白石和彌監督「アイドルでアングラ映画」

「あのシーンをやるだけのために作ったようなもん」(白石監督)
──やっぱり彼女がNGT48だってことは関係してるんですね。
最初に企画をもらったときはまだAKB48だったんですが、「じゃあ始めようか」となったときにNGT48に移籍という話になりました。結構時間はかかりましたが、その時間も重要だったなと思います。
──若松映画って、だだっ広いところでロケーションしながらも観念的には密室であるというのがひとつの特徴ですものね。
今回、それは踏襲していますね。でも、若松さんの映画というのは、あくまでもアングラな人たちでアングラな映画を作る、じゃないですか。そこを、トップアイドルを使って、今なかなか作ることができないアングラ映画をやったらどうだろうか、という裏テーマがあります。全裸は無理ですが、ひとつの実験ですね。だから必然的に雪国へ行った瞬間に逃げるシーンを作って、もちろん安全な範囲内でですが、できるだけ酷いことをしようと思いましたけどね(笑)。

──それにしても北原さん、頑張ってますよねぇ。身体張ってるってだけじゃなく、1本の映画のなかでとんでもなく変化もするし。
頑張ってますよ。歴代の僕の映画でもこんなに肉体的に頑張った人いないんじゃないかな?
──素っ裸にするのは無理、って言われていましたけど、ある意味近いところまでいってますもんね。
そうですね。秋元(康)さんは「脱ぐくらいの覚悟は持ってると思うよ」と言ってましたけど(笑)。そのぐらいの覚悟でやらせますから、という意味だとは思いますが。「白石さんの世界観でやってくれれば・・・」みたいな感じでしたね。横から口出しされるとかはまったくなく、完全にお任せでした。
──途中、覚醒した彼女があんまりスゴいことを言うからビビりましたよ。ギャンブル依存症の女性に「ミサイルがどうの・・・」とか(笑)。
怒られたら変えたらいいかと言っていたんですが、それが全然大丈夫でした。
──話はちょっと戻りますが、「密室」というと、髙橋さんの監督作『ある朝スウプは』(2003年)も密室の映画でした。しかも、新興宗教まで絡んでたし。監督のデビュー作『ロストパラダイス・イン・トーキョー』(2010年)やWOWOWドラマ『人間昆虫記』(2011年)でも髙橋さんとは組まれてましたけど、いつからお知り合いなんですか?
僕が「助監督辞めてそろそろ監督になりたい!」というときに、「IMJエンタテインメント」という制作会社の社長に「じゃぁ、うちに来て企画開発してよ」と言われて、2年間くらいお世話になってたんですね。今は「C&Iエンタテインメント」と改称していますが、原作読んで、感想言って、プロット書いて、映画観てきますって、それで給料をもらっていた奇跡の2年間がありました(笑)。髙橋くんはその会社のエージェントで、馬が合って仕事するようになりました。

──でも、髙橋さんとしても久しぶりに「これぞ髙橋泉」という内容ですよねぇ。脚本家としては、最近もっぱら青春映画がメインですから。僕は今もまだ「群青いろ」(註:廣末哲万とともに結成した映像ユニット)の人という意識しかないんで。
そもそも歪んでいる人ですからね。知り合ったのも『14歳』(2007年「群青いろ」作品)の頃です。
──映画の作り方にしても、集団的というか、いわゆる既存のシステムから外れた撮り方をしている人なので。こりゃあ久しぶりに爆発したなと思ったんですけど。それと同時に、『サニー』って連合赤軍と明らかに重なってるじゃないですか・・・というか、「群青いろ」常連の並木愛枝さんが永田洋子役を演った若松監督の『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2008年)のパロディみたいになっていく。
「総括キタコレ」っていうのがね(笑)。
──いやあ、あれには痺れましたねえ!!!
あははは! それ、狙っていますからね。あのシーンをやるだけのために作ったようなものです。というか、あれを思いついたときに、「ああ、これは連合赤軍なんだ」と気付いて、「総括」に替わる言葉がなにかないかなって思って、僕が「キタコレ」にしようって。
──お見事ですね! まあ、言葉としてはおかしいんだけど(笑)、よーく分かる。
「キタコレしろよ」って、ほぼ文脈が合ってないですからね(笑)。
関連記事
あなたにオススメ
コラボPR
-
話題の宇治・小倉エリアでハシゴ酒してみた[PR]
NEW 5時間前 -
関西の「縁起が良すぎる」手土産、新年のスタートに [PR]
NEW 2025.12.18 07:00 -
「初めてスナック行くなら宮崎」ってほんま?現地へ![PR]
NEW 2025.12.17 20:00 -
華やかスイーツ!大阪のいちごビュッフェまとめ・2026年版
NEW 2025.12.17 16:00 -
大阪のクリスマスディナー&ランチビュッフェ特集、ホテルで食べ放題・2025年版
2025.12.15 16:00 -
街歩きしながら再発見、OMOろい旅 in 小樽[PR]
2025.12.14 17:00 -
大阪・関西ランチビュッフェ2025年版、ホテルの食べ放題を満喫
2025.12.11 12:30 -
大阪スイーツビュッフェ・リスト2025年版、ホテルで食べ放題
2025.12.11 11:30 -
華やかスイーツ!京都のいちごビュッフェまとめ・2026年版
2025.12.5 14:00 -
大阪クリスマスケーキ2025年、高級ホテルから百貨店まで
2025.12.5 10:30 -
京都クリスマスケーキまとめ2025年、百貨店から高級ホテルまで
2025.12.4 11:00 -
独自の進化を遂げた「宮崎うどん」3つの謎に迫る[PR]
2025.12.3 08:00 -
大阪アフタヌーンティー2025年最新版、編集部取材のおすすめポイントも
2025.12.2 11:00 -
京都アフタヌーンティー2025年最新版、編集部取材のおすすめポイントも
2025.12.2 09:00 -
クリスマスはコスパ良く!ケーキやチキンをテイクアウト[PR]
2025.12.2 07:30 -
神戸を代表する4軒のバーで楽しむ『碧Ao』カクテル[PR]
2025.12.1 09:30 -
やなせ先生ゆかりの地で、「土佐弁」に触れる旅[PR]
2025.11.28 20:00 -
神戸アフタヌーンティー2025年最新版、編集部取材のおすすめポイントも
2025.11.28 10:00 -
狙うなら今!北海道の穴場スポットへ[PR]
2025.11.28 07:30 -
街を丸ごと遊び尽くせる、OMOろい旅 in 旭川[PR]
2025.11.23 11:00 -
Osaka Pointでおいしくたのしく大阪めぐり[PR]
2025.11.21 17:00


トップ
おすすめ情報投稿
Lmaga.jpとは
ニュース
まとめ
コラム
ボイス
占い
プレゼント
エリア









人気記事ランキング




写真ランキング






ピックアップ







エルマガジン社の本

