国宝クラスのアート満載…万博・イタリア館に今だけの作品が追加に

3時間前

(撮影9月12日:大阪・関西万博)

(写真7枚)

開催中の『大阪・関西万博』で、国宝級のアートを次々と追加展示し、3時間待ちも当たり前になっている「イタリア・パビリオン」。万博の会期も残り約1カ月となる9月12日、ナショナルデーが開催され、期間限定で新たな貴重なアートがお披露目となった。こちらはパビリオン広報曰く、「数日間だけの限定で展示する」とのことだ。

■ 「これだけでチケットの元が取れる」…SNSでも話題

イタリア共和国文化大臣アレッサンドロ・ジューリ氏立ち合いで、除幕式がおこなわれた模様を取材。同パビリオンのテーマは「アートは人生を再生する」で、イタリアの古典から現代までのさまざまな「芸術」を紹介している。すでに、十字架からのイエスの降架を描いたカラヴァッジョ『キリストの埋葬』、ギリシャ神話の神「アトラス」が肩に天球儀のせた彫刻『ファルネーゼのアトラス』、レオナルド・ダ・ヴィンチ 『アトランティックコード』などが展示。

(撮影9月12日:大阪・関西万博)
『ファルネーゼのアトラス』(撮影9月12日:大阪・関西万博)
(撮影9月12日:大阪・関西万博)
『キリストの埋葬』(撮影9月12日:大阪・関西万博)

イタリアにいても簡単には全てを見ることはできないような作品が一堂に会していることから、SNSでは「同パビリオンを見るだけでチケットの元が取れる」「こんな欲張りセットが許されるのか!」と言われるほどだ。

(撮影9月12日:大阪・関西万博)
『連続性の中の唯一の形態』(撮影9月12日:大阪・関西万博)

ここに今回追加展示されたのが、ジャコモ・バッラの『ボッチョーニの拳の力戦』。「未来派」を代表するウンベルト・ボッチョーニはバッラの弟子で、若くして落馬事故で命を落とした。そんなボッチョーニの拳の動きを再解釈したオマージュ作品とされる。

(撮影9月12日:大阪・関西万博)
『ボッチョーニの拳の力戦』除幕式(撮影9月12日:大阪・関西万博)

すでにボッチョーニの『連続性の中の唯一の形態』はイタリア館に展示されており、バッラ『ボッチョーニの拳の力戦』と並べて同時公開されるのは、日本で初めてのこと。人間や拳のスピードや動き、ボリュームが抽象的に表現されている「未来派」を代表する師弟作品を同時に鑑賞できる貴重な体験が提供された。

(撮影9月12日:大阪・関西万博)
『ボッチョーニの拳の力戦』が公開に!(撮影9月12日:大阪・関西万博)

『ボッチョーニの拳の力戦』は、『連続性の中の唯一の形態』との対話のために展示されるとのことで、9月12日から数日間のみ展示される。一度パビリオンを訪れた人も、再訪のトライをする価値があるかもしれない。

(撮影9月12日:大阪・関西万博)
2作品を対話のために展示(撮影9月12日:大阪・関西万博)

◆ ジャコモ・バッラ『ボッチョーニの拳の力戦』
ビロッティ・コレクション所蔵で、木と彩色したボール紙による限定3点のエディションのひとつ。芸術家の構想どおり、バッラの遺族ヴィットリオ、パトリツィア、アレッサンドロの監修のもと制作された唯一の作例です。他の二点はレンデの現代美術館常設展示、およびローマのカーザ・バッラに所蔵されている。

取材・文・写真/太田浩子

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