大阪初の地味ハロ、憧れとケチの二大勢力

どう見てもハロウィンイベントとは思えない雰囲気。これが地味ハロウィンだ(26日・大阪市中央区)
とにかく「地味」な仮装で楽しむハロウィンイベント『地味ハロウィン』が10月26日、大阪で初開催。笑いに情熱を燃やす関西人による「地味」な仮装は、どんなスパイスがきいているのか。記者も地味な仮装をして潜入取材をしてきた。
そもそも「地味ハロウィン」とは、「どこかにいそうなあの人」や「みんなが知っているあのシチュエーション」といった地味な仮装を楽しむハロウィンイベント。2014年に東京で初開催され、以降イベント当日はツイッターのトレンドを独占し盛り上がるなど、新たなハロウィンの楽しみ方として定着しつつある。
大阪初となった地味ハロウィンの主催は、大阪・難波にある1日店長&イベントができる間借りバー「イベントバーエデン難波」(大阪市中央区)の店長・イカ子さん。もともと本家の地味ハロウィンのファンだったそうで、生みの親であるWEBメディア『デイリーポータルZ』の「地味ハロウィンはどんどん開催してください」という記事を見て、「大阪の元祖になりたい!」と意気込み、開催に至ったという。当日は20時頃には満席に。席数15名の小さなバーが、地味な仮装の人々でいっぱいになった。

大阪の地味ハロウィンは、主にこんな形で属性が分かれた。
●地味ハロウィンが好きすぎて気合いを入れまくった人
「葬式にとつぜんやって来た非常識な親戚」に扮した女性は、「ずっと行ってみたい・・・!」と思っていたといい、仮装を考えて1人で来店。ドキドキしながら来たが、ドアを開けたら「仲間がたくさんいる(笑)」と安心したのだとか。「保安検査2回目」の男性も東京の地味ハロウィンのファン。わざわざアマゾンで「保安検査で使うあのカゴと金属探知機」を購入したそうだ。

●お金をかけずにアイデアで勝負した人
「自販機で熱すぎるコーヒーを買っちゃった人」は、はっきり言って缶コーヒーを購入しただけ。しかし、表情と持ち方で、見事に地味な仮装に。脱毛店員さんが、自分の店で片足だけ脱毛してきたという体を張った仮装も。「なんばによくおる人」は、「仮装は300円以内」とマイルールを決めて挑んだという。

そのほか、当日ツイッターで大阪地味ハロウィンを知り、急遽堺からやってきたという男性は、家の中のものをかき集めて「夜行バス降りた人」を表現。「菅田将暉に似せている大学生」になろうとしたがあまりにも似てなかったため、「菅田将暉になろうとしたがなれていない大学生」に方向転換したという男性や、「地味ハロウィンがよくわからなかった人」という「まんま」な仮装の男性もいて、なんだかこそばゆい。失敗(スベる)という基準が地味ハロウィンにはないのだと思う。
結果、この日は「東京の地味ハロウィンに憧れていた人」と「お金をかけずにどこまで勝負できるか」という2大勢力が目立った。この縮図、なんだか大阪っぽい・・・。
◆通常のハロウィンとの違いは「日常のストーリー」
聞き込みをすると、今までハロウィンに参加したことがある人はほぼいなかった。「ハロウィンのコスプレを見て心の奥で舌打ちしていました。本当は参加したいんですけどね」と、参加者の多くが振りかえる。思えば「仮装する」「写真を撮る」「他人も巻き込んで楽しむ」という点は通常のハロウィンと変わらない。根底にあるものは同じなのだろうか。
しかし、「地味ハロウィン」は1人での参戦も多いようだが、初対面でも仮装についてツッコんだり即興でコラボしたり、会話が尽きることなく楽しそうだ。参加者に通常のハロウィンとの違いを聞くと、「魔女やゾンビ、アニメキャラなど派手なハロウィンは『非日常』という感じがするけど、地味ハロウィンは『日常』の切り取りが仮装に現れる。背景のストーリーで盛り上がれるのが楽しいですよね」と話す。

実際に潜入し、「地味ハロウィン」とはお金や時間をかけずに発想力で勝負する、いわば「仮装大喜利」なのではと感じた。大阪では31日に「週間マガリ」(大阪市北区)でも開催。非ハロウィン族のみなさん、今年こそハロウィンデビューしてみては?
取材・文・写真/小田切萌
『地味ハロウィン2019@大阪 お酒は地味じゃないよ』
日時:2019年10月31日(木)・19:00〜23:00頃
会場:週間マガリ(大阪市北区天神橋1-11-13)
料金:1500円(2ドリンク付)※イベントサイトで申込
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