「謎の放送局」サンテレビで「温泉ドラマ主演」氣志團・綾小路 翔が語る

4時間前

主演ドラマの撮影を終えた綾小路 翔が、大いに語る(9月14日:大阪市内)

(写真8枚)

◆ 湯村温泉滞在は、絶大デトックス効果あり

ひさしぶりに訪れる大阪の下町で笑顔を見せる綾小路翔(9月14日:大阪市内)
ひさしぶりに訪れる大阪の下町で笑顔を見せる綾小路 翔(9月14日:大阪市内)

──コンビニも近くにない環境だったとのことですが、撮影期間中はどのようなことを楽しみにされていましたか?

本読みの時に出されるお弁当ですね。地元の仕出し業者さんのお弁当なんですけど、たっぷり揚げ物が入っていて、それで体力づくりをするという。後半はおしゃれなカフェのお弁当に変わって、そちらもめちゃくちゃおいしかったです。あとは、朝起きて湯村の町をジョギングして、地熱を利用した60度のサウナで汗をかきながら読書、そして温泉に浸かるというのが日課になっていました。

そんな小さな喜びを感じながら日々を過ごしていたんですけど、それによって自分が不安や、得体のしれないモヤモヤなど、地味なストレスを感じながら生きていたことが分かりました。僕、ずっとテンションがアッパーで、おかしいぐらい仕事が詰まってるほうが落ち着くんです。たまに変な薬でもやってるんじゃないかと疑われますが(笑)、単に性格的なもので。そうやって元気なつもりだったけど、湯村に来てから、しっかり睡眠が取れるようになり、自分の中に溜め込んでいた疲れを、実感しました。

──普段、眠りは浅いんですか?

僕、基本的にショートスリーパーで、だいたい3時間で目が覚めるし、仕事で疲れても何かしらの脳内物質が分泌され続けて、眠れないこともあったんです。だから寝坊で遅刻したこともない。遅刻するのは、早起きして準備も済んだのに関係ない片づけをしてしまう、忘れ物を取りに6回家に戻る、考え事をしていたら関係ない電車に乗っちゃうとか、そんな理由(笑)。

湯村は兵庫県の中でも秘境的なポジションにある為、東京でどんなに大変なことがあってもすぐには戻れない。「自分が今やるべき仕事は、もうこれだけだ」と思えたのが安心に繋がり、気持ちよく寝て気持ちよく起きることができました。睡眠時間は同じぐらいでも質が全然違う。本当にすごいデトックス効果です。

◆ スタッフは「翔さん、毎日セリフバッチリでした」と証言。その裏で…

──関東とは違う環境が、良かったんですね!演技の面で苦労されたことなどはありますか?

たまに出てくる長ゼリフですね。さっき言ったように1話を一晩で撮影する超強行スケジュールなので、とにかく時間がない。朝のジョギングも貴重な時間なので、走りながらセリフを口に出すという練習方法を実践していました。

しかし、周囲に誰もいないのをいいことに、物騒な内容のセリフを大声で話していたら、運悪く地元の人が自販機で買い物をするところにすれ違ってしまって(笑)。普段、ほぼ人と会うこともない温泉街で、その日に限って黒いキャップにサングラスの僕が、まともじゃないセリフを話しながら走ってきたものだから、かなり驚かせてしまって。本当に申し訳なかったです。

──東京では考えられないシチュエーションですね。

いや、もう本当に(笑)。その朝のジョギングでも小さな喜びがあって、走り出して1キロぐらいの地点にあるコンビニを休憩地点にしていたんですけど、そこで買って食べるアイスクリームがめちゃくちゃおいしいんです。普段だったらコンビニのアイスとか気にかけることもないけど、そんなささいなことも楽しくて。喫茶店のランチをどれだけ制覇できるかというチャレンジも1人でやっていました。せっかくたくさん走ったのに、全然ダイエットにならなかったな(笑)。

◆ 湯村温泉で発見、島田監督率いる「島田組」と氣志團の共通点

──共演者のみなさんとのコミュニケーションは、どんな感じで取られていましたか?

