マグリットに魅せられた「フォロン」、大阪で30年ぶりの大規模展

フォロンが手がけたポスター作品たち(フォロン財団蔵 ©Fondation Follow,ADAGP/Paris,2024-2025)
ベルギーを代表するアーティスト、ジャン=ミッシェル・フォロンの回顧展『空想旅行案内人』が、4月5日から「大阪・あべのハルカス美術館」(大阪市阿倍野区)にて開催中だ。
フォロンは小さい頃から絵を描くことが好きで、ある日迷い込んだカジノで画家・マグリットの壁画作品『魅せられた領域』を目にしたことがきっかけで画家を志すことに。そこから数年絵を描く日々が続き、あるときアメリカの有名雑誌に挿絵が掲載されたことで彼のアーティスト人生がスタートすることになった。
フォロンの描く絵画といえば、美しく整然とされた雰囲気がありつつも、私たちに語りかけるようなメッセージを含む作品が多いのが特徴だ。
フォロンが日本で初めて作品を公開したのは、『日本万国博覧会』が大阪で開催された1970年。そこから何度か日本での展覧会も実施されたが、今回が没後初かつ約30年ぶりとなる日本での開催となる。フォロン財団の関係者からは「また万博の年に大阪でできるのは嬉しい」と喜びの声が挙がっていたという。
■ 5つのテーマで構成された作品を巡る
同展は「空想旅行」のストーリー仕立てになっており、5つのテーマに分けられている。作品は、ドローイング・水彩・版画・オブジェ・アニメーションなど約230点の作品が展示されている。


「プロローグ:旅のはじまり」エリアでは、フォロンが20代の頃から描き続けたドローイングをはじめ、『1番目の考え』など頭の形がそれぞれ違うオブジェたちが並ぶ。ここで、フォロンの作品によく出現する「リトル・ハット・マン」も登場。
「Chapter1:あっち・こっち・どっち?」のエリアでは、1970年代頃から取り入れている水彩画や、「矢印」を描いた作品が並ぶ。そして「Chapter2:なにが聴こえる?」にさしかかると雰囲気が少し変わり、穏やかとは言いがたい作品も。自然・生態系・地球の未来に焦点を当てて、世界へ問いかけるメッセージ性のある作品が印象的だ。

「Chapter3:なにを話そう?」では、新聞・雑誌・テレビ・ポスターなどメディアを意識した作品が多く登場。雑誌の表紙をはじめ、600点以上のポスター、そして「世界人権宣言」の挿絵などを手がけたフォロン。そして最後の「エピローグ:つぎはどこへ行こう?」では、地平線や水平線などの風景画が多く展示されている。

■ 世の中に伝えたい「フォロン」の思いとは?
展覧会名にもなっている「空想旅行」とは、フォロンが自身の名刺の肩書きに記しており「自分は空想旅行の案内人」と名乗り、「自身の作品を通して、人々を時空の超えた自由な旅へ誘いたい」という思いがあったという。

また、フォロン財団の理事長は「フォロンは、頭の中は雲の中だけれど(空想世界)、足はしっかりと地に着いた詩人」とコメントを残している。軽やかなタッチと色彩とは裏腹に、世界の現実をしっかりと映し出す作品たち。
美術館の担当者は「フォロンの作品は、思考の多様性を意味しているのか、謎かけ的な作品が多いです。ホワイトユーモアに当てこむのが彼の作品です」と語る。フォロンはあえて謎を生み出し、自由な発想で作品と向き合ってほしい、と私たちの想像力も駆り立ててくれる。
『空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン』は6月22日まで「大阪・あべのハルカス美術館」にて開催。10時〜20時(土日祝月〜18時)迄開館。一般1900円、ほか料金など詳細は公式サイトにて。
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