追い詰められた一橋治済の珍行動に、SNSざわつく【べらぼう】

4時間前

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第32回より。変装して人混みに現れた一橋治済(生田斗真)(C)NHK

(写真7枚)

江戸時代のポップカルチャーを牽引した天才プロデューサー・蔦屋重三郎の劇的な人生を、横浜流星主演で描く大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK)8月24日の第32回「新之助の義」では、新将軍誕生を前に、田沼意次や一橋治済たちが次の権力の座をめぐって攻防を開始。そのなかでも治済が取った予想外の行動に、SNSが激しくざわめいていた。

■ 老中を辞めるも、田沼意次が暗躍…第32回あらすじ

徳川家治(眞島秀和)が薨御し、老中職を辞した田沼意次(渡辺謙)だが、雁間詰となることで政を影から動かしていた。徳川家斉(城桧吏)が11代将軍宣下を受けるにあたり、徳川治貞(高橋英樹)ら徳川御三家は、松平定信(井上祐貴)を老中にすることを松平康福(相島一之)に求めるが、康福は意次の入れ知恵により、定信の妹が家治の養女となっているため、将軍家の身内は老中になれない定があると拒否する。

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第32回より。(C)NHK
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第32回より。御三家と話す老中・水野忠友(写真左、小松和重)、と老中・松平康福(写真右、相島一之)(C)NHK

さらに意次は、政を知らない一橋治済(生田斗真)が将軍の後見人になることの不安で治貞を揺さぶり、家斉の周りを田沼派で固めることに成功。そして定信を家斉の後見にする代わりに、江戸に米を送るという交換条件を出す。定信はこの話を預かった上で米を送ると意次に伝えるが、その約束を反故にすることで、意次に復讐を果たす方を選ぶ。その頃治済は、みずから町に出て庶民の打ちこわしの扇動を開始していた・・・。

■ ただでは起きない田沼意次「裏の老中」へ

身分の低い田沼意次の類まれなる政の才能を誰よりも認め、自分の血筋よりも彼の地位を優先してくれた神のような上司・徳川家治がいなくなり、これで意次も一巻の終わりか・・・と思いきや、意次はただでは転ばなかった!

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第32回より。(C)NHK
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第32回より。徳川治貞と話す田沼意次(渡辺謙)(C)NHK

息子・意知(宮沢氷魚)と約束した米問題の解決、平賀源内(安田顕)の遺志を継いだ蝦夷地開拓を進めるために、自分のアイディアがこれからも政に反映できるよう、全力で手を回した。てっきり保身のために意次を見捨てたと思った康福も、実は一橋とつながってるんじゃないか疑惑があった大奥総取締・高岳(冨永愛)も、それに惜しみなく協力。2人とも、今まで疑っていてすみませんでした。

しっかりと「裏の老中」の立場をゲットした意次には、SNSで「田沼様〜!!! 転んでもただでは起きず将軍の周りを田沼派で固めたぜ!!!」「逆襲の田沼」「こういう立ち回りと智謀はさすがの田沼様よね」「かつての同僚に今や頭を下げねばならない立場だが、挫けず巻き返しをはかる意次。意知が亡くなった時も思ったが、やっぱりメンタル強い」と、その底力を称賛する声が相次いだ。

■ 「やーい、一橋怒られたー!」沸くSNS

そして一方、謀略の限りを尽くして「将軍の父」の称号を手に入れた一橋治済だったけど、いよいよ政の表舞台に出ようかというところで、一橋家よりも格が上の徳川御三家(尾張家・紀州家・水戸家)の待ったがかかった。特に将軍の父は「公に命を下せる立場ではない」というのを、今さらのように知ったのは、完全に政治音痴なところを公に露呈したことになるので、相当な赤っ恥だろう。特に紀州藩・徳川治貞の「見苦しい!」の一括には、SNSでも「よくぞ言ってくれた!」の喝采の声が。

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第32回より。(C)NHK
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第32回より。宴席に参加する一橋治済と御三家。写真左から、一橋治済(生田斗真)、徳川治貞(高橋英樹)、徳川宗睦(榎木孝明)、徳川治保(奥野瑛太)(C)NHK

「一喝されてTLが沸いた」「やーい、一橋怒られたー!」「うわ桃太郎侍(治貞)さん! もっとやったってくださーい!!」「将軍の父? 将軍より下だろ? 意地悪でも反感でもなく事実でしかない」「これまで裏で陰謀を駆使してきた一橋治済の弱点、表の政治の経験値不足と権力の源泉(地位の無い将軍の父にすぎない)の弱さ」「彼の『天』はどこまでも狭く、その外側からの攻撃には脆弱だというのがわかるシーン」など、スッキリしたような言葉が並んだ。

