万博会場の中心部エリア、何ができる? 8つのパビリオン

8人のプロデューサーが手がける「シグネチャーパビリオン」(写真は「EARTH MART」)
ついに開幕まで1週間をきった『大阪・関西万博』。会場の中心部に位置し、8人のプロデューサーが手がける「シグネチャーパビリオン」の見どころや所要時間などを、4月3日におこなわれた会見でのプロデューサーのコメントとともに紹介していく。
(1)宮田 裕章「Better Co-Being」
データサイエンティスト・宮田氏が手掛けるパビリオンは、「共感・共鳴」をテーマにしており、周囲が樹木や草に囲まれた空間が特徴的。来場者は、まずエントランスで専用アプリ『Better Co-Beingアプリ』と『ふしぎな石ころechorb』をセッティング。そして気鋭のアーティストたちとコラボした3つのアート「人と人との共鳴」「人と世界の共鳴」「人と未来の共鳴」を巡り、エピローグで来場者同士の体験と周囲の環境を映像化する。

万博会場中央の「静けさの森」は『Better Co-Being』と隣接しており、1500本以上の樹木と池、水景で構築されたエリア。パビリオンと連動したインスタレーションも実施される予定だ。

「私自身、合間にいろいろなパビリオンを見せてもらっているんですが、本当に素晴らしいです。かなり狂気に満ちた、踏み込んだ問いというのを皆さんに提示していると感じました。未来に向けて一体何が新しい価値を作るのかということを皆さんが一緒に感じる、そういった万博になってるんじゃないかなと思います」(宮田氏)
【データ】
事前予約:必要(当日に空きがあれば予約可能)
アプリのインストール:必要
体験時間:約45分
(2)石黒 浩「いのちの未来」
ロボット学者・石黒氏が手掛けるパビリオンは、「50年後の未来」と「1000年後のいのち」を体験できる構成に。「リアルパビリオン」とオンラインゲーム『fortnite』の空間に没入できる「バーチャル空間」の2会場となっており、リアルパビリオンでは人間らしさを追求したアンドロイドや万博仕様にデザインされたロボットが展示されている。

「メインの展示では、50年後の未来でどういうプロダクトが登場し、どういう生活を営むことができるのか物語形式で展示しています。非常に感動的な物語になってるので、ぜひ楽しんでいただければ。展示を見ていただいて、1人1人が未来を考えて作っていくということができれば、パビリオンや万博も成功するんじゃないかなと思っております」(石黒氏)

【データ】
事前予約:必要(当日に空きがあれば予約可能)
アプリのインストール:必要
体験時間:約35分
(3)中島ちさ子「いのちの遊び場 クラゲ館」
ジャズピアニスト・数学研究者の中島氏がプロデュースする同館は「いのちを高める」がテーマ。クラゲをモチーフにした展示で構成されており、テーマパークのような外観が目を惹く。地上「いのちのゆらぎ場」と地下「いのちの根っこ」に分かれており、地下空間で音に耳を傾ける展示やさまざまな問いに対し自分の考えや思いを書き出す展示など、五感を使った体験を楽しめる。

「どうしても大きいもの、強いもの、多いものが目立つ社会があったと思うのですが、万博がおこなわれるということで、弱かったり小さかったり少なかったりするものの中にある価値というか、持っているエネルギー、そういうものが爆発するような万博にしたいと強く思っています」(中島氏)

【データ】
事前予約:必要(当日に空きがあれば予約可能・一部エリアは自由入館)
アプリのインストール:一部エリアで必要
体験時間:約35分
(4)落合 陽一「null2」
メディアアーティスト・落合氏のパビリオン「null2」は、伸縮する素材を使用する世界的にも珍しい建築物となっており、鏡張りの建物が音と振動とともに動く様は迫力たっぷり。来場者は専用アプリで自分の姿をスキャンすることで、自分のAIと対話することができるほか、館内ではストーリー仕立てのシアターコンテンツも体験可能だ。

「来場する皆さんには、自分のコピーとなるAIを持って帰って家で喋ってもらうといった体験を通し、自分とAIはどう違うんだろうってことをしっかり考えてもらう機会になればなと思っています。パビリオンは外から見ても綺麗ですが、中に入るともっと不思議な体験が待ってると思いますので、ぜひご来場いただければと思います」(落合氏)

