、ハロウィンを記念し、放送中の連続テレビ小説『ばけばけ』に登場する、アイルランドをルーツにもつラフカディオ・ハーン(小泉八雲)に焦点をあてた『怪談ーラフカディオ・ハーンとの邂逅展』を開催。期間は11月4日から17日まで。入場無料。万博やドラマでアイルランドに興味を持った人は、公式サイトで詳細の確認を。

写真/バンリ 取材・文/Lmaga.jp編集部

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