並ぶ?並ばない?大行列の万博アメリカ館「月の石」以外に何がある?

10時間前

開幕初日も列が出来てはいたが、今のような大行列とは程遠い状況だった(4月13日 大阪・関西万博)

(写真19枚)

閉幕まで10日をきった『大阪・関西万博』。入場者数20万人以上が続き、ようやく入場できても、以前は並ばずに入館できていたコモンズ館なども、入場制限かかることも。そうなると、1日に多くのパビリオンを見るのは難しく、絞り込むことが必要に。そこで、今回は常に大行列ができる人気の「アメリカ・パビリオン」の展示内容を改めて紹介する。限られた時間の中で、長時間並んでも見るか、見ないか、その判断材料にしてもらいたい。

最近の「アメリカ・パビリオン」の待ち時間は、時間帯等で差があり、1〜3時間ほど。広場に面しているため、他の人気パビリオンと比較すると規制はかかりにくく、行列の割には列の流れは比較的早い。なお、館内での所要時間は30分ほどだ。

(9月9日 大阪・関西万博)
アメリカやフランスなどの人気パビリオンへの行列が絶えない東ゲートから大屋根リングをくぐったな所にある「光の広場」(9月9日 大阪・関西万博)

◆ いざ館内へ!SNS上では「トランプ・パビリオン」と言われているが…

鷲のマークの「アメリカ・パビリオン」(9月9日 大阪・関西万博)
鷲のマークの「アメリカ・パビリオン」(9月9日 大阪・関西万博)

入り口を入るといきなり登場、手を繋いで歩く、トランプ大統領とメラニア夫人の大きなパネル。そのあとも、通路には、トランプ大統領の写真パネルがあちこちに。石破首相や大谷翔平選手と笑顔で並ぶ写真もある。

トランプ大統領とッメラニア夫人がお出迎え(9月9日 大阪・関西万博)
トランプ大統領とメラニア夫人がお出迎え(9月9日 大阪・関西万博)

さらに「ご来館ありがとうございます。心ゆくまでお楽しみください」と話すトランプ大統領のメッセージ動画も流れる。実は、トランプ大統領が前面に出てくる展示は8月頃からで、SNSでは「トランプ仕様」「トランプ・パビリオン」とも呼ばれ、「トランプに始まりトランプに終わった」などのコメントもあがっている。

「アメリカ・パビリオン」ではトランプ大統領のメッセージが流れている
「アメリカ・パビリオン」ではトランプ大統領のメッセージが流れている(9月9日 大阪・関西万博)

トランプ大統領の露出が、会期途中から増えたものの、メイン展示は、基本的には変更ない。しかし再訪した人の中には、「映像などが少し短くなっているように感じる」という人もおり、もしかすると待ち時間短縮が計られているのかもしれない…

石破首相と笑顔のトランプ大統領(9月9日 大阪・関西万博)
石破首相とトランプ大統領、笑顔ツーショット写真も登場(9月9日 大阪・関西万博)

そしていよいよ本編。最初に入る「イノベーション」の部屋では、アメリカのテーマパークさながらユースアンバサダーと呼ばれるスタッフが、来場者に「どこからきた?」などと呼びかけ、会話をしながら軽快に進行。取材時には、「姫路城から来た」というジョーさんが担当してくれた。アメリカンジョークが度々飛び出し、来場者の心をつかんでいる。

ジョーさんがトーク匠にアメリカ館の世界に誘う(9月9日 大阪・関西万博)
ジョーさんがたくみなトークでアメリカパビリオンの世界に誘う(9月9日 大阪・関西万博)

映像には、「アメリカ・パビリオン」の星型の公式マスコットキャラクター「スパーク」が登場し、農業や医療、生活の問題を解決するアメリカの技術や企業を紹介する。ここからスパークが歌うテーマソング『Together』が何度も流れて、頭から離れなくなる人が続出。ちなみに、帰ってからも万博の余韻に浸りたい人向けに、主要音楽配信サイトでも再生できるようになっている。

スパークルも登場(9月9日 大阪・関西万博)
映像にスパークも登場(9月9日 大阪・関西万博)

次の大型スクリーンがある部屋では、アメリカの大自然、大都市や小さな町、代表的な観光地、各州を旅するように紹介。ここでも大谷翔平選手がバットを振る場面が大きく映り、アメリカのヒーローでもあることが感じられる。

