来年1月閉店「心斎橋オーパ」、関西ファッション界をどう盛り上げた? 初売りは大行列

2026年1月12日をもって営業終了する「心斎橋オーパ」(Lmaga.jp撮影)
1994年に開業し、大阪のファッション発信地として親しまれてきた商業施設「心斎橋オーパ」(大阪市中央区)が、来年1月12日をもって閉館する。ギャル文化全盛期の2005年頃、初売りの際は約600mほど南下した場所にある「道頓堀橋」あたりまで行列ができるほど、関西のファッション界を盛り上げてきた存在だ。
◾️「カリスマ店員」が名を轟かせた2000年代

現在同館では、その31年の歴史を紐解く展覧会が実施中。2階にある展示ブースでは、さっそくギャル服を着用したマネキン4体がお出迎え。これだけでも、この時代のファッションを通ってきた人にとっては感激だが、なかでも必見なのが、同施設が歩んできた31年間を記した年表だ。


時代ごとに流行ったファッションを身にまとった女の子のイラストが印象的な年表で、1994年〜現在に至るまでの同施設の変遷や、その時代に流行ったものなどが細かく記載されている。じっくり読み込みたくなる情報量で、よく見てみると同施設は31年で何度かリニューアルをおこなっていたことや、関西初出店のブランドが多かったこと、またブランド第一号店が誕生していたことなどが分かる。

例えば、2000年は1〜7階にかけての大幅リニューアルを実施し、古着屋「ハンジロー」が登場。オープン初日から1000人超えの大行列となった。2003年には関西1号店となる「マウジー」「エゴイスト」のほか、「マテリアルガール」「スパイラルガール」などのギャルブランドが続々オープン。2006年の6階全面リニューアルの際には、全国初出店となる「リエンダ」「ダズリン」が出店。「マウジー」開店時には100人以上が列をなし、開店時間が前倒しになることも。
同施設の広報担当者は、「ギャル全盛期の2005年〜2008年ごろが、同館の最盛期だったのではないかと思います。当時の館長のコメントにもありますが、初売りのときには難波や道頓堀橋あたりまで行列ができていたことも。売り場の活気の良さ、ショップごとのスタッフたちのバチバチ感なども、当時ならではかもしれません」と話す。当時は現在の倍以上の100ブランド以上が出店していた。


まさしく全盛期の2005年〜2008年ごろに同施設で買い物していた筆者は、福袋を買いに並んだこと、憧れのブランドのショップ袋が欲しくて頑張って服を買ったこと、セール中にはスタッフがメガホンを持って大声で呼び込みしていたこと、店内では低音の効いた音楽が爆音で流れていたこと…など、この展示を通してしみじみと思い出した。
そのほかにも、2003年に「カリスマ店員も登場」とあるように、カリスマ店員がさまざまなブランドにいて、彼女たちから商品を購入したり、彼女たちが着用しているアイテムを求めてショップを訪れたりする文化があった。現在ではSNSで活躍するインフルエンサーやユーチューバーなどの影響が大きいが、当時は雑誌に登場するカリスマ店員の存在が経済を動かしていた。

◾️2020年代には「ファッション→推し活」に

その後、2008年以降は徐々にギャルの流行が下火になったことで、同施設にもファッションビルから徐々に変化していく。2022年のリニューアルでは9階が「推し活フロア」となり、アニメコンテンツやKーPOPの展覧会やポップアップショップ、コラボカフェなどのイベントが開催されるようになり、文化的な側面が拡大。
また、ファッションも推し活との親和性の高い「韓国ファッション」などが流行し、ギャルが激減。それに伴い、同施設でも現在はギャル系ショップがほとんどなくなってしまったのだそう。


◾️盛り上がりは必至…同世代との来館がおすすめ

年齢を重ね、現在は同施設で洋服を購入することはなくなってしまったが、平成一桁生まれの筆者にとって同施設は、まさに青春を過ごした場所のひとつ。同企画を通して、一気に青春時代の記憶が蘇り、懐かしさでいっぱいになった。
閉館してしまう悲しさはあるものの、同世代の友人と訪れたら当時の思い出話に花が咲き、話が尽きないと感じたので、同施設で買い物をしていた方は、一緒に買い物をしていた友人たちとぜひ訪れてみて欲しい。

「SHINSAIBASHI OPA 31st HISTROTY 〜青春とともに心斎橋オーパ31年の軌跡」は「心斎橋オーパ」2階にて、閉館する1月12日まで実施される。入場無料。営業時間は11時〜21時。
取材・文・写真/野村真帆
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