「サンダル追いかけないで」…子どもの水難事故を防ぐ取り組み

サンダルバイバイおやこ条約の証書。保護者と子どもの両方がサインをして締結できる
7月20日に梅雨明けが宣言され、いよいよ本格的な夏が到来した関西。そんな夏に楽しめるレジャーのひとつが水遊びだが、海や川で起こる水難事故が増えている。
全国で起きた水難事故をまとめた警察庁の資料によると、2022年度には1346件の水難事故が起き、1346人もの水難者が発生。うち727人が死亡もしくは行方不明となっており、中学生以下では26人もの子どもが命を失っている。
7月25日は「世界溺水防止デー」として、水難事故を減らそうという取り組みが世界各国でおこなわれているが、「毎年起きている水難事故を1件でも多く減らしたいんです」と、主に子どもの水難事故を防ぐ取り組みをしているのが、大阪のNPO法人「AQUAkids safety project」の代表・すがわらえみさんだ。

スイミングインストラクターとして長年活躍してきたすがわらさん。自身がもつ情報や知識を伝えることで事故を減らそうと、2019年に子どもの水難事故を防ぐ「AQUAkids safety project」を立ち上げた。2021年にはNPO法人化し、子どもの水難事故を防ぐための活動を日々精力的におこなっている。
■ 知るだけで事故を防げる「サンダルバイバイおやこ条約」
主に学校やスイミングスクールなどの施設で講座を開くなど、さまざまな取り組みをおこなっているすがわらさん。そのなかでも、すべての人に知って、実践して欲しいと願いを込めて2020年に作ったのが「サンダルバイバイおやこ条約」だ。
条約には、「おやこのちかい:ぼく・わたしは、サンダルやぼうしやおもちゃがながされたら。じぶんのいのちをまもるため、おいかけずに、バイバイします。なくしたからってしからないでください。(できれば、ぬげにくい、あたらしいサンダルをかってもらえたらうれしいです)」とあり、子と親の署名により条約が締結できる仕組みとなっている。
「これは知っているだけで事故を防げると思って、作った条約です。サンダルを追いかけて溺れたり、流されたりしてしまう事故は水難事故全体のなかでは少ないものの、毎年必ず起きている事故です。でも、『流されたサンダルやおもちゃを追いかけてはいけない』ということさえ知っていれば、防げるものだと思います」とすがわらさん。

また、「これですべての事故が防げるとは思っていませんが、これをきっかけにして命を守る行動ができる第一歩になればと思っています。この条約は子どもと一緒に読んでサインするだけ。形にも残りますし、夏の間は目に見えるところに置いておくといいと思います」と続ける。
そして、「物を大切にすることをしっかりと教育されているご家庭こそ、しっかりとこれを子どもに伝えて欲しいです。子どもはサンダルを追いかけてはいけないということを知らないと、サンダルを大切しなければ! という判断をしてしまいます」と、命の危険が伴う水の場では、必ず物よりも命を優先するよう伝えることの重要性を指摘する。
■ 大人がすぐに実行できる事故予防はさまざま
すがわらさんは、「水難事故防止というと、ライフジャケットを入手するなど、ちょっとハードルが高いイメージがあると思います。でも簡単にできることもいっぱいあるんです」と話す。
その例として、スマホで行き先の天気を調べておくこと、また雨だった場合の予定や延期日を決めておくことも事故を防ぐ大切な行動になるという。
また、海では深いところを確認するために、大人が先に海へ入って深いところを確認するなど、大人よりも先に子どもを水に入らせないこと、ライフセーバーがいるビーチに行くなども事故を防止する観点では重要なポイントだそう。
川では子どもよりも下流に立つ、海では子どもよりも沖に立つなども有効だ。どれも実行しやすく、何気ないものばかりだが、こういった少しの行動の積み重ねが事故防止に繋がっていく。
すがわらさんは、「忙しいママさん、パパさんでもできる事故防止の方法をレクチャーしているので、講座に参加して知ってもらえたら。でも、まずはサンダルバイバイおやこ条約が常識になるように、10年、20年かけて伝えていきたいです。そして1人でも多くの人に水のレジャーを存分に楽しんで欲しいなと思います」と呼びかけた。
◇
「サンダルやおもちゃを追いかけてはいけない」ということを知っている人が増えることで、実際にそういう場面に遭遇したとき、声をかけて止めに入ることもでき、救える命を増やすことができる。この夏、水のレジャーを楽しむ予定がある人も、ない人も、ぜひ覚えておきたい。

「サンダルバイバイおやこ条約」の条約証書は、同法人の公式サイトから無料でダウンロードが可能。そのほか『AQUAkids safety project』では、講座の開催やYouTubeで動画の配信、さらにはスポーツ用品店「スポタカ」(大阪市中央区)に所属しているプロサーファー選手とコラボし、水難事故防止の取り組みとして『サンダルバイバイ』のステッカーをサーフボードに貼りSNSに投稿するキャンペーンなど、さまざまな取り組みをおこなっている。
取材・文・写真/野村真帆
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