大森監督・井浦新・瑛太が語る「表現」

「答えは見つからないもの」(井浦新)
──なるほど。監督として役者を信頼するのは当然のことですけど、でも新さんの話なんかを聞いていると、今回の役は特にそうじゃないと成立しないですよね。
大森「まず、この『光』を作りたいと言い出したのは自分自身であるところが大きいですね。『企画が立ち上がってから俳優が決まり、最後に監督が選ばれる』という流れが多い日本映画界において、『光』のような映画は不幸にもどんどん埋もれてしまう。本当に、今は映画を作る状況が厳しいから。だからこそ自分で動いて、映画を作るとなれば、仲間として根本的に信頼をしている人たちじゃないとできないですよね。最後まで全員揃って戦い抜けるメンバーでやっていきたかったし、そういう現場の環境を作れば、あとはこの2人がちゃんと暴れてくれるだろうと。みんなで愛し合いながら映画を作りたかった」
──井浦さん、瑛太さんじゃなければいけなかったんですね。
大森「新、瑛太がやったことがこの映画では正しいんです。絶対に。僕が考えていることなんて、大して正しくなくて(笑)。2人がやってくれること、それがいいんです。そういう映画になって欲しかった」

──でも、役者さんは本当にしんどかったはず。台詞だってものすごく強度があるので、それらを口にしても全然嘘にならない芝居をしなきゃいけないですし。信之のセリフで「暴力には暴力で返す」というのがありますが、このご時勢では禁止ワード級ですよね。
井浦「(台詞に対しての)受け取り方も、演じた当時と今では自分のなかで大きく変わってきたんです。あの台詞を子どもに言っていること自体が暴力的でもありますよね。答えは見つからないものですけど、芝居をしていてひとつ感じるのは、変な感情を込めて言わなくて良かった・・・と。あの台詞は、どんな風にもでも捉えられるから」
瑛太「うん、明確な答えみたいなものを探し当てられない映画ですよね。そこがおもしろい。出演者でありながらも、僕はこの映画をすべて理解できているわけではないんです。だからこそ、観た人の反応をすごく知りたい」
大森「ただひとつ言いたいのは、『暴力を暴力で返す』という問題を、是非で問うてしまうと、この映画は見方を間違えてしまう。この映画でやりたかったのは、暴力そのものの良し悪しではなく、本能として美しく映るかどうかなんです。例えば、状況に関係なく人を愛してしまうことや、どうしようもなく暴力を振るってしまうこと、ありますよね。むしろ、社会生活のなかでは、それをなしでは生きていけない部分がある」
──愛とか暴力とか、身体が自然と反応しちゃうものですし。
大森「生物である以上、本来はそうですよね。そこに少しは光を射さないと、『どうやら俺たち、生き難くなってないか?』となるわけです。それこそ新が先ほど言っていたみたいに、そうしないと自分を汚してしまいそうな恐ろしさがあるんです。信之、輔だってそう。彼らはそのために、新しい社会や世界を目指していく。これって、すごくロマンチックなことなんですよね。そういう部分を、みんなに失って欲しくなくて。それにこの映画の新、瑛太って、すごく品がある。だから、信之、輔が美しく見えるんです」

──あ、それは役者としてはすごくうれしい言葉ですよね。
瑛太「タツさんは今、純粋さとかロマンチックという言葉を使っていたけど、普段話しているなかでは、そういうことは言わない。でも、そういう人間性が映画にちゃんと出ている。それに、タツさん自身がおもしろい人だから、すごく悲しい話でも、暴力でも、ちゃんと魅力的になるんです。タツさんが思う存分映画で遊んでくれるから、僕たち俳優も参加していて楽しいんです」
井浦「僕自身、大森作品で初めて主演を務めさせていただいたんです。それもあってか、監督は一緒に苦しんでくれた。『信之はきついよなぁ』と、キャラクターの苦しみ、演じる苦しみを一緒に感じてくれていた。今まではOKが出た後に話すことはあまりなかったんです。お互いに信頼しているから、自分のやるべきことを出してやっていたし、そのなかで抱きしめてくれる感じだった。でも今回は抱きしめながら、『信之・・・』と声もかけてくれる感じだった。この作品を経験して、大森監督のことを今まで以上に近く感じました。自分にとってそういう意味でも、印象に深く残る作品ですね」

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