北新地らしく豪勢に!?「ANAクラ大阪」閉館、41年の歴史に幕

「ANAクラウンプラザホテル大阪」閉館セレモニーで、乾杯の挨拶をする白木総支配人(10月16日・12時20分頃/Lmaga.jp撮影)
秋雨が降る10月16日、大阪・堂島の「ANAクラウンプラザホテル」が閉館の日を迎え、41年の歴史に幕を閉じた。閉館への思いを、最後の宿泊客、スタッフ、そして開業準備から42年間働いた広報担当者の、3つの視点で伺った。
■ 北新地らしく乾杯でお別れ、閉館セレモニー

1984年10月に「大阪全日空ホテル・シェラトン」として開業。大阪屈指のビジネス街・淀屋橋や堂島が近いため、国内外の宿泊客のほか、周辺のビジネスパーソンの打ち合わせや接待の場としても重宝されてきた。また、ロビーは夜の北新地の「待ち合わせ場所」としても知られる。
閉館日を迎えた10月16日午前。ロビー1階では、シャンパンや軽食が無料で振る舞われ、約100人で埋め尽くされた。最後の宿泊客がチェックアウトを終えた12時10分から、閉館セレモニーが開始。

司会が「41年の歴史、それはスタッフ一人一人の心であり、お客様とともに紡いだ物語の結晶です。またいつかお会い出来ることを楽しみに、今まで愛してくれたすべての皆様に、ありがとう、おおきに」と、大阪らしい温かみのある挨拶をすると、会場には惜別のムードが広がる。
続いて、白木総支配人が「41年間。この北新地という地で、たくさんのお客様に愛されたホテルだなと感じました。2024年5月に、従業員に閉館する旨を伝えました。私の一番の心配は、最後まで従業員がいてくれるかどうか・・・。最後まで皆が残って、モチベーション高く、今日閉まるのかと思うほど、楽しく明るく働いていただいたスタッフにも、感謝を申し上げたいと思います」と話すと、会場は拍手で包まれた。
セレモニーの最後は、シャンパンで乾杯。大阪を代表する歓楽街・北新地に近い、「ANAクラウンプラザホテル大阪」らしく、華やかに締めくくった。

■ 最後の宿泊客、常連客が思い出を語る…

最後の宿泊客となった、愛知県から来た50代の夫婦は「今回、初めて泊まりました。系列ホテルには泊まったことがあって、大阪に行ったら泊まってみたいと思っていて。閉館のニュースを見て、銀婚式と2人の誕生日のお祝いに予約しました。クラブラウンジで長い時間を過ごして、最後というのもあって、すごく親切にしてもらいました」と思い出を語った。

十数年間、宿泊やレストランで頻繁に訪れていた70代男性は「思い入れが強くて別れ惜しい。中国料理『花梨』の料理は、麻婆、海老チリ、どれも本当においしい。宿泊した時に食べられる、クラブラウンジの朝食限定のパンケーキに、はちみつをかけて食べるのがお気に入りだった」。
■ 涙ぐむスタッフ・宮田さん「私を育ててくれた場所」

閉館セレモニーで涙ぐんでいた、クラブラウンジのスタッフ・宮田陽子さんにも話を聞いた。「最後の日を無事に迎えられて、ほっとしています。2007年に入社し、クラブラウンジでは13年間働きました。閉館を聞いて、昔からのお客さんがたくさん来られ、お手紙もいただきました。
お客さまによって喜ばれることと、嫌なことが違うので、一人一人のお客様に興味を持って接客するようにしていました。このホテルは、私を育ててくれた場所だなと本当に思います」。
■ 開業前から42年間働いた、木下さんの最後の思い

最後に、ホテル建設中の開業準備室に入社以来、42年6カ月にわたって「ANAクラ一筋」で勤務した広報の木下智子さんに、閉館への思いを伺った。木下さんは、ホテル閉館にともない、会社員生活を一旦終える予定にしている。
「最後の日を迎え、寂しいというよりも、複雑な気持ちを感じています。お客さまや卒業したスタッフ、今働いているスタッフが、走馬灯のように頭の中をくるくるしています。たくさんの人に支えてもらって、いろいろ頑張れたな、突っ走れたなという気持ちです。人生100年時代なので、今からもう40年頑張れるのかなと思うとわくわくします」。

閉館セレモニーが終わった12時30分頃、従業員がホテルの玄関に並び、最後の一人まで利用客を見送った。降っていた雨も上がり、いよいよ最後の時を迎える。12時40分、白木総支配人がお辞儀をして、自動ドアが閉まり、41年の歴史に幕を閉じた。

◇

ホテル閉館後、跡地はどうなるのだろうか?ホテルのビルを所有する「ダイビル」(本社:大阪市北区)に聞くと、「その件については、お答えできかねます」とのことだった。隣接する「クラブ関西」が7月に一旦閉館し、一部報道やSNSでは再開発が噂されている。
取材・文・撮影/Lmaga.jp編集部
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