僕、おしゃべりは大好きなのに、コミュニケーション力はめちゃくちゃ低くて。人との距離の取り方にいつも苦労するんです。最近ではオフをもらっても、だいたい1人で旅行に行ってますし。

今回も最初は、好かれることはなくても、嫌われることはないように頑張ろう、と思っていたのですが、撮影が進むにつれて「自分も島田組のみなさんの中に入りたい」と思うようになっていました。こんな性格なのでジメジメしながらも、少しずつ距離を縮めていって、楽しくおしゃべりもできるようになっていきました。

撮影後、出演者の中の東京在住チームで集まってご飯に行ったんですけど、そこで初めて、みなさんがどこでどう繋がっているのか、という話も聞くことができました。ちなみに第1話にゲスト出演された波岡一喜さんは、まさかのご近所さんということが分かりました。湯村温泉で出会って、新橋の居酒屋で話していたら、互いの家が徒歩 2 分の距離であることが発覚するという(笑)。大人になってこうやって友だちができるって、なんて嬉しいことなんだろうって思いましたね。

波岡と交流を深めた「湯村天使の吐息」製作委員会
第一話場面写真。波岡一喜(左)と交流を深めた綾小路 翔 写真提供:「湯村天使の吐息」製作委員会

──島田監督の人柄については、どのような印象を持たれましたか?

僕、いつも午前中からジョギングに出てたんですけど、その時間、監督はすでに撮影場所の荒湯でカメラワークを考えてるんです。朝の7時ぐらいまで片付けとかしてたはずなのに、もう動いてるんですか!?って。

豪快さと繊細さを併せ持ったとても魅力的な方ですね。1日目の撮影の時、自分の中でうまくいかなかったことがあったのか、川に向かって大声で叫んでいました。でも、監督のそういう様子を見て、僕は自分を重ねていましたね。ずっとあのテンションでいられるのはすごいなと思うし、たぶん僕も似たタイプなんです。自分の頭の中にあるイメージを、どうやって周りの人に伝えるか分からなくて、癇癪起こしちゃう。

でも、島田組のみなさんは、みなさんは、監督のそういうところも理解しているし、信頼している。だから監督の追い求める世界を撮るために何回でもトライする。

これは、僕が氣志團というバンドに救われている関係性に近いなと思って。うちのメンバーと島田組の皆さんを比べるのもおこがましいのですが、リーダーが言ったことに根気良く付き合ってくれて、時に黙って見守ってくれて、チームが一番良い方向に進むようにしてくれるというのは、本当にありがたいことだなって、湯村の地で改めて感じました。

──マネージャーさんは、その後、島田組のみなさんと打ち解けられたのでしょうか。

現場にはマネージャーともう一人、ヘアメイクの方が帯同してくれたんですけど、彼らのほうが僕より先に島田組と仲良くなってましたね。「こんなにすごいチーム、ちょっとないですよ!」って興奮していました。彼らは氣志團以外の現場って、なかなか見ることがないので、それもあってすごく刺激を受けたようです。

島田組にはベテランから若手まで、幅広い年代の人がいるので、そんな人たちで一つのドラマを作るというのが、本当に青春って感じがしました。1回目の撮影の終盤、みんなで呑むとのことで、僕も行きたいなと思って場所を聞いたら、湯村の中でもさらに山奥のコテージだと。

車で迎えに来てもらったら暗闇の中でキラキラ光るものがあったので、なんだろうと思ったら全部シカですって言われて。とんでもないところに来たなと思いましたよね。そのさらに奥の山中で酒呑んでる島田組は、どこから見ても山賊の集団でした(笑)。でも、そこに入れてもらえたことで、自分もようやくチームの一員になれたかなって気がしました。

(次のページは…)いったい何者?綾小路演じる、謎多きキャラクター・千秋

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