滋賀で、三蔵法師の偉業に迫る企画展

2016.9.30 15:16

《玄奘三蔵坐像》 鎌倉時代 薬師寺蔵 撮影・飛鳥園。三蔵法師のモデル玄奘

(写真3枚)

『西遊記』でおなじみ、またインターネットサイトの「有名なお坊さんランキング」で1位となった三蔵法師。遠忌1350年を記念して、その人物像に迫る『三蔵法師展 薬師寺の宝物とともに』が、10月1日から「佐川美術館」(滋賀県守山市)でスタートする。

三蔵法師のモデルとなった玄奘(げんじょう)は、薬師寺(奈良県奈良市)を大本山に持つ法相宗の始祖。中国のお坊さんだった玄奘は当時、鎖国していた中国の国禁を犯してまでも、経典を得るべくインドへ出国。往復30,000km、17年もの辛苦の旅を経て、帰国後は20年かけて莫大な量の経典を翻訳。現代の人々にとってもなじみ深いお経『般若心経』の基となる経典も含まれ、強い信念で仏教の新たな道を切り開く偉業をなした。

そんな厳しい求道の旅路が描かれた絵図や、彼の一番弟子で、その教えを基に法相宗を開いた慈恩大師坐像(国宝)など、彫刻、絵画、書跡といった薬師寺の寺宝・約70点を通して、三蔵法師の功績を振り返る内容となっている。

《西天竺経文取之図》 元治元年(1864)河鍋暁
《西天竺経文取之図》 元治元年(1864)河鍋暁斎筆 国際日本文化研究センター蔵 (展示期間10/1~10/30)。『西遊記』が当時の人々からも親しまれていたことが分かる

ほかにも、三蔵法師をモデルとした日本画家・平山郁夫の出世作「仏教伝来」が同館初公開されるほか、薬師寺僧侶の名物説法を楽しめる「ミュージアム説法」といったユニークなイベントも開催(詳細は公式サイトにて発表)。期間は11月27日まで。料金は1,000円、大学・高校生600円、中学生以下は無料(要保護者同伴)。

《大般若経 巻第一》 重要文化財 奈良時代 薬師寺蔵 撮影・飛鳥園。玄奘が生涯を掛けて翻訳した大般若経は、日本で最もメジャーなお経、般若心経の基
《大般若経 巻第一》 重要文化財 奈良時代 薬師寺蔵 撮影・飛鳥園。玄奘が生涯を掛けて翻訳した大般若経は、日本で最もメジャーなお経、般若心経の基

文/浅野はるか

『三蔵法師展 薬師寺の宝物とともに』

期間:2016年10月1日(土)~11月27日(日)
時間:9:30~17:00(入館は16:30まで) ※月曜休(祝日の場合は火曜休)
会場:佐川美術館(滋賀県守山市水保町北川2891)
料金:1,000円、大学・高校生600円、中学生以下は無料(保護者同伴)
電話:077-585-7800

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