南大阪で創業700年!地元民が愛する郷土菓子「くるみ餅」って?

「かん袋」の外観
大阪・堺名物の「くるみ餅」をご存知だろうか?名前から想像すると、クルミあんをお餅にかけたものや、クルミを砕いてお餅に練りこんだものなどを思い浮かべるかもしれない…が、堺の「くるみ餅」はうぐいす色のあんと、ひと口大の餅を組み合せたもの。地元に住む人たちにとっては幼い頃からの郷土の味であり、日常のおやつや贈答にと身近な菓子として親しまれている。
■ 室町時代から愛される…「くるみ餅」の歴史とは
「くるみ餅」を生み出したのは、元徳元年(1329)に創業し旧市街の一角に店を構える「かん袋」。開店から700年の歴史がある老舗中の老舗だ。

27代目店主・今泉文雄さんは、「くるみ餅」の歴史について「室町時代に堺の港が明との貿易で栄えていた頃。5代目・忠兵衛が、明より仕入れた農作物を用いて塩味で挽き合わせた茶菓子を売り出したのが始まりです。お餅をあんでくるんで食べることからくるみ餅と名付けられたそうです」と話す。

その後、南蛮貿易によって黒糖が輸入されたことで甘味が加えられるように。そして明治期に上白糖が取り入れられ現在に至るまで手作りにこだわり、変わらぬ味を守り続けている。そんな歴史ある菓子「くるみ餅」は、豆の風味豊かなまったりとした甘みと、ひと口大のみずみずしい餅との組み合わせが絶妙だ。
築約60年の店舗には喫茶スペースが併設されていおり、なかでは「くるみ餅」をはじめ、夏限定で氷をあわせた「氷くるみ餅」をいただける。素朴だけれどもクセになる味わいを求めて、店前には行列も。長きに渡り老若男女に愛される人気店なのだ。

「かん袋」の営業は10時〜16時45分L.O.まで営業。火・水曜休(祝日の場合は営業、翌平日休)。
このほかにも、南大阪には「行きたい店」が盛りだくさん。堺・泉州・南河内など南大阪の全23市町村の定番から新定番までを紹介している『南大阪の本』(創刊:京阪神エルマガジン社)より。
写真/岡本佳樹
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