今年は昭和100年! 石川さゆり「素敵な音をもう一度作りたい」

9時間前

演歌歌手・石川さゆり

(写真4枚)

『津軽海峡・冬景色』『天城越え』『ウイスキーが、お好きでしょ』などの、誰もが知る名曲をレパートリーに、50年以上に渡って活躍している演歌歌手・石川さゆり。8月24日には「フェスティバルホール」(大阪市北区)でコンサートを開催する。「この時代に元気を与えるような時間を作る」を、意気込みを語った。

■ 珍しい…演歌でコール&レスポンス!?

大規模なコンサートが難しくなったコロナ禍を期に、少人数編成のアコースティックの舞台をはじめた石川。それによって「音圧の素晴らしさがあるフルバンドに対して、逆にどこまで削ぎ落とせるか?というアコースティックの面白さを見つけた」という。今回のコンサートでは、その両方のスタイルで曲を聞かせるとともに、「昭和」を意識したコーナーも設けるという。

演歌歌手・石川さゆり
演歌歌手・石川さゆり

「今はみんな電子音に囲まれているけど、昭和の頃は金魚売りや豆腐売りのラッパなど、人の生活やぬくもりを感じる、素敵な音がいっぱいあったなあと。今年は『昭和100年』ということで、歌だけではなく、これらの『音』をもう一度エンターテインメントとして作りたい」と狙いを語る。

その一環として、バナナのたたき売りをベースにした『さゆりの啖呵売』を10数年ぶりに、しかも本物の露天商から学んだ口上を活かしながら披露する。また、いろんなライブを見に行くなかで「本当にみんな、コール&レスポンスをしていて楽しそうなんです。私もこうやって、皆さんが楽しめるステージをやりたいなあ」と考えるようになったそうだ。

演歌歌手・石川さゆり
演歌歌手・石川さゆり

そこで今回は「一緒に声を出せるような歌と、じっくり聴いていただける歌のメリハリをつけた構成にしました。お客様には自由に楽しんでいただけたらと思います」と、演歌でコール&レスポンスという、めずらしい風景が見られる可能性を示唆した。

■ 「なかなか楽しいニュースが…」考えた続けた「届ける歌」

セットリストのなかには当然、3月に発売したばかりの新曲『弥栄(いやさか)ヤッサイ』と『棉の花』も。石川・能登地方の「あばれ祭り」の掛け声を用いた、まさにコール&レスポンス向きの『弥栄ヤッサイ』に、戦前の河内木綿の苦境のなかで、遊郭に売られた女性の心情を静かに歌いあげる『棉の花』にも、それぞれ熱い気持ちがこもっているという。

「『弥栄(いやさか)ヤッサイ』は、日本が元気になる祭りの歌を作るところから始まって、スタジオで揉んでいくうちに、能登の祭りの掛け声が入りました。今も大変な能登に心をつないでいただきつつ、日本中が元気になってほしいと願っています。『棉の花』も、かつて日本にはこんな時代があったということを、歌い手にできる伝え方で、皆さんに知っていただけたらいいなと思います」と、歌を通じて大事なことを伝えていくという意志を語った。

演歌歌手・石川さゆり
演歌歌手・石川さゆり

日々ニュースを見るにつれ、「お米がないとか、なかなか楽しいニュースがないなかで、今なにを歌にしてお届けできたら良いんだろう?」と感じているという石川。そこでこのコンサートについて「『みんなでいっぱい楽しいことしましょうよ~!』って(笑)。ひとときでも『あー、スカッとした!』という時間が作れたらいいなあと。暑い季節ですが、皆様に元気いっぱいでお目にかかれたらと思います!」と、明るく呼びかけた。

チケットは、プレミアムシート1万2000円は完売したが、一般8500円は現在も発売中。

取材・文・写真/吉永美和子

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