見た目で判断できず! 内側が腐った玉ねぎ「食べて大丈夫?」

2時間前

このくらいの症状だと、購入時にはわからなそうです(提供:すりごまさん)

(写真1枚)

玉ねぎを半分にカットしたら、外は綺麗だったのに、内側の1層だけ色が変わっていることがありますよね。まさにその状態の玉ねぎの写真とともに「内側3層目から腐るのなんでなん」とつぶやいた、「すりごま🐾」(@surigoma2012)さんの投稿が話題になり、真相を「丸安青果」(兵庫県西宮市)に取材しました。

「外側から腐ってくれたら、買う前や切る前にわかるのに、どうして3層目なん」

このポストに共感する人は多いようで、「外からはどうもないって思って切ったら、そこ腐る??ってなりますよね」「私も最近玉ねぎのあたりが悪くて。買ってすぐ切ったらこれ」「これ、悲しいよね」などとコメントが寄せられて、15万を超える「いいね」がつきました。

玉ねぎ農家さんからは、「玉葱農家ですけど、りん片(りんぺん)腐敗病っていう病気なんですよ 見分けるコツは、首の断面がちゃんと乾燥しているかどうかです」とコメントもありました。

また、「これって白い部分は食べても大丈夫なんでしょうか? これに当たったら捨ててるけど、勿体ないといつも思ってます…」という人もいましたが、どうなのでしょうか。野菜や果物の集荷と卸売をおこなう「丸安青果」に、お話を聞きました。

玉ねぎの中が腐っているのは「りん片腐敗」なぜそうなる?

このように玉ねぎの中の層が黄色がかった透明になってしまう腐り方は、通常の玉ねぎ全体がドロドロになってしまう一般的な腐敗とは異なるそう(ドロドロの腐敗は強烈な臭いがあるが、りん片腐敗はそんなに臭わない)。

玉ねぎは、タマネギ球の内部の1層に対して、葉が1枚つき、成長とともに葉と層が増えていきます。この層が「りん片」。つまりりん片腐敗となった層が成長しているときに、気温や雨などの天候の影響を受け、りん片腐敗病になってしまうことがあるとのこと。なるほど、3層目などに突然現れる意味が理解できます。

また、りん片腐敗を購入時に見分ける方法は、玉ねぎの頭の部分(根と反対側)が乾燥しているかを確認するしかなく、すりごまさんの写真の玉ねぎくらいだと頭も乾いているので購入時に見つけることは難しいそうです。ただし腐敗が進んでいると、頭が乾いていないこともあるそうなので、チェックはしておきたいですね。

腐敗病ではあるのですが、通常の芯腐れなどのドロドロになる腐敗とは異なるので、透明になってしまっている部分をキレイに取れば使えないことはないそうです。ただし生食はせずに、必ず火を通す方が良いとのこと。気になる方は、残念ですが廃棄しましょう。もしも腐敗臭がする場合は、絶対に口にしないでください。

玉ねぎの成長過程で気温が高すぎると、りん片腐敗病になりやすいそうで、近年発生頻度が高くなってきていると言います。農家や種屋では、高温に耐えられる野菜作りに力を注いでいます。

また、玉ねぎ農家でも「CA貯蔵」(※1)で保管しているので、購入後も冷蔵庫で保管してほしいとのことです。

(※1:酸素濃度を低くして、二酸化炭素濃度を高くした機密性の高い冷蔵庫。呼吸作用を抑えて、玉ねぎを長持ちさせる貯蔵技術)

取材・文/太田浩子

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