■ 松平定信の反撃…お救い米をシャットアウト

こうして治貞が一橋治済に警戒マークを付けたところで、意次は御三家から老中の推薦があった松平定信を、まだ幼い新将軍・家斉の後見にと提案。政務は田沼派が引きつづき行うけど、将軍に近い権限は与えるから、お互いうまくこの難局を乗り切りましょうね・・・という、意次のバランス感覚が生み出した新体制の絵図だったけど、定信は意次が考える以上に彼のことを恨み、そして非情な策士でもあった。

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第32回より。(C)NHK
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第32回より。田沼意次への恨みを話す松平定信(井上祐貴)(C)NHK

意次の提案にはやすやすとは乗らないけど、江戸の町民のために米は回す・・・と約束しながらも「やるとは言ったが、やれるとは言ってない」という方便で、お救い米をシャットアウト。江戸の民を救うことよりも、意次の政治家としての息の根を完全に止める方を選んだわけだ。後年彼が行う「寛政の改革」が、民衆の反発を招くことになる理由が、早くも透けて見えたような気がした。

これにはSNSも、「見上げたプライドだと思ったらそういうことかよww」「やるやる詐欺とは酷い」「田沼の言いなりになるのが気に入らないというプライドの問題でしょうね。ある意味、小僧そのものだわ」「理想家の彼の理想の中には庶民の生活が全く含まれてないことを早々に出してきてて草」「一橋も定信も政局ばかり考えてる。飢えて困ってる江戸の市民を助けようと本当に動いたのは田沼なのに」など、定信に呆れたようなコメントが出ていた。

■ 一橋自ら「三文芝居」に参加、SNS祭りに

さらに田沼に足を引っ張られた形の治済も、大坂で起こった打ちこわしの波を、江戸にも起こすべく得意の暗躍を開始した。まずは手下・丈右衛門だった男(矢野聖人)に「役人がこの物乞いに『米がないなら犬を食えばいいじゃない』と言った」とデマの口火を切らせた。丈右衛門(仮)の悪い意味でのシゴデキ具合を知る視聴者からは「またお前かーー!!!」「着火するポイントを押さえすぎている」「こいつ一人で江戸時代を踊らせすぎてるだろ」という悲鳴が。

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第32回より。(C)NHK
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第32回より。デマを扇動する丈右衛門だった男(矢野聖人)(C)NHK

さらに視聴者が二重に驚いたのが、この物乞いがなんと変装した治済だったこと!! 戦国時代で言えば、大将が激戦の真っ只中に自分から突っ込んでいくように、みずから扇動の渦中に飛び込んだというところなんだろうけど・・・それにしても「ここまでやるか?!」感がすごすぎて、SNSも祭りのようになっていた。

「一橋様じかに三文芝居しにきたの!!」「芸事好きがこんな事に繋がるなんて」「治済も神出鬼没の吉宗公おじいさまに憧れてたのかしら」「一橋様が自らこんなことする意味は無いんだけど、こいつなら特等席で扇動に乗せられる庶民を見たがるだろうなという妙な納得がある」「地べたを這い、泥まみれでボロボロになるような人々とは対極にいる男が『米がないなら犬を食えと?!』 って小芝居をするの、グロテスクすぎる」と、大いに盛り上がっていた。

■ ここで蔦重と一橋治済が邂逅…毒牙及ぶか?

そして立場が違いすぎて、一生相まみえることはないだろうと思っていた重三郎と治済だったが、治済が市中に出てきたことで、重三郎をロックオンするという、起こってほしくない偶然が起こってしまった。治済が蔦屋という新興の本屋のことをどこまで知ってるかは現時点では不明だけど、ここにおよんで田沼に味方する江戸っ子が残っていることを目撃するのは、決して気分がいいものではないだろう。

『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第32回より。(C)NHK
『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』第32回より。長屋の住民たちに殴られた重三郎(写真左、横浜流星)を遠目に眺める一橋治済(写真右、生田斗真)(C)NHK

生田斗真自身は、公式の動画インタビューで「横浜流星に会うことができました。嬉しかったです」と語っていたが、本っっ当に自分のことしか考えてないことが今回で身にしみるほど伝わった治済と、すべての行動原理は「人のため」である重三郎とは、決して反りが合うことはないだろう。治済の毒牙は、重三郎にも直接およんでしまうのだろうか? 次回予告でも丈右衛門(仮)の暗躍はつづく模様なので、影響があまり出ないことを一週間祈ろう。

大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』はNHK総合で毎週日曜・夜8時から、NHKBSは夕方6時から、BSP4Kでは昼12時15分からスタート。8月31日の第33回「打壊演太女功徳(うちこわしえんためのくどく)」では、打ちこわしがはじまって米屋が次々と襲撃されるなか、重三郎が田沼意次にある秘策を提案するところが描かれる。

文/吉永美和子

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