月組・月城かなとの麗しさと芝居センスで、名作に新たな輝き

軍服が映えるラッチマン(月城)と、マハ・ラジアの姫であるカマラ(海乃)のひと夏の恋が「まことの愛」に。複雑な心模様の物語は大人の味わい
立っているだけで香気を放つような、クラシカルな魅力をもつ宝塚歌劇団月組男役スター・月城(つきしろ)かなと。彼女が主演する『ダル・レークの恋』が、2月の東京公演を経て、3月14日より「梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ」(大阪市北区)で上演されている。
1959年に春日野八千代演出・主演で初演され、麻路さき、瀬奈じゅんの主演でも上演された菊田一夫による不朽の名作、14年ぶりの再演。物語は、王族たちの避暑地・インド北部のダル湖畔で始まる。
高貴な身分のカマラと、素性の知れない騎兵大尉ラッチマン(月城かなと)との恋は、貴族の名誉を守るためにカマラがとった行動から、すれ違いを重ねていく。
酒井澄夫監修、谷 貴矢潤色・演出により再構築された今回は、新たに「水の青年」や「水の少女」が、湖の水面のように揺れる男と女の機微をダンスで表現し、効果的な流れを生み出した。
これまでも、その美貌と柔らかな声質の歌声、丁寧な芝居で安定感ある舞台を届けてきた月城。愛の深さゆえの苦悩と無頼漢じみたふるまいを交互に見せるラッチマンは、男役としての技量が試される大役だが、その気負いすら感じさせず自然に演じている。心の渇きを抱えつつ、男の正義感や誇りを凛と表現する芝居センスはさすがで、名作の素晴らしさが伝わってくる。
カマラを演じる海乃美月(うみの みつき)は、しなやかな肢体を活かした美しい所作、貴族の立場と愛の狭間で葛藤する演技を見せ、作品の麗しい世界観を押し広げる。

また、東京では暁 千星(あかつき ちせい)が演じたパリの詐欺師・ペペル役を、若手男役スター・風間柚乃(かざま ゆの)が役替わりで演じた。ラッチマンに勝負を挑むなど裏社会で生きてきた強さと、愛嬌ある明るさを巧く見せて好演。
同じく役替わりでカマラの従兄弟・クリスナ役を演じた夢奈瑠音(ゆめな るね)は、豪華な衣装に負けない貴族の包容力を表出。蓮つかさは貫禄とユーモアあるラッチマンの父親などを演じ切った。
フィナーレでは、「真珠のデュエットダンス」として語り継がれる名場面は残しつつ、パーカッションのリズムが印象的なエネルギーあふれる新たなシーンが次々と展開。地響きを感じるような迫力が押し寄せてくるよう。客席から手拍子が沸き起こった若手だけの群舞も、清々しい勢いを感じた。公演は3月21日まで。
取材・文・写真/小野寺亜紀
宝塚歌劇 月組 グランド・ミュージカル『ダル・レークの恋』
日程:2021年3月14日(日)~21日(日)
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(大阪市北区茶屋町19-1)
料金:8000円(全席指定)
電話:06-6377-3888(梅田芸術劇場)
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