草彅剛、クズすぎる主人公を熱演「ここまでしつこい役は初めて」

3週間の期間限定で現在上映されている、草彅剛主演の話題作『台風家族』。『箱入り息子の恋』(2013年、星野源・夏帆主演)の市井昌秀監督が、12年間ずっと温め続けてきたという家族をテーマにしたオリジナル・ストーリーで、市井監督は遺産の独り占めを画策する主人公の長男・小鉄役に、草彅を想定して脚本を書いたという。初めてといっていいほど、クズ過ぎる役に挑んだ草彅に話を訊いた。
取材・文/春岡勇二 写真/木村正史
「自分を出し過ぎると、間延びした感じになってしまう」(草彅剛)
──市井監督が12年間温めてきたオリジナル作品で、監督は、主人公の「小鉄」はすでに草彅さんのなかにいるんだと、最初から草彅さんを想定して、草彅さんありきで映画化が進んだと聞いているのですが、現場での様子はどうだったのですか?
確かに、監督の「圧」はスゴかったです。それに対して僕は、「早く帰りたいなあ」って思ってました(笑)。去年の夏に栃木県で撮影していたんですが、なにしろ記録的な猛暑で・・・。「どうしてここをロケ地に選んだの!?」って怒りまで覚えて。その怒りが小鉄の人格に反映されている気がします。
──ホントですか(笑)。
暑かったのはホントです(笑)。ただ、今回、監督から最初に「草彅さんの小鉄が観たい」と言われて、その言葉が撮影中もずっと僕のなかで響いていたのもホントです。それで、暑さへの怒りでもなんでも、ともかく僕自身の現場で生まれた感情を役にぶつけよう、あまり事前の作り込みはせずに、その場で感じた感情に従って、それを溜めこんだり爆発させたりして演じてみようというのはありました。

──この小鉄という人物、親の遺産を独り占めしたいと考えている、いわばクズ男のように描かれているのですが、初めに脚本を読まれたときはどう思われましたか?
ちょっと驚きました。ここまでネチネチとしつこい男を演じるのはたぶん初めてでしたから(苦笑)。また、折れないんですよね。僕だったら兄弟とここまで揉めるんだったら自分から折れていくと思うのですが、小鉄は折れない。そういうところに妙に感心していってたら、だんだんと面白い役なんじゃないかと思えてきて。小鉄の「小」っていうのも、小さいことにこだわる奴とか、小ずるい奴とかっていう意味もあるのかなって、そんな風にシナリオを読みこんでいくうちに、やりがいを感じていきました。
──実際に演じてみていかがでした?
面白かったですね、難しかったですけど。これまで演じてきた役は、役柄の人物像はともかく、置かれた環境というか世界観が、僕の普段の生活とはかけ離れたものが多かったのですが、今回は状況は特殊でも描かれるのは遺産相続であったり、家族との関係であったりで、いわば誰でも経験することじゃないですか。身近な問題と言うか。あたふたすることにもリアリティがありますよね。だからより自分を出して、自分の体験として演じなきゃならない。でも、あんまり自分を出し過ぎると間延びした感じになってしまう。その見極めというか、匙加減。やはり身近な世界の方が難しいなって改めて思いました。
──では、小鉄を演じる上で特に注意されたこととかありましたか?
先ほども言ったように、現場にはあまり作り込んで行かず、その場の感情で、というのはあったのですが、今回は、周りの俳優さんたちが優れた人ばっかりだったので、現場で一緒に演じていって、周りの俳優さんたちのおかげで僕も小鉄になっていくことができたっていう感じでした。特に娘役の甲田まひるちゃんには助けられました。

──具体的に言うと、どんな感じだったのでしょう。
彼女の、父親である僕を見る冷たい目ですね(笑)。娘からあんな目で見られたら嫌だろうなって何度も思いましたから。あの時点で、小鉄は娘からああいう目で見られる父親なんだってことですよね。彼女はモデルさんであり、ジャズ・ピアニストとしても活動している人で、演技はこの映画が初めてだったのですが、すごく勘が良かったです。
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