1万匹のイワシ、漁港から海遊館へ「繊細すぎる」お引っ越し

カタクチイワシやマイワシが泳ぐ「チリの岩礁地帯」水槽、搬入後の様子(5日・海遊館)
大阪の水族館「海遊館」(大阪市港区)が5日、「妻鹿漁港」(兵庫県姫路市)から同館内「チリの岩礁地帯」水槽に、カタクチイワシ約1万匹を搬入。飼育員約10人がかりで繊細なイワシを元気なまま届けた。
北海道から九州南岸まで広く分布し、沿岸域の海面近くに大きな群れを作り生活するカタクチイワシ。巻き網や地引き網などで漁獲されるが、その際に鱗が剥がれ弱ってしまう、「鰯」という名の通り非常にデリケートな魚だ。

そんなイワシを搬入するのは、想像以上に大変な作業だったという。まず、水を循環させながら走行し、水温調整ほか酸素を供給できるシステムを備える同館のトラック(活魚車)で漁港から輸送。「海遊館」に到着後、カタクチイワシを傷つけないよう、水ごとバケツですくい、慎重かつ丁寧にトラックから移動用のボックス型水槽に移す。
そして、イワシが泳ぐ「チリの岩礁地帯」水槽のバックヤードが7階という点が、縦型施設の同館ならでは。ゴロゴロと飼育員がボックス型水槽を押しながらエレベーターで上がり、来館客がいる展示スペースを一時通り抜ける(居合わせた人々は「なんだなんだ?」という表情に)という大移動、これを急ぎ足で約10往復。
さらにボックスからまたバケツで水ごとすくい、水槽にゆっくり慎重に投入をひたすら繰りかえし・・・とかなりの重労働だが、約10人の飼育員さんが「次いくよー!」など声を掛け合いながらバケツリレーのように連携し、カタクチイワシ約1万匹を無事搬入。水槽に投入されたイワシも最初は戸惑いながらも、右回りにグングン泳ぐ群れに瞬時に対応し、元気に泳いだ。
今年9月からカタクチイワシの担当となった飼育員の芳井祐友さんは、「搬入に携わるのは2回目で、4年ぶりでした。緊張しましたがなんとか終え、ホッとしています。カタクチイワシは群れで泳ぐ美しさやダイナミックな様子に注目されることが多いですが、自然の海ではこの群れがさまざまな海洋生物のエサとして生態系を支えていることを想像していただけるとうれしいです」とコメントした。
「海遊館」は現在、感染拡大防止のため入館は15分ごとに制限して営業。最新の営業情報は海遊館公式サイトにて。
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