評論家鼎談、外国語映画19年下半期ベストと20年注目作は?

『ジョーカー』(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics
「事件に関する思い出に違いを感じる」(春岡)
春岡「俺は、『春岡さん、またお堅いところいって』とか言われそうだけど、ジュリアン・シュナーベル監督の『永遠の門 ゴッホの見た未来』は外せないな。主演のウィレム・デフォーがゴッホ役として真面目に絵に取り組んでいる。シュナーベルと一緒に、撮影に入る前、ゴッホの絵を70枚とか模写して、実際に描けるようになったって。そういうのは映画を観ているとちゃんとわかるんだよ」
斉藤「シュナーベルは元々画家やしね。『バスキア』に続く“僕の好きなアーティスト”シリーズって感じ。ま、彼の映画ってたいてい伝記ものなんだけど、それならドメ・カルコスキ監督の『トム・オブ・フィンランド』が正統派だけど良かったな。LGBTQ映画の世界では前年からすごく話題になってた」
春岡「『トム・オブ・フィンランド』ってどこの国の監督?」
斉藤「主人公のペンネームの通り、フィンランド。描いている第二次世界大戦後のフィンランドは今とは真逆で同性愛とかめちゃ締め付けられてて、隠蔽した自分の欲望のままに絵を描いていたんだけど出版すれば間違いなく検挙されるし社会的立場も一瞬にして失う。で、アメリカのポルノ出版社に作品を持ち込むんだよね」
春岡「そんな時代の伝記なの?」
斉藤「ゲイアートの先駆者的な人の話で超真面目な内容だけど、画作りもすごく力がある。それとフィンランドといえば、同じカルコスキ監督がアメリカ資本で撮った『トールキン 旅のはじまり』もしっかりした伝記映画やったね」
田辺「伝記モノかと思ったらそうじゃなかった、という点で『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が個人的にはベスト候補。タランティーノのなかでトップクラスに好きです。泣けましたね。ロマン・ポランスキー監督とシャロン・テートが出てきたとき、あの惨殺事件のことをやるんだって思って、そういう心構えで観るじゃないですか。でも、そうじゃない。史実を変えていくことへの愛というか、映画だったら夢を描いていいという」
斉藤「最後、斜め俯瞰でシャロン・テートとポランスキーが邸宅の門の前に出てくるやん。いや、タランティーノってほんまにロマンティックなのねっていう」
春岡「でも、それをロマンティストねって許せるところが、シャロン・テートやマンソン・ファミリーのあの事件に関する思い出に違いを感じるなぁ。洋画雑誌を読んでいたあの当時、ポランスキーとシャロン・テート、あとマンソン・ファミリーの事件とか俺のなかに衝撃があったから」
編集部注釈※マンソン・ファミリー…カルト指導者であり犯罪者のチャールズ・ミルズ・マンソンが率いた集団。1969年に女優シャロン・テートを信者が殺害。
春岡「あと、ブルース・リーが神話化されるのは嫌だし、おそらくあんな『今日はこれぐらいにしといたろか』の人だったと思うけど、 あの扱いはいくらなんでもな(笑)」
斉藤「あれで親族が怒ってたね。でも、ブルース・リーを知る人は『あれは近い』『ホンマはああいう人やった』って。、あんな描き方はしてるけれどブルース・リー信者だから調べまくってるはずなのよ。神格化は避けてるだけで」
田辺「マンソン・ファミリーが殺しに行こうとして銃を忘れたとか。あの坂道の場面ですけど、『なにやってんだよ、お前ら』みたいな」
春岡「俺からしたら、怖いものは怖いままおいといて欲しい気持ちもあるんだよな」
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