高校生で母急逝、8年間の引きこもり…一目惚れから支えあった22年

9時間前

6月22日放送の『新婚さんいらっしゃい!』より(C)ABCテレビ

(写真3枚)

関西の日曜昼の長寿番組『新婚さんいらっしゃい!』(ABCテレビ)の6月22日放送回に、結婚まで22年の月日を費やしたカップルが登場する。

東京都に住む今回の新婚さんは41歳と40歳の夫妻だが、出会いは2002年まで遡る。

沖縄県に生まれ高校卒業を機に上京した夫は当時、専門学校の1年生。授業後、友人のライブを観に行くが途中で帰ろうと、自宅のある駅へと向かう。一方、高校3年生だった妻はその日、友人と新宿へ。母の体が弱く介護をしていたため、3カ月ぶりに遊びに出ていたという。友人を最寄り駅まで見送り、自宅へ向かう。そのとき夫と同じ車両に乗り込んだことが、すべての始まりだった。

何故か睨まれていると怯える妻に対し、「なんてかわいいんだ」とひと目惚れした夫。夫は妻が降りた駅で下車し、カラオケに誘ったところ、「よく見たらかっこいい」と気づいた妻がOKし、意気投合する。久々の外出が楽しく、妻は上機嫌。大量の着信に引っかかりつつも無視し続け、翌日会う約束をして家まで送ってもらった。

観覧に来ていた妻の父も、「初めて知った」と驚いた様子。実はその着信は父からのもので、妻が帰宅するやいなや母の突然の他界を告げられた。享年48、急性心不全だった。妻は夫に、翌日のデートを断る連絡を入れるが、断るための嘘だと思ってしまった夫は、「告別式の情報を教えて」と返答。詳細が返ってきて事実だとわかり、後日、夫は告別式に参列する。「まさか本当に来るとは」と驚いた妻。その律儀さに惹かれたという。

6月22日放送の『新婚さんいらっしゃい!』より(C)ABCテレビ
6月22日放送の『新婚さんいらっしゃい!』より(C)ABCテレビ

すべてが落ち着いた数週間後、2人は再会して交際を始める。しかし母の死のショックは大きく、「ひとりにしておくのが怖い」と夫が感じるほど妻は暗くなってしまった。そのため授業の時間以外は妻の部屋で過ごしていたという夫。ある日、義父に見つかり、「惚れているので住まわせてください」と願い出る。当時、会社を立ち上げたばかりで、娘に何もできなかったという父は、夫を見込んで3人での共同生活をスタートさせた。

夫の居候から約3カ月後、妻は外出するのも怖い状態へと悪化。病院に行ったところうつ病と診断される。目を離すと危ない状態が多かったこともあり、夫は義父に「仕事を辞めてでも支えたい」と宣言。それに対し「金は気にするな、娘を頼む」と応えてくれた。娘の苦しみを見ていた父にとっても、夫の申し出はうれしいものだったという。

6月22日放送の『新婚さんいらっしゃい!』より(C)ABCテレビ
6月22日放送の『新婚さんいらっしゃい!』より(C)ABCテレビ

その後、外出できない期間はなんと8年間。「社会に出なければ」と葛藤していた妻だったが、たまたま着付け教室のネット広告を目にし、「やってみたい」と思ったという。着物文化への理解を深めるための「きもの文化検定」を受けたいと妻が言うと、夫は喜んで背中を押してくれた。

検定に妻は5年の歳月をかけて合格。さらには着付けに関する知識と技能を評価する国家試験「着付け技能士検定」1級にも合格。現在はフリーの着付師として活躍している。

そして交際を始めて22年の昨年12月、2人は結ばれた。現在は夫が購入した家で、妻の父と3人で楽しく暮らしているという。スタジオでは「想像したら苦しい。たまたまその日に遊んだだけだったのに…」とMC藤井が言葉を詰まらせる様子も。それに対し、「母が会わせてくれたのかと今では思っている」と妻。互いに支えあった22年に、スタジオ中の涙が止まらなかった。

この模様は6月22日・昼12時55分より放送される。

  • LINE

関連記事関連記事

あなたにオススメあなたにオススメ

コラボPR

合わせて読みたい合わせて読みたい

関連記事関連記事

コラム

ピックアップ

エルマガジン社の本