工事直前、最後の「太陽の塔」公開
2016.10.7 20:00

博覧会当時に塔内で流されていた「生命の讃歌」とともにそびえたつ「生命の樹」
(写真4枚)
2018年3月の一般公開に向け改装工事が行われる、大阪・万博公園の「太陽の塔」(大阪府吹田市)。このたび、1970年の『大阪万博』当時のままの姿が報道陣に公開された。
芸術家・岡本太郎の代表作のひとつで、万博のテーマ館のシンボルとして制作された「太陽の塔」。その高さは約70メートルにもおよび、当時は内部に数々の優れた作品が展示され、わずか半年間で来場者数6,422万人という記録を叩き出した(2010年まで世界一の記録)。

普段は封印されている扉が開くと、目の前は赤一色に。すぐに黄色、緑、青とカラフルな「生命の樹」がそびえたち、その大きさと迫力に圧倒されるほど。公開された内部は、塗装がはがれ落ち、古いコンクリートやほこりの匂いが充満。切れた配線が垂れさがっていたり、飾られた生物の模型には長年の埃と劣化によって壊れていたりするものも。その光景に46年間、ゆっくりと静かに時を刻んできたことを実感する。

内覧会は9月初旬に募集され、500名(1組2人)の応募枠には大阪を中心に北は北海道、南は沖縄まで約4万通もの応募があったという。あまりの反響の大きさに急きょ、10月30日に800名枠を増やした。一般公開後は耐震強化を兼ねた改修工事に取り掛かる。当時の原型をできる限り残しつつ耐震強度を持った太陽の塔として生まれ変わる予定だ。
取材・文・写真/岡田由佳子
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