丹波の民泊で見つけた謎の虫「『ハウルの動く城』の赤ちゃんでは?」

こちらは、クサカゲロウの赤ちゃん。この愛らしい姿に和む人が続出しました(提供:さとこさん)
「この子は何という生き物でしょうか? What kind of bug?」
投稿された動画に映るのは、梅の実の上をテクテクと歩く、それはそれは小さな生きものの姿。
「かわいい〜!」
「千と千尋の炭持ってくる妖怪みたい」
「ライオンキングのプンバァに見えてしまいます!」
何かに似てる……とコメントが集まる中で、意見がたくさん集まっていたのは
「ちっちゃなハウルの動く城♪」
「ハウルの動く城の赤ちゃんですね」
確かに、見れば見るほど、「ハウルの動く城」のよう!まさに、ジブリ映画のシーンのようなファンタジーな世界観を感じます。

よく観察すると、何かを背負っている様子のこの小さな虫。「おっとっとー」なんて声が聞こえてきそうです。投稿した、さとこさん(@satoko_ki_)に、話をお伺いしました。
結局、この生きものの正体って?
兵庫県丹波市へ移住して、民泊を開業しているさとこさん。
「この日は、地域の方からいただいた大量の梅を一個も無駄にしまいと少し焦りながら梅仕事をしていました。すると『ん?ヘタ?あれ?動いている?』と梅の実の上を動くものを発見。この癒し系が現れました。この子は何という子ですか?とInstagramへ投稿すると、多くの方が反応してくれて、正体も判明!」
そう、この子はクサカゲロウの赤ちゃん!

調べてみると、「クサカゲロウに属する昆虫は日本に約40種います。一般的によく見かけるものにヤマトクサカゲロウ、カオマダラクサカゲロウ、アミメクサカゲロウなどがいますが、どれも緑色の体とレース編みのような透けた翅を持ち、緑色がかった金色の目をしています。このことから英名は『Green lacewing』や、『Golden eye』と付いています。和名は『臭蜻蛉』、『草蜻蛉』で、ふれられると臭いを発するからと言われますが、実際に臭いを発するのは数種類しかいないことが近年わかっています。
卵は3000年に一度如来が来るとともに咲くと言われる優曇華(ウドンゲ)になぞらえて「うどんげ」とも呼ばれます。神秘的な卵の期間は3日ほど、幼虫は獰猛な肉食でアブラムシなどを食べそれもかなりの大食漢なので、生物農薬として利用されることもあります。(引用:埼玉県狭山丘陵いきものふれあいの里センター)」。
成虫になるとシュッとした羽付きのスタイルになりますが、幼虫がこんなにも愛らしいのに、生物農薬として利用されることがあるほど大食漢なんて、筆者も知りませんでした。Instagramにも、正体についてコメントが寄せられました。
「アブラムシをものすごく食べてくれるいい子ちゃん」
「アリなどの天敵から身を守ろうと、カモフラージュのためにゴミや埃をまとってます」
「ゴミを付けて擬態していないと、モロ幼虫なので嫌がられますよね(笑)。ゴミの種類でフォルムが変わるので、可愛くなれるとラッキーですやん」
今回のクサカゲロウの幼虫は、なかなかのセンスの持ち主なのかもしれませんね。さらにはコメント欄に、「クサカゲロウの卵は仏教にでてくる憂曇華(ウドンゲ)と同じ呼名。ウドンゲの花は3000年に一度しか咲かないため、巡り逢えたら幸運ですので、クサカゲロウも縁起が良いとされてます」という情報も。
このクサカゲロウは、幸運を運んできてくれるという言い伝えもあるということで、「丹波での面白く温かな暮らしを見守ってくれているかのようだ」とさとこさん。さらには「田舎暮らしは、季節ごとの手しごとがいっぱいあり、目まぐるしさを与えられつつも、もっと大きな豊さを感じられる日々です」と話してくれました。
のどかな環境だからこそ生まれたリール動画ゆえに、優しいコメントであふれたのではないでしょうか。日本の古き良き風習である梅しごと中に舞い降りた妖精に、癒される人が後を絶ちません!
このような心和む自然体験ができるさとこさんのお宿。「私たちの宿は、実家に帰ったような感覚で、丁寧に育まれた旬のものを食べてもらったり、ヨガをしたり、心身を取り戻す場になったらいいなと思っています」。

取材・文/かわたまい
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