【データ】
事前予約:必要(当日に空きがあれば予約可能・一部時間帯は自由入館)
アプリのインストール:必要
体験時間:約30分
(5)福岡 伸一「いのち動的平衡館」
生物学者である福岡氏が手掛けるパビリオンは「いのちのゆらめき」をテーマに、ふわりとした膜のような屋根で覆われた外観が特徴的。世界的に活躍するデザイン・イノベーション・ファーム「Takram」が演出を担当する光のインスタレーションを通し、来場者は生命の動きを体感できる。

「生物学者の私は『なぜ命は輝くのか』という問いに対して、『命が有限だから命が輝く。生は必ず死を迎えるからこそ命が輝く』と考えております。私のパビリオンでは、この死の意味を肯定的に捉える答えを提案しております。それは見てのお楽しみなので、ぜひ皆さんと一緒に死の意味を考えていきたいと思います」(福岡氏)

【データ】
事前予約:必要(当日に空きがあれば予約可能)
体験時間:約15分
(6)河森 正治「いのちめぐる冒険」
『マクロス』『アクエリオン』シリーズで知られるアニメ監督・河森氏は、「いのちは合体・変形だ!」をモットーにVRや立体音響を駆使した展示を実施。幕に映し出される映像や振動で臨場感たっぷりな体験に浸れる「ANIMA!」や音楽プロデューサー・菅野よう子氏が音楽、声優・坂本真綾氏がナレーションをそれぞれ担当する「超時空シアター『499秒 わたしの合体』」など、ダイナミックな展示が見どころ。

「たくさんの命、多様な命、人間だけではなくいろんな生き物の命がどんな形でつながり、共鳴し合っているのかをテーマにしております。命は合体・変形だというコンセプトでそれを表現しております。直接体験していただかないと伝わらないものなので、ぜひ来場して体験していただければと思っております」(河森氏)

【データ】
事前予約:必要(当日に空きがあれば予約可能・一部エリアは自由入館)
体験時間:すべて見ると約50分
(7)小山 薫堂「EARTH MART」
放送作家や脚本家をはじめとし幅広く活動する小山氏が手掛ける展示は、「食」がメインテーマ。茅葺屋根の落ち着いた雰囲気のパビリオンは「空想のスーパーマーケット」をイメージした展示構成となっており、日本人一人当たりが一生分で食べる卵の量をあらわした「一生分のたまご」や食べ物のサンプルをはかりに乗せるとその食べ物にまつわるとある数値が表示される「いのちのはかり」など、楽しく体験をしながら食や生命を見つめなおす内容となっている。

「未来に向けて人はどういう食べ方をしていけばいいのか、その食べ方に気づいていただく。これから我々はどういうふうに食べていけば良いかを考えていただくためのパビリオンです。来場した方全ての方に、25年後に受け取れる1粒の梅干しをプレゼントしようと思っております。それは25年分の時のタイムカプセルのような、そういう装置になったらいいなと思っております」(小山氏)
【データ】
事前予約:必要(当日に空きがあれば予約可能)
体験時間:約40分
(8)河瀨 直美「Dialogue Theater-いのちのあかし-」
映画作家・河瀨氏がプロデューサーをつとめる同館は、奈良と京都、廃校となった校舎を再生利用した建物がパビリオンとなっており、かつて子どもたちや教師が過ごした痕跡を感じることができる。メイン会場の「対話シアター」では、世界のどこかから参加する対話者2人による10分間の対話をスクリーンで上映し、来場者はその様子をまるで映画を観るような感覚で鑑賞できる。

「日ごとに『完成するのか?』というような、皆さまのご期待に答えられないようなネガティブな報道も出されていましたけれども、こんなに出来上がってきたんだと私自身もワクワクすることが増えました。どうなることやらと思っていたものが、4月13日に開幕する時には世界中の人たちがここに集まり、そしてリアルに集まれることを喜び合うという、豊かな日になるんじゃないかなと思います」(河瀨氏)

【データ】
事前予約:必要(当日に空きがあれば予約可能・一部エリアは自由入館)
体験時間:約50分
◇
8つのパビリオンが集まった「シグネチャーパビリオン」は、万博会場の中心部に位置する。会期中は、各パビリオンと連動したイベントも順次おこなわれる。事前予約や各種料金が必要な体験もあるので、詳細は個別のサイトをチェック。
取材・文・写真/つちだ四郎
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