お笑いコンビ・ラランド、肩書きを捨てて挑む「大阪進出」

中央写真左から、ラランドのサーヤ・ニシダ
2019年の『M-1グランプリ』では、事務所に所属せず「アマチュア」として準決勝に進み、鮮烈なメディアデビューを果たした、お笑いコンビ・ラランド。東京を拠点としていたなか、異例の「大阪進出」を宣言した2人に話を訊いた。
『M-1』当時、ボケのサーヤは広告代理店に務める会社員で、ツッコミのニシダは上智大学に在学中。「異色コンビ」としても注目を浴びることになった。その後もスタンスを変えず活動を続けていたが、ついに2021年3月、2人の学生時代の友人をマネージャーに迎え、個人事務所「レモンジャム」を設立。同時に、「大阪進出」を発表した。
そんな宣言から早4カ月。関西ローカル番組でも徐々に頭角を現し、今回は『スローでイージーなルーティーンで』(毎週平日14時45分〜・カンテレ)で2度目となる生放送MCという大役の後、多忙を極める2人に会うと、既に関西を楽しんでいる様子だった。
「先輩芸人の方たちも『めっちゃいいな』って」(ニシダ)
──生放送MC、お疲れさまです。前回に比べてリラックスできましたか?
サーヤ:はい! 本当に、関西の番組はのびのび出来るんです。自分たちの喋りをがっつりやらせてもらいつつ、スタッフさんが、ちゃんとアジャストしてくださる感じがうれしいというか・・・。
ニシダ:関西の番組は楽しいですね。まず自由度が高いです。
サーヤ:そしてどこの現場にも、どうボケても立ち回れるスタッフさんがいらっしゃる(笑)。「まだいかないの?」って顔をされてたり。あと、「間」の使い方にも本当に感動します。
──今年の3月に宣言された「大阪進出」についてですが、そもそも、お2人はお生まれもですし、これまで関西にはあまり触れてこられなかったと思うんです。
ニシダ:僕は山口生まれで育ちは神奈川、今の実家は鎌倉にあって、ドイツのビュッセルドルフやスペインと海外に住んでいた時期もありましたし・・・大阪とはかなり遠いところにいましたね。
サーヤ:私は東京の八王子生まれなんですけど、幼稚園の頃から、近所のレンタルビデオショップで『ごっつええ感じ』を毎週1本借りて見る、っていう生活で。親がすっごいお笑い好きで、基本お笑いはみんなで見ていましたね。だから、関東より先に関西のお笑いから入ったって感じなんです。
──「笑い」のベースは関西だったんですね。東京のメディアにも順調に出始めているなか、どのような経緯で今回の宣言に至ったんでしょうか。
サーヤ:会社員と平行してテレビのお仕事をいただいていたときは、「代理店風の一言」みたいなポジショントークを求められることも多くなって・・・。東京のテレビでこのまま「二足の草鞋」という、ふんわりしたキャラ設定でずるずる行ってしまうことが怖くなって、まじでやめたいなって思っていて。なので進出というより、大阪に「逃げてきた」っていう感覚です。
ニシダ:関西の先輩芸人の方たちも「めっちゃいいな」って言ってくれました。
サーヤ:「えらいな、そっち(東京)のぬるま湯にいたらいいのに」とか(笑)。あと、本当に飛び込みだったので、宣言した方がお仕事もらえるんじゃ? と思ったのもあります。
「関西は、ちゃんと『人間』を見てくれる」(サーヤ)
──2度の大学中退や仕事においても度重なる遅刻で、サーヤさんから「社会不適合者」「クズ芸人」とも言われているニシダさんですが、大阪芸人でいうと、バラエティ番組『座王』でご一緒された千原ジュニアさんにかなりハマっていると噂で聞きまして・・・。
ニシダ:僕、(千原)ジュニアさんに、タメ口でいいって言われてるんですよ。一昨日くらいも、ご一緒したネタ番組終わりに「お疲れ、ありがとね」ってライン送りました(笑)。「緊急事態宣言延びたけど、いつか飯食いに行こうね!」って。
サーヤ:そう、死ぬほどハマってるんですよ。ジュニアさんは売れすぎて、感覚がバグっちゃってるんで・・・。いつか我に返ってブチ切れてほしいです。『マルコポロリ』(カンテレ)でも、東野(幸治)さんが「ニシダくん、それどゆこと!?」って食い付いてくださったり。関西は、キャラクターだけじゃなくて、ちゃんと「人間」を見てくださる方が多く感じます。
ニシダ:そういった仲でいてくださって、本当にありがたいです。東京のレギュラー番組で毎週会う(かまいたちの)濱家さんとかも、やさしいですし・・・。
サーヤ:関西から東京に出られて、東京に馴染めなかった時期を経験している先輩方は、すごい気持ちをわかってくださるみたいで。ちょっと言ってスベっても、濱家さんや(千鳥の)ノブさんは、取り返すような空気感を出してくれたりしますね。

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