「オオタニサン!」(9月9日 大阪・関西万博)
映像にも「オオタニサン!」(9月9日 大阪・関西万博)

映像がメインの「アメリカ・パビリオン」だが、次の部屋だけは展示がメイン。NASAが宇宙から地球を観測していること、ロケット、3D月面プリンター、ジェイムズ・ウェップ宇宙望遠鏡などが展示紹介されている。ただしじっくり見る時間はないので、ほとんどの人が写真を撮るだけになっている。また、ここでも、最後に映像での紹介がある。

宇宙に関する展示も、じっくり見ることができる(9月9日 大阪・関西万博)
宇宙に関する展示も、じっくり見ることができれば…!(9月9日 大阪・関西万博)

◆ アトラクション味の強い、ロケット打ち上げを体験

ロケット打ち上げをカウントダウン(9月9日 大阪・関西万博)
ロケット打ち上げをカウントダウン(9月9日 大阪・関西万博)

そしてラストの展示「共に到達できるものを想像しよう」が迫力満点。高い天井と壁3面がスクリーンになっており、残り1面も角度が異なる大きな鏡に。

いよいよロケットの打ち上げ(9月9日 大阪・関西万博)
いよいよロケットの打ち上げ(9月9日 大阪・関西万博)

大スクリーンに囲まれた状態でカウントダウンが始まり、NASAのロケットが打ち上げられ、月に向かう。先ほど展示してあったジェイムズ・ウェップ宇宙望遠鏡の鮮明な画像も使われ、どこを見たらいいのか迷うくらいの全面スクリーンの宇宙の旅の没入体験が人気だ。

迫力ある宇宙の映像(9月9日 大阪・関西万博)
迫力ある宇宙の映像(9月9日 大阪・関西万博)
宇宙の映像にもスパーク(9月9日 大阪・関西万博)
宇宙の映像にもスパーク(9月9日 大阪・関西万博)

そして最後には、「月の石」が待っている。こちらは1970年の「大阪万博」で人気を博した「月の石」とは別物。55年前の「大阪万博」は、1969年のアポロ11号が持ち帰ったサンプル。今回は、1972年のアポロ17号が持ち帰ったサンプルで、約37億年前のものだそう。

非常に貴重なので、警備も厳しい。石をじっくり見ることはできないのは、仕方がないがちょっと残念。写真は1枚しか撮れず、流れるように進まないといけないので、実物を目で見るというよりもカメラのモニター越しに見る感じになってしまう。思い切って写真は諦めて、目で見るのも一考だ。

アメリカといえば、「月の石」(9月9日 大阪・関西万博)

パビリオン最後は、ショップに到着。スパークのキーホルダーなどのほか、不思議な形の帽子やカチューシャなど、ちょっとシュールなお土産もならぶ。一部は閉幕に向けてなのか、セールが始まっている。

便利そうなトートバック(9月9日 大阪・関西万博)
便利そうなトートバック(9月9日 大阪・関西万博)
テンション高めの星型の帽子(9月9日 大阪・関西万博)
テンション高めの星型の帽子は、着こなし方が問われるかも(9月9日 大阪・関西万博)

パビリオンの外に出ると「スパーク・バーガーセット」やデザートなどがいただけるレストランと、アメリカのミュージシャンやダンサー、DJなどが毎日登場するステージもある。ステージの予定などは、公式インスタグラムや、パビリオン前の電光掲示版でも確認ができる。

ステージでは様々なパフォーマンスが展開される。写真は
フープダンス(撮影5月1日:大阪・関西万博)
ステージでは様々なパフォーマンスが展開される。写真はフープダンス(撮影5月1日:大阪・関西万博)

このショップやレストラン、ステージは展示の列に並ばなくても利用でき、レストランは比較的入りやすく「穴場」と言われている。以上が「アメリカ・パビリオン」の全貌。広いパビリオンの中にはさまざまなコンテンツが詰まっていた。閉幕まで残された時間は、あと少し。あなたは、これを並んで「見る」or「見ない」どちら?

取材・文・写真/太田浩子

カリフォルニアワインに合う料理を揃えるレストラン。写真は「テキサス風BBQショートリブ」(4800円)(9月9日/大阪・関西万博)
カリフォルニアワインに合う料理を揃える宇宙テイストのレストラン。写真は「テキサス風BBQショートリブ」(4800円)(9月9日/大阪・関西万博)
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