無印良品やロフトなど、デザイン界の巨匠・田中一光の作品集結

田中一光が手掛けた「西武百貨店」の包装紙のデザイン
「無印良品」や「LOFT」のロゴ、「西武百貨店」の包装紙・・・シンプルでありながら鮮烈な印象を残すこれらのデザインを手掛けた田中一光の企画展『田中一光 デザインの幸福』が、「奈良県立美術館」(奈良市)で開幕した。
20世紀を代表する、世界的なグラフィックデザイナーである田中一光(1930〜2002)。同美術館の深谷聡学芸員は、「田中一光の作品をまとまってご覧いただける機会はなかなかありません。前回(2020年に新型コロナのため会期途中で閉幕)のリバイバルの思いもありますが、奈良出身の一光が、これだけの仕事をした人物だということをぜひ知っていただきたい」と力を込める。
グラフィックデザイナーとして、クライアントからの依頼制作だけでなく、自主制作もおこなった一光。アートディレクター・プロデューサーとしての顔を持ち、さらには、デザインの枠を超え、異なる分野の人と人とを繋ぐ場づくりといったオーガナイザー的な仕事もおこない、とにかく仕事が早い人物だったそう。
本展では、浮世絵を彷彿とさせる代表作『Nihon Buyo』と『写楽二百年』から始まり、6章構成で合計182点の作品から幅広い一光の仕事を知ることができる。冒頭に挙げた「無印良品」などだけではなく、「海遊館」(大阪府大阪市)や地元の「奈良テレビ放送局」、「奈良教育大学」のロゴをはじめ、日常のどこかで一光の作品を目にしたことがあるはずだ。

幼い頃から奈良の歴史と文化に親しんで育ち、学生時代を京都で過ごした一光は、伝統芸能や琳派などの伝統美術に影響を受け、日本の美意識をモダンデザインに取り込んだ。文字や色への感覚も鋭く、鮮やかなのにポップ過ぎない朱のような赤や緑青のようなグリーン、紫がかったグレー、重く厚い漆黒など、日本の伝統色のような「一光カラー」にも注目したい。
深谷学芸員は一光の魅力について、「50年代の作品と90年代の作品、30年の開きがあっても、どちらも現代の作品のように見えます。言葉で表現しにくいのですが、その時代を感じつつ、でも時代を感じさせない。そして捉えどころのないものをイメージとして固め、アイデアとして展開していく。なぜこんなことができたのだろう? 不思議だなと思います」と説明する。
今もなお世界のデザインに影響を与え続けており、本展の最後には、ファッションデザイナー・三宅一生とのコラボ全6シーズン(最新の2023年コレクションまで)をすべて観ることができる。単に模様をプリントしただけではない、グラフィックそのものを立体の服のデザインに落とし込んだ作品は、まさに「作品を纏う」と言えるだろう。会期は6月11日まで。一般1200円ほか。詳しくは公式サイトにて。
取材・文/いずみゆか
開館50周年記念 特別展「田中一光 デザインの幸福」
会期:2023 年4月22日(土)~6月11日(日)
時間:9時~17時(入館は16時30分まで)※月曜休
会場:奈良県立美術館(奈良県奈良市登大路町10-6)
料金: 一般1,200 円/大・高生1,000 円/中・小生800 円
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