寺島しのぶ「役に入り込み過ぎて心配」…共演者の若手女優を絶賛

11時間前

俳優・寺島しのぶ(5月9日・大阪市内)

(写真3枚)

寺島しのぶや吉柳咲良が、現代の家族の問題をストレートに描き出した海外戯曲に挑んだ舞台『リンス・リピート―そして、再び繰り返す―』。4~5月の東京公演を終え、5月10・11日には京都にて関西公演がおこなわれる。その初日前日に、母親役を演じる寺島しのぶが急遽会見を実施した。

『リンス・リピート』は、2019年にオフ・ブロードウェイで大きな話題を呼び、これが日本初演。セラピスト・ブレンダ(名越志保)の元で摂食障害の治療中の長女・レイチェル(吉柳)が、一時的に帰宅。弁護士の母親・ジョーン(寺島)、高校生の長男・ブロディ(富本惣昭)、不器用な父・ピーター(松尾貴史)はレイチェルを温かく迎え入れるが、次第に隠れていた家族の歪みが浮き上がってくる…。

俳優・寺島しのぶ(5月9日・大阪市内)
俳優・寺島しのぶ(5月9日・大阪市内)

ジョーンは娘に大きな期待を寄せ、それが知らず知らずプレッシャーを与えているという役どころ。脚本を読んだ第一印象は「えらく大変な、超えていかないといけない作品が来た」だったとのこと。「稽古中は『こんな母親嫌だなあ』と思ったけど(笑)、子どもを育てる自分、母に育てられた自分とすごくオーバーラップしました。私自身、息子に過干渉にならずにやっていきたいと思いましたね」と、自分と重なる部分を大切にして演じているそうだ。

レイチェル役の吉柳については「頭で考えないで、心で動く女優さん」と、その才能を絶賛。「富本君もそうですけど、本の読み込みが深くてちゃんと意見も言える。松尾さんと『私たちがこれぐらいの(年齢の)とき、こんなこと考えてました?』と反省するぐらいです」と感心しつつ「『この役は自分と似ている』と、役に入り込み過ぎているのが心配。公演が終わったら、南の国にでも行ってゆるんでもらいたいです(笑)」と気を使う言葉も。

俳優・寺島しのぶ(5月9日・大阪市内)
俳優・寺島しのぶ(5月9日・大阪市内)

「家族」という関係性独特の問題を、いろいろと突きつけてくる本作。「ハッピー! という気分になる芝居では決してないけれど、東京では『すごいものを持ち帰った』という声を多くいただきました。きれいごとで済まされないラストについて話し合ってもらいたいです」と期待を語ると同時に「本当に奇跡的なほどピッタリなキャストがそろっていますし、自信を持って関西でも(上演)できると思っています」と観劇を呼びかけた。

演出は、2023年に「第30回読売演劇大賞優秀演出家賞」を受賞した、注目の若手・稲葉賀恵が担当。会場は「京都劇場」(京都市下京区)で、チケットは一般9800円、25歳以下6500円。当日券は全公演で発売される。10日夜公演は終演後にトークショーを開催。

取材・文・写真/吉永美和子

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