「もっと土の匂いに」万博パソナ館、土のかおり製作秘話

4時間前

『大阪・関西万博』でパソナが運営するパビリオン「PASONA NATUREVERSE」

(写真5枚)

『大阪・関西万博』(会場:夢洲)のパビリオン「PASONA NATUREVERSE(パソナネイチャーバース)」で、演出の一環で「土のかおり」を噴霧しているのをご存じだろうか。どのように香りを作ったのか? そもそも土のかおりって? 製作を担当した、芳香剤メーカー「エステー」(代表:上月洋)の執行役が語った。

製作秘話が語られたのは、万博会場内で開かれた「パソナグループ」(代表:若本博隆)と「エステー」(代表:上月洋)の共同記者会見でのこと。

『大阪・関西万博』パビリオン「PASONA NATUREVERSE」で「土のかおり」を噴霧している展示「Wonder Earth」の様子(提供:パソナグループ)
『大阪・関西万博』パビリオン「PASONA NATUREVERSE」で「土のかおり」を噴霧している展示「Wonder Earth」の様子(提供:パソナグループ)

「いのち、ありがとう」をテーマに、「iPS心臓」や「未来の眠り」の体験ベッドなど、未来の医療技術を巡っていく「パソナ」のパビリオン。

展示のひとつ「Wonder Earth」では、微生物たちが住む土の中を表現し、「土のかおり」を噴霧しているが、この香りを「パソナ」が「エステー」に製作依頼したことから、両社の関係がスタート。8月29日に包括業務提携を締結し、共同記者会見が開かれた。

『大阪・関西万博』で開かれた「パソナグループ」と「エステー」の共同記者会見の様子(8月29日/Lmaga.jp撮影)
『大阪・関西万博』で開かれた「パソナグループ」と「エステー」の共同記者会見の様子(8月29日/Lmaga.jp撮影)

芳香剤メーカーで知られる「エステー」は、近年は企業向けに香りの空間演出も手掛け、福井県と「恐竜時代のかおり」を作った経験もある。

今回「土のかおり」を作るにあたり、「エステー」執行役の山本一成さんは「最初は作られたようないい香りを提案していたのですが、パソナさんから『違う、もっと土の匂いにしてくれ』とオーダーをいただきまして。『昔、土に海があっただろ。そのエッセンスが入ると、大地の豊かさが出るんだよね』ということだったので、『土のかおり』ではありますが、海の素材や、土に近い植物である豆や芋などの香りを使いながら作りました」と秘話を語った。

また、パソナのパビリオンは、7月8日に来場者数100万人を達成。9月末には200万人を突破予定と、好評を博している。「パソナグループ」代表取締役会長CEOの若本博隆さんは、展示について「メディアで取り上げられているのはiPS心臓ですが、全ての展示が『いのち、ありがとう』のテーマに沿ったストーリーになっていて、繋がりがあるところがご評価いただいていると思います」と話した。

「パソナグループ」と「エステー」の共同記者会見で展示された玉ねぎやレモングラスの香り(8月29日/Lmaga.jp撮影)
「パソナグループ」と「エステー」の共同記者会見で展示された玉ねぎやレモングラスの香り(8月29日/Lmaga.jp撮影)

共同記者会見では、「パソナ」と「エステー」の両社が、万博終了後も「香り」を通じて、社会課題の解決を目指していくと発表された。第一歩として、淡路島のパソナが運営する施設に、エステーの香りの抽出装置を設置。淡路島の素材から抽出した精油を、宿泊施設やレストランで活用するという。

具体的には、テーマパーク「ニジゲンノモリ」で香りの演出に使用したり、レストランで「食前酒」のように香りを提供したり、宿泊施設でアロマオイルを選べたりといった展開を予定しており、年内にはスタートしたいとのこと。

『大阪・関西万博』で「土のかおり」を楽しめるパソナのパビリオンは、事前予約または入場待機列に並ぶことで観覧が可能。閉幕後の建物は、解体し船で運び、淡路島へ移設する予定となっている。

取材・文・写真/Lmaga.jp編集部

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