終演後のライブハウスで宿泊できる企画など、画期的な取り組みに力を入れる「ゴリラホール オオサカ」（大阪市住之江区）。そんなライブハウスで、今度は入場無料の１日イベント『ＧＯＲＩＬＬＡＮＤ〜無料開園〜』が１１月１日に開催される。

ＳＮＳ上で開催が告知されると、「こういうの本当に素晴らしいと思う」「また面白そうなこと企画してはりますやん」などライブキッズによる喜びや称賛の声が続出。なぜあえて無料イベントとして開催するのか、運営会社「Ｉｎ ｔｈｅ ｖｉｌｌａｇｅ」の代表・中村俊也さんに詳しくその思いを訊いた。

■ 万博の「パビリオン」を巡る感覚で楽しむイベント

──今回のイベントに出演されるバンドはキャリアやジャンルもバラバラですが、どういった基準で選ばれたのでしょうか。

僕たち「ゴリラホール」のスタッフが「今この瞬間に観たい！」と思うバンドを、自分たちの目線でセレクトしました。なのでこれまで何度か出演いただいているアーティストもいれば、ブッキング担当が「ゴリラホール」として本気でプッシュしたいと思っていたバンドもいます。なのでロックという共通項はあるもののジャンルはバラバラ、メロディック、ラウド、スカパンクとさまざまなバンドが一堂に会するイベントとなります。

来場者の皆さんには万博の「パビリオン」を自由に巡るような感覚で色々なバンドを巡っていただき、ライブハウスで観るバンドの良さを改めて発見していただけたらと思っています。

──なるほど。ほかにもライブハウス内だけでなく、屋外でも楽しめるブースを設けるとか。

僕の知人にたこ焼き屋やホットドック屋を営んでいる方々がいるので、協力してもらう予定です。また、同じく知人のアパレルブランドも出店する予定です。ライブの合間に外に出て休憩してもらったり、野外フェスとはまた違う「ライブハウスのフェス」のような空間になるよう、準備を進めています。

──無料イベントとなると予算的に色々と難しくなるのではと思うのですが、なぜ「入場無料」に踏み切ったのでしょうか？

今回のイベントには、ゴリラホールが掲げる「テーマパークのようなライブハウス」というコンセプトが込められています。そこで、うちに来たことがない人にも気軽に遊びに来てもらえる１日にしたいという思いから、入場無料での開催を決めました。ＳＮＳでは、「このライブに行きたいけど、お金がない･･･」という声もよく見かけます。そういう人も、無料だったら来てもらえるかなと。

もちろん、好きなバンドを観るためや、ちょっと興味があるから覗いてみるというのも大歓迎です！

──たしかに無料となると観に行くハードルがグッと下がりますよね。今後もこういったイベントを実施していく予定はありますか？

やはり、まずは今回のイベントをしっかりと成功させることが第一ですね。その上で、ライブハウスやライブハウスを主戦場にしているバンドの良さを皆さんに知ってもらう場として、年２回くらいのペースでできれば最高です。無料でやる限り予算を捻出しないといけない難しさはありますが、使命を持ってやり続けたいです。

──開催にあたり、意気込みコメントをお願いします。

『ＧＯＲＩＬＬＡＮＤ』は、ライブハウスが初めての人も馴染みのある人も、音楽好きも、そうでない人も、全員ウェルカム。チケット代がいらない日だからこそ、普段とは違う「出会い」や「きっかけ」が生まれてほしい。

『ＧＯＲＩＬＬＡＮＤ』が、誰かにとっての「初めてのライブハウス体験」になったら最高です。ライブハウスって、もっと自由で、もっと面白い。その可能性を詰め込んだこの１日を思いっきり楽しんでもらえたら嬉しいです！

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出演バンドはＡｌｌ Ｉ Ｃｌａｃｋｓ、ＢＡＣＫ　ＬＩＦＴ、ＣＯＰＥＳ、ＦＩＲＥ ＯＮ ＦＩＲＥ、ＦＩＶＥ ＳＴＡＴＥ ＤＲＩＶＥ、ＧＩＺＭＯ、アイスクリームネバーグラウンド、ＩＲＩＳ ＭＯＮＤＯ、ＫＡＬＡ、カライドスコープ、Ｍａｙ Ｆｏｒｔｈ、ＳＫＡ ＦＲＥＡＫＳ、ｓｌｙ ｃａｔ ｇｉｒｌ、ＴＨＥ ＪＡＰＡＮＥＳＥ　ＰＲＩＤＥ、ＵＮＭＡＳＫ ａＬＩＶＥ、サラバヨアケ（Ｏ．Ａ）の全１６組。

『ＧＯＲＩＬＬＡＮＤ〜無料開園〜』は開場１１時、開演１１時４５分。チケットの二次先行は現在準備中とのこと、詳しくはゴリラホールのＸ（旧ツイッター）や公式ＨＰをチェック。

取材・文・写真（一部）／つちだ四郎