朝ドラで発言「さぶいぼ」、関西人でも知名度ギャップあり?

「さぶいぼ」、どういうときに使う?
「空」に魅入られたヒロインが、航空の世界に足を踏み入れ成長する連続テレビ小説『舞いあがれ!』(NHK朝ドラ)。物語の舞台が東大阪ということもありリアルな関西弁が感じられる同作だが、10月19日に放送された第13回では「さぶいぼ出た」というフレーズが登場した。
「さぶいぼが出る」とは、関西圏の方言で「鳥肌が立つ」の同義語。作中で登場すると、SNSを中心に「関西以外の人、さぶいぼ分かるん?」「さぶいぼって鳥肌のこと?」などの声が上がり、地域間での知名度の差がうかがえる。・・・が、考えてみると、関西生まれの筆者であっても実際に日常会話で耳にする機会はとても少ない。
■ 令和の現代では、関西でも使用頻度が激減
方言や日本語について研究する奈良大学の岸江信介教授によると、「さぶいぼ」の歴史は意外に古く、明治時代の大阪ですでに使用されていたとか。
しかし令和の現代では使用頻度は激減しており、2022年に全国各地の大学生850人を対象におこなった調査(奈良大学国語学ゼミ調べ)によると、「主に寒さや恐怖を感じた時に起こる、毛穴が引き締まることで肌がブツブツになる現象を、なんと呼びますか?」という質問に対し「さぶいぼ」と回答したのは51人で、残りの大半が「鳥肌」を使っていることがわかった。

「関西ではかつて『さぶいぼ』が主流でしたが、それは30年ほど前の話。若者は使わなくなってきているようです。現代だと、50代以上の世代がよく使うのでは」と分析する岸江教授。同作で「さぶいぼ」というフレーズが出たのは1990年代初頭と今から約30年ほど前のことなので、調査結果とも合致していることがわかる。
ちなみに調査では、大学生であっても関西圏では37人が「さぶいぼ」を使っていると回答しており、根強い「さぶいぼ」ユーザーが残っているようだ。
■ 「感動」の鳥肌、「興ざめ」のさぶいぼ
さらに注目したいのは、「さぶいぼ」と「鳥肌」の絶妙なニュアンスの違いだ。「鳥肌」は恐怖や寒さ、ときには強く感動を覚えた際にも使用されるが、感動した際「さぶいぼ」を使用する人は少ない。
一方で「さぶいぼ」は面白くない冗談やギャグを耳にし、「しらける」「興ざめだ」という気持ちを表す際に使用されるが、同じ場面で「鳥肌」をあまり使わないことから、細かな意味合いが異なることが分かる。
朝ドラでも、ヒロインの父・浩太(高橋克典)が経営する工場が苦境におちいり、友人である勝(山口智充)が浩太を熱い言葉で励ます際、浩太が照れ隠しで「何、気色悪いこと言うてんねん」と口にし、勝の妻・雪乃(くわばたりえ)が「今、さぶいぼ出たわ」と応じる場面で登場した。
岸江教授は、「共通語の『鳥肌』は、元々使用されていた『寒い・驚いた』にくわえて感激した時にも使用されるなど『用法の拡張』があったものの、関西圏の『さぶいぼ』ではその現象が起こらなかったのかもしれません。その結果、どちらも共通点はありつつ、微妙に違いが生じた可能性もあります」と、2語の違いを考察。
また調査では、「寒さを感じたら『さぶいぼ』、恐怖を感じたら『鳥肌』」など独自の使い分けをしているパターンもあったそうで、そもそも「さぶいぼ」の解釈が人によって異なる可能性もある。
もし周囲で「さぶいぼ」を使っている人を見かけることがあれば、「どういう意味で使ってる?」と聞いてみても面白いかもしれない。
取材・文/つちだ四郎
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