大阪でこんな時代に新しい劇場、地域に愛される商店街での挑戦

大阪・福島に「聖天通劇場」を立ち上げた永井秀樹さん
新型コロナウイルスの状況に翻弄されながらも、この時代に求められる芸術や劇場のあり方を模索し続ける関西の小劇場を紹介する本コラム「未曾有の事態、関西の劇場の挑戦」。今回は、コロナ禍のさなかに劇場の建築を決め、3月初旬にオープンを果たした、28席の小劇場「聖天通劇場」(大阪市福島区)を紹介する。
取材・文/吉永美和子
■ きっかけは家業、「いつの間にか」誕生した劇場
JR福島駅の北側に広がる「聖天通商店街」。数多くの飲食店が立ち並ぶその一角に、真新しい黒いビルが凛と建っている。訪れた日はオープン前で、劇場の内覧会がおこなわれていたが、演劇関係者らしき人たちに混じって、明らかにご近所さんと思われる年配のご婦人方が、物珍しげに入口を覗き込んでいる風景も見られた。

「『近所の方が見に来てくれたらおもしろいね』という話はしていたんですが、本当に来るとは思わなかったです。母親の友だちが数人来て『息子さん? お母さんとは仲良くしててんでー』と言われたりして・・・」と笑うのは、この劇場のオーナー・永井秀樹さん。平田オリザ主宰の劇団「青年団」に所属し、長年東京を拠点にしていたが、もともとはこの界隈の出身だ。
エンタメに逆風が吹き荒れるなかで劇場作りを決意するとは、さぞかし強い使命感や心意気があったのだろう・・・と思いきや、永井さん本人は「壮大な夢とかはなく、いつの間にか劇場を作ることになってしまいました」と、非常にゆるいきっかけだったことを明かす。

「急に実家を継ぐことになって、大阪に戻ってきたんですが、20年ぐらい稼働していないビルを所有していたんです。このままだと固定資産税が大変なので、新しくなにか作ろうということになって。最初は、テナントが入るような建物にしようと思っていたのに、いろんな人と相談するうちに『じゃあ、劇場にしよう』という話になって・・・1番もうからない選択をしてしまいました(笑)」。
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