中山優馬&池田純矢が即興でつむぐ音楽劇「完成形に向かってる」

舞台『砂の城』に出演する中山優馬(左)と、作・演出を手掛ける池田純矢(右)
重厚な文学作品からパワフルなロックオペラまで、さまざまな舞台に精力的に出演する中山優馬。親交の深い俳優・池田純矢が作・演出を務めるユニット「エン*ゲキ」の新作『砂の城』では「即興音楽舞踏劇」という、新しいジャンルの演劇に挑む。中山と池田の会見が、9月30日に大阪市内でおこなわれた。
■ 決まりごとがない「大航海に行くようなもの」(中山)
架空の王国を舞台に、王位継承をめぐるダークな人間模様を描いた物語を、即興の歌と踊りで見せていくという、非常にチャレンジングな舞台。池田は「全33公演で、33通りの舞台が繰り広げられる、なかなかない試み。それが実現可能なシステムを考えました」と自信を見せる。

音楽は、最低限のルールを手がかりに、生のピアノ演奏と俳優が息を合わせながら、その場でメロディをつむぎ出すインプロ形式。なので、ダンスにおいてもあらかじめ振付を準備しておくことは不可能。しかし中山は、稽古を通して「もちろん失敗もあるけど『これは失敗じゃなかった』という状態になったときの、パワフルさはすごい」と、すでに手応えを感じていると言う。
決まりごとがない分、収集がつかなくなるのでは? という不安についても「たしかに大海原に大航海に行くようなものだけど、決まった音とか一小節などの、ブイみたいなものが途中に置かれてるんです」と、作品のシステムを解説。「その間どれだけ航海しても、ブイの所まで戻ってくれば、また全員で一緒の方向に向かえる。アドリブではなく『即興』として成立させるシステムのおかげで、全体像が見えつつあります」と、その楽しさを語った。
■ 「すごく難しいオーダーをしている」(池田)
池田の脚本は、いわゆる「楽しませてくれる」系の、正統派のエンターテインメントが多かったが、今回は「自分が恥ずかしい、汚いと思う部分を描いた」と発言。中山も「人間の本質や、セクシャルな部分が描かれていて、今までの池田純矢作品とは違う」と異質さを語るとともに、自分が演じるテオについても、ハードルの高さを感じていることを明かす。

「本当に不思議なキャラクター。稽古場に入ってから『なるほど、こっちか!』と思うことがたくさんあって、すごく難しいです」と本音を語ると、池田も「まっすぐ演じてしまうと、おそらく曲解されてしまうし、本質が伝わらない。すごく難しいオーダーをしているけれど、まちがいなく完成形に向かっているという安心感はあります」と期待を込めた。
そして大阪公演に向けて、中山は「まだ世のなかは苦しい時期だけど、そこから少しでも離れられる時間と価値を提供できるようにしたいし、新たな挑戦を見届けてほしい」、池田は「人は1人じゃ生きていけないというのが、みなさんと共有したい1番の気持ち。お客さんとしっかりつながって、同じ景色を観られたらいいなあと思います」と、それぞれ呼びかけた。
中山と池田のほかには、岐洲匠、夏川アサ、升毅などが出演。10月の東京公演を経て、大阪は11月3日~13日に「ABCホール」(大阪市福島区)で上演。チケットは8800円で、現在発売中(一部完売の回あり)。
取材・文・写真/吉永美和子
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